Article Detail
日立、北米でのエネルギーソリューション事業拡大で新拠点を開設
日立がエネルギーソリューション事業の拡大を目的に北米に新たな拠点を開設
株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、北米市場におけるエネルギーソリューション事業の拡大を目的として、日立の北米における地域統括会社である日立アメリカ社(President&CEO:紺野 江里佳)内に、お客さまのエネルギー課題に対する提案・開発・ファイナンス構築からO&M(*1)までの一貫したソリューションを提供するための新たな拠点として「Energy Solutions Division」を開設しました。本拠点では、さまざまな先進的な取り組みが行われている北米市場のニーズを追求し、日立がこれまで培ってきた電力・エネルギー分野におけるOT(*2)と、先進的なIT(*3)を融合した、デジタル技術を活用したソリューションを提供することで、エネルギーソリューション事業の拡大を図ります。
昨年12月に国連気候変動枠組条約第21回締結国会議(COP21)において採択された「パリ協定」によって、米国では2025年までに2005年比で温室効果ガスを26〜28%削減することを目標として掲げており、自然エネルギーの導入や分散電源への移行が見込まれています。このため、送配電系統での電力安定供給が課題となっているほか、電力会社の投資抑制など電力流通インフラの老朽化といった課題を抱えています。また、電力・エネルギー関連の規制緩和が進んでいることから、ITとOTを活用した設備・プラントの効率的かつ安定的な運用を可能とするための投資が活発に行われています。例えば、スマートメーターの普及率が76%以上となっているほか、配電系統電圧安定化機能(DMS(*4))やの導入も進むなど、電力需要と供給のバランスをとることを目的としたさまざまな市場が立ち上がりつつあります。
日立は、日本国内を中心に、電力会社や新電力事業者、需要家などさまざまなステークホルダーに対し、送変電・受変電・系統システムや需要家に対するマネジメントサービス、電力小売全面自由化のためのシステム構築・運用など、日立が培った技術と知見をベースにしたさまざまなエネルギーソリューションを提供してきました。また、世界各地の実証事業にも参画しており、北米地域においては、ニューヨーク州でマイクログリッドに関する実現性調査(FS(*5))案件を10件以上受注しているほか、米国西部で送配電系統を対象とした大規模停電防止のための系統安定制御システムの実証事業を、また、ニュージャージー州では、実際に電力取引を行いながら電力系統の安定化を目的とした蓄電システムの実証試験を行っています。さらにハワイ州では、EV(*6)の充電を中央制御システムでコントロールするDR(*7)や、EVからの放電を行うVPP(*8)を含めた実証事業を行うなど、最適なエネルギーマネジメントの実現をめざした取り組みを進めています。
今回開設した「Energy Solutions Division」では、これまで培った日立の技術やノウハウを生かすとともに、北米における電力・エネルギー分野に精通した人財を積極的に採用することによって、お客さまに近い場所で、迅速にお客さまとともに課題の解決策を考え、創り上げていく「協創」の取り組みが行える体制を構築し、北米地域に向けてマイクログリッドや蓄電池システム、系統安定化システムなど提案・開発から構築・導入、さらにはO&Mまでの一貫したソリューションを提供していきます。日立では、グローバル市場を牽引する北米のエネルギーソリューション事業を強化することで、社会イノベーション事業を加速させていきます。
*1 Operation&Maintenance
*2 Operational Technology
*3 Information Technology
*4 Distribution Management System
*5 Feasibility Study
*6 Electric Vehicle
*7 Demand Response
*8 Virtual Power Plant