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アンリツ、モバイルマルチメディア放送規格「ISDB−Tmm」に対応の計測ソリューションを拡充
ISDB−Tmm計測ソリューション拡充
次世代モバイルマルチメディア放送規格「ISDB−Tmm」に対応した信号出力を実現
MS269xA/MG3700A用ISDB−Tmm波形パターンMX370084Aの販売を開始
アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、携帯端末向けのモバイルマルチメディア放送規格である「ISDB−Tmm」(注)に対応した計測ソリューションを拡充。新たに、ISDB−Tmm波形パターンMX370084Aを開発。4月25日から販売いたします。
MX370084Aは、ベクトル信号発生器MG3700AとシグナルアナライザMS269xAシリーズ用ソフトウェアです。
MG3700AもしくはシグナルアナライザMS269xAシリーズ(ベクトル信号発生器内蔵モデル)にMX370084Aをインストールすることにより、ISDB−Tmmに対応した携帯端末の受信特性の評価や、中継器および中継器に搭載される電子部品など携帯端末にISDB−Tmm放送波を送信するための設備の送信特性評価で必要となる基準信号を出力できます。
ISDB−Tmmは2012年のサービス開始が予定されており、ISDB−Tmm対応携帯端末、中継器や電子部品を評価できる計測器のニーズが高まっています。
アンリツは、ISDB−Tmm対応機器の評価で必要となる基準信号出力を可能とするMX370084Aの販売を開始することにより、ISDB−Tmmサービスの円滑な商用化に貢献いたします。
(注)ISDB−Tmm
地上デジタル放送方式の「ISDB−T」から派生したモバイルマルチメディア放送
規格。アナログTV放送停波後に空く207.5MHz−222MHzの周波数帯域での使用を、2010年9月に総務省が認可した。
[開発の背景]
ISDB−Tmmは、高画質なストリーム放送や映像コンテンツをダウンロードできる次世代モバイルマルチメディア放送規格であり、急増するモバイルトラフィックのデータオフロード[※1]としても注目されています。
ISDB−Tmmは2012年にサービス開始が予定されており、携帯端末・中継器・電子部品の信号特性評価を可能とする信号発生器のニーズが高まっています。
そこでアンリツは、ベクトル信号発生器MG3700AとシグナルアナライザMS269xAシリーズ(ベクトル信号発生器内蔵モデル)の機能を強化。ISDB−Tmm対応機器の送受信特性評価で必要となる基準信号の出力を可能とするソフトウェアの販売を開始しました。
[製品概要]
ISDB−Tmm波形パターンMX370084Aは、ベクトル信号発生器MG3700A、シグナルアナライザMS269xAシリーズ用ソフトウェアです。
MG3700AにMX370084Aをインストールすることにより、ISDB−Tmmに対応した携帯端末の受信特性の評価や、中継器・電子部品の送信特性の評価で必要となる基準信号を出力できます。
<ベクトル信号発生器MG3700A>
MG3700Aは、3GPP LTE FDD/TDD、W−CDMA/HSDPA/HSUPA、CDMA2000 1X/1xEV−DO、GSM/EDGE、Mobile WiMAX、 ISDB−Tワンセグメントなど各種移動通信システムのデジタル変調[※2]信号を出力できる信号発生器です。サンプリングレート[※3]160MHz[※4]の任意波形ベースバンド発生器を標準内蔵しており、各波形パターンファイルを選択するだけで様々な通信方式のデジタル変調信号を出力できます。さらに2つのメモリを内蔵していることから、希望波[※5]と妨害波[※6]/AWGN[※7]など従来2台の信号発生器を必要としていた作業が、1台のMG3700Aで行えます。
<シグナルアナライザMS269xAシリーズ>
MS269xAシリーズは、50Hz〜6GHzの周波数範囲において、優れた総合レベル確度[※8]と変調精度、広帯域解析を実現したシグナルアナライザです。広帯域FFT[※9]解析が行えるベクトル・シグナル・アナリシス機能、信号波形をデジタルデータとして取り込めるデジタイズ機能も標準搭載しており、複雑化するワイヤレス通信システムの研究・開発や高性能が要求されるデバイス、基地局の試験が効率よく行えます。また、オプションでベクトル信号発生器を内蔵でき、1台のMS269xAで、受信特性/送信特性評価が行えます。
<MS269xAシリーズを使用したISDB−Tmm対応中継器・電子部品の評価について>
中継器はISDB−Tmm放送波を受信し、携帯端末に送信するという機能を担っています。このため、中継器や中継器に搭載される電子部品の評価では、基準信号の入力と中継器・電子部品が送信した信号の解析が必要となります。MS269xAシリーズは、ベクトル信号発生器(オプション)による変調信号出力と各種解析ソフトウェアによる信号解析をサポートしています。ベクトル信号発生器内蔵モデルのMS269xAシリーズに、MX370084Aとすでに提供しているISDB−Tmm解析ソフトウェアMX269037Aをインストールすることにより、ISDB−Tmm対応中継器・電子部品への基準信号の入力と上記機器が送信した信号の解析が可能。1台の計測器で送信特性評価が行え、設備コスト削減に貢献いたします。
[対象市場・用途]
■対象市場:デジタル放送機器関連メーカー
■用途:ISDB−Tmm対応携帯端末の受信特性評価、中継器、部品の送信特性評価のための基準信号出力
[営業情報]
■販売開始 :平成23年4月25日
■予定販売台数:160セット
■価 格 :30万円
<参考価格>
・ベクトル信号発生器MG3700A 280万円〜
・シグナルアナライザMS269xAシリーズ 400万円〜
・ベクトル信号発生器MS269xA−020(MS269xA用オプション) 200万円
[用語解説]
※1:データオフロード
家庭内で利用されている光回線やWi−Fi、携帯端末向けのマルチメディア放送などのネットワークを用いて、携帯端末でインターネット通信を可能とする技術。
※2:変調
伝送情報を電波の振幅、位相等に変換すること。
※3:サンプリングレート
アナログ信号をデジタル信号に変換する際の1秒間の回数。
※4:MHz(メガヘルツ)
周波数の単位。1秒間に100万回周波数が振動することを意味する。
※5:希望波
受信試験を行う際に、測定対象チャネルとなる信号。
※6:妨害波
受信試験を行う際に、測定対象チャネルとなる信号とは別の妨害になる信号。
※7:AWGN:Additive White Gaussian Noise
相加性白色ガウス雑音。通信を阻害する信号を作り出すために使用される。
※8:総合レベル確度
測定誤差を発生させる要因をすべて含んだシグナルアナライザ/スペクトラムアナライザの総合的な性能。
※9:FFT:Fast Fourier Transform
高速フーリエ変換。フーリエ変換とは信号中に含まれている周波数成分を抽出する処理。
*製品画像は添付の関連資料を参照
<お客様からの問合せ先>
アンリツ株式会社
計測サポートセンター
TEL:0120(827)221
E−mail:MDVPOST@anritsu.com