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帝人、高屈折率と高い耐熱性を兼ね備えた次世代カメラレンズ用の樹脂を開発
高屈折率と高い耐熱性を両立
次世代カメラレンズ用の樹脂を開発
帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:鈴木 純)は、このたび、カメラレンズ用として最高レベルの屈折率と耐熱性を兼ね備えたポリカーボネート(PC)樹脂を開発しました。
スマートフォンや車載カメラ、防犯カメラなどに使われるレンズ用材料は、最終製品である機器の軽量化ニーズに応えるために、ガラスより軽い樹脂へとシフトしています。近年ではそれに加えて、機器の小型化・薄型化に不可欠な屈折率の高いレンズや、機器の高性能化や常時稼働に伴う発熱対策として耐熱性の高いレンズに対するニーズも高まっていますが、屈折率が高い既存のレンズ用樹脂の耐熱性は130−145℃程度で、次世代モデルをはじめとするカメラレンズに求められる耐熱性能を満たすことができず、高屈折率と耐熱性の両立が課題となっていました。
このたび開発したPC樹脂は、ポリマーの分子設計を見直すことにより、レンズ用樹脂としてトップクラスの屈折率(nd=1.65)と、次世代レンズとして充分な耐熱性(約150℃)を兼ね備え、レンズ用樹脂としては最高レベルの性能を実現しました。
松山事業所内に設置した量産プラントから既にサンプル出荷を開始しており、早ければ今夏の採用を期待しています。今後もこうした特性を活かし、次世代カメラレンズ用の樹脂として市場展開することにより、2020年度にはレンズ用樹脂全体で売上100億円を目指します。また、加速する機器の小型化・薄型化に合わせて、nd=1.67を超える超高屈折率・耐熱グレードも、2016年度中の上市を目指して開発しています。
※参考画像は添付の関連資料を参照