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富士キメラ総研、電子決済ビジネス国内市場調査結果を発表

2011-04-27

拡大するインターネット/モバイル決済、多様化する電子決済サービス
電子決済ビジネス国内市場を調査

−2015年決済サービス予測(10年比)−
●Pay−easy(ペイジー) 3.5倍 25兆円 税金・公共料金のインターネット/モバイル決済で急拡大
●プリペイド型電子マネー 2.8倍 4兆5,000億円 主要コンビニの採用で拡大
●デビットカード 2倍強 1兆6,950億円 クレジットカードから代替、「銀聯」急伸も


 マーケティング&コンサルテーションの(株)富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 田中 一志03−3664−5839)は、2010年12月〜2011年2月の間、各種カードが普及し、電子データによる決済サービスが進み、また資金決済法の施行もあり、変貌する電子決済サービスビジネスを展望し今後の有望ビジネスを分析した。その結果を報告書「電子決済ソリューションビジネスの将来展望 2011」にまとめた。

 今回は「電子決済」の観点から調査を実施した。特に市場が拡大している10種類の「電子決済」サービス、すなわちクレジットカード、デビットカード、電子マネー(プリペイド型)、電子マネー(ポストペイ型)、電子マネー(サーバ管理型)、磁気プリペイドカード、ブランドプリペイドカード、カード型ギフトカード、ポイントサービス、Pay−easy(ペイジー)と、収納代行サービスおよび代金引換サービスに注目し、決済金額と関連ビジネスの規模と動向を分析した。
 また10年4月施行の「資金決済法」で、これまで規制対象外であったサーバ型電子マネーを前払式支払手段として規制の対象に加えたことが、「決済サービス」分野にも及ぼすと見られる影響を分析した。
 さらに為替取引が金融機関以外にも認められ新たなビジネス展開が予想されることから、「送金サービス」の最新動向もまとめた。さらに決済を軸にソリューションビジネスの全体動向を捉えるため、決済金額/件数から見た市場および媒体市場、決済端末市場、サービス市場についてまとめた。
 特にEC決済が拡大し続け、今後の決済市場で提供サービス形態、決済手段に大きな変化を与えると見られることから、リアル/ネット(モバイル)の側面からも市場を考察した。


<調査結果の概要>

●主要電子決済サービス市場 (決済金額)

 ※参考資料は添付の関連資料を参照

 10年の10種の電子決済サービスの合計市場は、43兆2,319億円と推定した。そのうち、クレジットカード決済が31兆6,700億円と市場全体の73%を占める。以下、Pay−easy(7兆2,000億円)、プリぺイド型電子マネー(1兆9,500億円)、ポイントサービス(1兆2,300億円)などの各決済サービスが大規模である。
 15年には、非接触ICカードにシフトしてゆく磁気プリペイドカードを除き、すべての決済サービスが拡大し、全体で71.5兆円に達すると予測する。クレジットカードやポイントサービスは安定した伸び、その他の各サービスも高い成長が見込まれるが、特にPay−easy、プリペイド型電子マネー、デビットカードの各サービスの大幅な成長を予測する。中でも公共料金や税金支払いで利用の拡大が見込まれるPay−easyの伸長が顕著となる。

クレジットカード(発行枚数 10年 7,600万枚 → 15年 6,800万枚)
 貸金業法や割賦販売法の改正で与信審査やキャッシングの厳格化が進み、クレジットカードは上限金利の引き下げや総額規制によりキャッシングよりショッピング利用が促進され、運営コストの抑制を目指した業務移管が進むなど新たな局面を迎えている。今後は、ユーザーのポイントの集約から支払い窓口の一本化が進みカード契約の解消など利用カードも絞られていく中で、小額決済やEC決済の需要が拡大して堅調に推移していくと予想される。新規と更新カード共に低コスト運営を目指して絞り込み、利用者を実質的に拡充するため発行枚数は減少すると見られる。
 ポストペイ型電子マネー(発行枚数 10年 600万枚 → 15年 650万枚)
 利用後の支払がクレジットカードと連動する電子マネーで、NTTドコモ「iD」とJCB推進の「QUICPay」の市場となっており、今後、利用可能場所の拡大とともに利用件数の増加が見込まれる。将来的に、NTTドコモ,KDDI、ソフトバンクの通信事業3社が韓国の通信事業社と進めるおサイフケータイのモバイルNFC(国際標準近接型無線通信方式)サービスが台頭する可能性がある。

