Article Detail
富士経済、UV硬化型製品とレジスト関連製品の世界市場の調査結果を発表
UV硬化型製品、レジスト関連製品の世界市場を調査
―2020年世界市場予測(2015年比)―
◆UV硬化型製品は26万7,860トン(11.2%増)
・・・UVインキが市場をけん引
◆レジスト関連製品は10万3,620トン(14.7%増)
・・・ArF/液浸ArFレジストが好調
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03−3664−5811)は、中国や東南アジア、インドなど新興国・地域の経済成長とともに需要が増加しているUV硬化型製品と、FPD用レジストでは需要国・地域での現地生産化が進むレジスト関連製品の世界市場を調査した。
その結果を報告書「2016 光機能材料・製品市場の全貌(https://www.fuji-keizai.co.jp/report/index/111601836.html)」にまとめた。
この報告書ではUV硬化型製品(17品目)、レジスト関連製品(12品目)といった光機能応用製品のほか、それらの原材料(14品目)の市場を調査・分析した。また、光源(UV・LED)や、装置(UVインクジェットプリンタ)の市場についても整理した。
<調査結果の概要>
◆光機能応用製品
*グラフ資料は添付の関連資料を参照
◇UV硬化型製品
2015年のUV硬化型製品市場は、24万880トンとなった。UVインキが最大規模になっている。中でも大きなウエイトを占めるUV硬化型インキの需要が伸びている。また、UV硬化型インクジェットインキ、3Dプリンタ用UV硬化型樹脂の需要も高まっている。UVインキは拡大しており、UV硬化型製品市場をけん引している。
なお、UV硬化塗料・コーティング材はモバイル端末・弱電家電用の需要減少により縮小が予想される。UV接着剤はタッチパネル用OCAの需要増加が予想されるものの、全体的には微増とみられる。
◇レジスト関連製品
2015年のレジスト関連製品市場は、9万375トンとなった。半導体用レジストはArF/液浸ArFレジストが二桁成長を続けており、今後も伸びるとみられる。プリント基板用レジストはプリント基板の増産に伴い、増加が続く。しかし、価格の下落は続くと予想される。
○原材料※
2015年:52万2,718トン
2014年比:101.8%
2020年予測:58万5,242トン
2015年比:112.0%
※一部品目(脂環式エポキシ、ビニルエーテル)は非感光性用途も含む。また、市場が重複する品目(アダマンタン誘導体)、世界市場を算出していない品目(水系オリゴマー)は除外している。
反応性希釈剤として用いられるモノマーの需要は微増となっている。一方、官能基数が多いDPHAなどの多官能モノマーは塗膜の硬度を高めることが可能であり、ハードコート用途などで需要が伸びている。
レジスト用ポリマーのうち、g線/i線/KrFレジスト向けについては需要に大きな変化が見られないが、ArFレジスト向けは二桁成長している。添加剤はUV硬化型製品、化学増幅型レジストの増産に伴い伸びている。
<注目市場>
●UV硬化型インクジェットインキ
2015年:4,505トン
2014年比:108.8%
2020年予測:6,575トン
2015年比:145.9%
UVインクジェットプリンタ(以下、UVIJP)に用いられるUV硬化型インキ(UVIJインキ)を対象とする。
2015年の市場は、4,505トンとなった。
2016年は世界経済の低迷がUVIJPの新規導入を妨げる可能性があるものの、多品種小ロットニーズの高まりで既存装置の需要が堅調なことから、UVIJインキの市場は前年に引き続き拡大するとみられる。
購買力が高まっている中国や東南アジアといった新興国・地域では、サイン・ディスプレイへの需要も増しており、今後もUVIJPの導入が進むとみられる。既存装置の需要に新規需要が加わり、UVIJインキの市場は拡大が続くと予想される。
●ArF/液浸ArFレジスト
2015年:26万ガロン
2014年比:123.8%
2020年予測:45.5万ガロン
2015年比:175.0%
2015年の市場は、26万ガロンとなった。
2016年は半導体市場の伸びが鈍化しているものの、最先端ラインにおけるダブルパターニングやマルチプルパターニングの導入により液浸ArFレジストの使用回数が増加しており、拡大する見込みである。
EUVレジストが登場するまで、クリティカルレイヤーでは液浸ArFレジストを用いたパターニングが引き続き使用されると予想される。
*調査対象などリリース詳細は添付の関連資料を参照