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三菱レイヨン、BMW向け炭素繊維プレカーサーの生産を開始
BMW向けプレカーサーの生産開始について
三菱レイヨン株式会社(以下「当社」)とSGL Group−The Carbon Company−(以下「SGL社」)の合弁会社(出資比率:当社66.66%、SGL社33.34%)であるMRC−SGLプレカーサー株式会社(以下「MSP社」)は、4月から製造拠点を置く当社大竹事業所において、炭素繊維の原料であるポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維プレカーサー(以下「プレカーサー」)の量産を開始しました。
このプレカーサーは、SGL社とドイツの大手自動車メーカーBMWグループ(BMW)の合弁会社であるSGL Automotive Carbon Fibers社に全量供給され、米国ワシントン州の同社炭素繊維焼成工場でラージトウ炭素繊維に加工された後、ドイツバイエルン州の同社中間材工場で各種織物に加工されます。
ラージトウ炭素繊維製織物は、BMW部品工場で炭素繊維複合材料(CFRP)に成形加工され、BMWが2013年に発売予定の次世代環境対応車“Megacity Vehicle”の<i3シリーズ>の構造材料として全面的に採用されることが決まっています。
MSP社は、炭素繊維の性能を左右する基本原料の供給者として、“Megacity Vehicle”プロジェクトのサプライチェーンにおいて重要な役割を担っています。MSP社の生産能力は、当初3年間に7千トン/年規模まで高めることを予定しています。
なお、当社とSGL社は今回の合弁会社設立を機に業務提携関係を一層深め、今後拡大の期待できる産業用途分野での用途開発にも取り組んでいきます。
<合弁会社の概要>
社 名:(和文)MRC−SGLプレカーサー株式会社
(英文) MRC−SGL Precursor Co.,Limited
社 長:小野貴弘(三菱レイヨン(株) パイロフィル部長)
所在地:本社:東京都港区 (三菱レイヨン 本社内)
製造所:広島県大竹市 (三菱レイヨン 大竹事業所内)
設 立:2010年4月30日
出資比率:三菱レイヨン 66.66%、SGL Technologies GmbH 33.34%
<SGLグループの概要>
代表者:Robert J.Koehler(CEO)
本社所在地:Wiesbaden,Germany
事業内容:黒鉛材料、炭素繊維複合材料の製造販売
売上高:1,382百万ユーロ(2010年度)