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大成建設、虹彩方式生体認証を導入し線量管理と連携した安全管理システムを開発

2016-05-12

虹彩方式生体認証を導入し、線量管理と連携した安全管理システムを開発
入退出時の正確な本人確認により、安全管理を徹底


 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、除染や中間貯蔵施設に関連する工事において、入退出時に正確な本人確認を行うため、虹彩方式による生体認証システムを導入し作業員の被ばく線量管理と併せた安全管理システムを開発しました。

 除染や中間貯蔵施設に関連する工事等で放射線の影響を受ける作業では、除染電離則(※1)等に基づいた作業員の被ばく線量管理が必要となります。当社では、これまで作業員の入退場および線量値の記録・管理として、自社開発の「線量管理入退場システム」を運用してきました。このシステムでは、顔写真付き「従事者IDカード」のバーコードを読み取ることで認証しますが、IDカードが所持している作業員のものであるかは、カードの顔写真との照合が必要であり確認に時間がかかるという課題がありました。

 そこで大成建設は、より正確かつ迅速に本人確認を行うため、虹彩方式(瞳孔の周りの色がついた虹彩を読み取って識別する)を組み込んだ生体認証システムを導入し、併せて線量管理情報と関連付けることで、管理業務の省力化、安全管理の徹底を図ることができるシステムを開発しました。


 本管理システムの特長は以下のとおりです。

 (1)高精度な本人確認が可能
  本認証システムで採用している虹彩方式は、一覧表に示すとおり、指紋・静脈・顔・虹彩などの生体認証方式の中でも、本人確認の精度が非常に高い方式です。放射線の影響を受ける作業では、作業員の安全管理を確実に実施する必要があるため、他人受入率(※2)の低い虹彩方式による認証が有効です。また、取得した虹彩情報は、単体では個人特定が不可能なデジタル情報として保管されるため、情報漏えいなどで個人を特定されるリスクもありません。

 (2)迅速な本人確認が可能
  他の生体認証方式では、入退出の際に、ヘルメット、マスク、手袋等を脱着する必要がありますが、本システムの虹彩方式では、眼鏡、コンタクトレンズ、安全防護用ゴーグルを着用したままでも認証が可能です。また、虹彩認証は作業員が非接触で行えるため、虹彩カメラなどの読み取り機器をクリーンに保つことができ、長期間の運用が可能になります。

 (3)現行認証システムとの併用が可能
  現在運用中の「線量管理入退場システム」へオプションとして取り組みが可能で、生体認証のバックアップとして、バーコード読み取り認証への切り替えも容易です。


 現在施工中の除染工事で2015年10月より試験的に運用を行うことで、本システムの有効性を確認しました。

 今後は、中間貯蔵施設の関連工事に従事する作業員の確実な入退場管理ツールとして提案するとともに、将来的にはトンネル工事などの入退出管理にも適用していく予定です。


 ※1 除染電離則とは、平成23年厚生労働省が定めた東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務に係る電離放射線障害防止規則で、「除染特別地域等内において、除染等業務従事者及び特定線量下業務従事者その他の労働者が電離放射線を受けることをできるだけ少なくするように努めなければならない。」ことを定めた。

 ※2 他人受入率は、生体認証において誤って他人を受け入れる確率であり、生体認証方式の確実性を裏付ける要件の一つ。


 *表資料・参考画像は添付の関連資料を参照



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