◇サーバ管理型電子マネー(利用者数 10年 600万人 → 15年 1,050万人)
 10年の利用者数600万人、15年には1,000万人超、1,850億円市場になると予測する。オンラインゲームでの利用が堅調に推移していることに加えて、映像配信などのデジタルコンテンツ、ソーシャルゲーム(携帯コンテンツ)需要が急拡大。今後更に、SNSや電子書籍など新たなデジタルコンテンツ市場の成長による拡大を見込む。

◇ポイントサービス
 決済金額により一定割合のポイント/マイレージを付与し、値引き還元するサービスで、顧客の囲い込みや管理ツールとして導入を検討する企業が増加している。景気悪化で消費が低迷している中で、顧客の囲い込みや来店促進が期待されるこのサービスの需要が高まることによる市場拡大が予測される。一方、15年以降上場企業では国際会計基準(IFRS)導入による会計処理からこのサービスの見直しが行われることも想定される。

 その他の決済サービスでは、コンビニ収納代行が10年の8兆6,800億円から15年には11兆5,500億円に拡大すると見込まれる。通販/EC市場の拡大を背景にクレジットカード非利用者の需要により堅調に推移する。代金引換サービスも3兆6,000億円とEC市場の拡大とともに成長している。ネットショッピング、オークションでの利用も増加する見込みで、決済手段もクレジットカードや電子マネーなど多様化しつつある。
 また時代の進化に対応して、法規制では10年4月の「資金決済法」施行から、銀行以外の事業者が資金移動業者の登録により為替取引が可能となった。個人および登録事業者(銀行以外)の10年の送金サービス規模は330億円であったが、5年間で利用が13倍に拡大、15年には4,200億円と予測する。今後特に、上限100万円でも個人間の送金サービスを中心に新たな展開が期待される。都市銀行の海外送金手数料より安価なサービスが実現する国際送金/受け取りの市場以外に、ECサイトの電子マネー換金利用やモバイル送金といった新たなサービス市場の創出も期待される。


<注目される決済サービス>
●Pay−easy(ペイジー)
 日本マルチペイメントネットワーク推進協議会が運営し、公共料金・税金などの支払いを想定して構築された電子的支払いの仕組み「ペイジー収納サービス」を対象とする。10年は、国税電子納付や地方公金の納付額が6.4兆円と約90%を占めた。今年3月末で、対応する金融機関が約1,500機関、インターネットバンキング/モバイルバンキングそしてATM対応、と時間や場所に制約されない決済手段として定着し活用が増加している。このサービスは官公庁/地方自治体/企業などの収納機関と金融機関が共同ネットワークを組み、今後ネットオークションやEC通販を中心とした民間企業の導入増加により、さらに大きく拡大する。取り扱い金額が大きいほど収納機関のメリットが高いことから、特に金額規模の大きい税金関連の取り扱いが今後もサービスを牽引していくと見られる。

●デビットカード
 キャッシュカードやキャッシュ/クレジット一体型カードにより預金口座から引き落とす決済サービスで、「J−Debit納付方式」による公金支払利用の拡大や、与信厳格化によるクレジットカード利用者の移行、中国観光客増加による中国銀聯「銀聯」カードの取扱い増加などにより、今後拡大が見込まれる。10年の利用件数は拡大したが、金融機関の最大利用額制限などもあり、利用単価が低下して7,980億円(09年比90.7%)となった。
 日本デビットカード推進協議会「J−Debit」、VISA、MasterCardなど国際ブランドの「ブランドデビット」、中国銀聯「銀聯カード」が普及している。10年末時点で「J−Debit」加盟店が33.5万店、VISAデビット加盟店280万ヶ所、中国銀聯加盟店2.2万店であるが、中国銀聯対応加盟店が急増し、他は何れも微増である。
 欧米では、このレジ省力化/クレジットカード端末との共用メリットが認識され、クレジットカード以上に普及している。リーマンショック後、より堅実な買物を志す傾向が強まっており、市場は中長期的には現在の規模を維持しつつ都市部/観光スポットを中心に「銀聯カード」利用可能箇所の増加や「VISAデビットカード」普及、新たなサービスにより微増で推移すると予測される。

●プリペイド型電子マネー
 ようやく全ての主要コンビニエンスストアで利用可能となり、今後利用件数の拡大が見込まれる。「Suica」などの交通系,「WAON」、「nanaco」などの流通系の他におサイフケータイによるモバイルタイプなどがある。インターネット/モバイル決済や、スマートフォン決済などの需要取り込みも期待される。
 10年のカード市場は4,100万枚(09年比107.9%)決済金額1兆6,000億円(同133.3%)と、流通系の「WAON」、「nanaco」が伸びて、実績全体の67%を占めている。ともにポイント付与で利用を増加させている。「Suica」や「Edy」も発行枚数や利用可能箇所の増加などに伴い実績を伸ばしている。今後はリアル店舗に、ネット加盟店サイトも含め、利用可能箇所の拡大を進めながら、「使える電子マネー」を目指した利用者囲い込み・利用促進がますます重要になる。モバイルNFCサービスでは、従来無かった魅力的なサービスを提供しておサイフケータイの普及を目指すことが期待される。

●収納代行サービス(コンビニ 10年8兆6,800億円 → 15年11兆5,500億円)
 コンビニの収納代行および通信事業者による自社サービス利用料の決済・課金代行サービスを対象とする。コンビニでは24時間365日の払い込み可能など利便性が高く、10年の利用件数は約9.1億件、決済金額で8.7兆円規模となった。各種公金のコンビニ収納が認可されたこともあり、今後も拡大が続くと見込まれる。郵便局は窓口での受付、銀行では手数料が必要などもあり実際には約4.6万ヶ所のコンビニ店舗利用が中心となっている。
 今後も、このサービスは、セキュリティ面の不安を感じる購入者や、クレジットカード非所有者の需要に対応出来るメリットから通販やEC市場の拡大を背景に堅調に推移すると予測する。
 また、Androidアプリや電子書籍などの販売の新サービスでは、サイト運営者がコンテンツ販売の決済や決済を代行するケースが多くなっている。今後これらの市場はスマートフォン市場の拡大に後押しされ本格的に市場を形成する見込みであり、オンライン系の支払い代行も増加すると推察される。


以上


<調査対象>
 ※添付の関連資料を参照

<調査方法>
 富士キメラ総研専門調査員による調査対象先/関連企業各社への直接面接調査、及び、社内データベースと公的データの活用

<調査期間>
 2010年12月〜2011年2月


資料タイトル :「電子決済ソリューションビジネスの将来展望 2011」
体    裁  :A4判   262頁
価    格  :97,000円(税込み101,850円)
          CD−ROM付価格 107,000円(税込み112,350円)
調査・編集  :富士キメラ総研 研究開発本部 第二研究開発部門
          TEL:03−3664−5818  FAX:03−3661−5275
発 行 所  :株式会社 富士キメラ総研
          〒103−0001東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 F・Kビル
          TEL03−3664−5839(代)  FAX 03−3661−1414
          e−mail: info@fcr.co.jp
          この情報はホームページでもご覧いただけます。
          URL: http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
               http://www.fcr.co.jp/


 ※報告書目次は添付の関連資料を参照

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