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アンリツ、近傍位相雑音性能を大幅に向上したシグナルアナライザーを販売開始

2016-04-04

近傍位相雑音性能を大幅に向上、狭帯域無線装置・デバイスの
開発・製造向けスペクトラムアナライザ
シグナルアナライザ MS2840Aの販売を開始


 アンリツ株式会社(社長 橋本 裕一)は、シグナルアナライザ/スペクトラムアナライザのラインアップを拡充。新たに、シグナルアナライザ MS2840Aを2016年3月30日から販売開始します。
 今回開発したMS2840Aは、9kHz〜44.5GHzの測定周波数範囲を持ち、内蔵発振器のSSB位相雑音性能[※1]を大幅に向上させています。
 これにより、これまで大型で高価格の位相雑音専用測定器でしか実現できなかった狭帯域通信装置の近傍スプリアス性能評価を、MS2840Aで充分な余裕を持って実施できるようになります。
 さらに、高性能導波管ミキサ[※2]を用いることでミリ波帯のスペクトラム測定が可能です。マイクロ波・ミリ波帯の無線装置や79GHz帯車載レーダー、各種発振デバイス等、SSB位相雑音の性能が求められる開発・製造用途に使用できます。
 また、送信機の瞬時信号[※3]解析に有効なシグナルアナライザ機能を内蔵し、追加オプションで送信機の変調信号[※4]を詳細に解析・評価できる各種測定ソフトウェアや雑音指数(NF)[※5]測定機能を内蔵できます。これらの機能は、無線装置から瞬間的に発生する不要なスプリアスやノイズなどの不具合解析や、デジタル変調やアナログ変調を用いた無線装置に必要な性能評価に使用でき、無線装置の開発や製造の効率を飛躍的に向上させることができます。


[開発の背景]
 近年発売されるスペクトラムアナライザは、需要が拡大しているLTEや無線LANなどの測定用として、広帯域での測定性能を重視したモデルが主流となっています。一方、マイクロ波帯の無線バックホールやV/UHF帯業務用無線機などの測定では、狭帯域での測定性能を重視したスペクトラムアナライザが必要ですが、市場に多く存在するLTE対応スペクトラムアナライザは、これらの用途に適合していませんでした。
 そのため、狭帯域性能を必要とするユーザーは10年〜20年前に購入した旧型モデルを継続利用するか、著しく高価な最高級モデルを購入する必要がありました。
 そこでアンリツは、狭帯域での測定性能を重視したミドルレンジモデルとしてシグナルアナライザMS2840Aを開発しました。


[製品概要]
 シグナルアナライザMS2840Aは、無線装置・デバイスの開発・製造用スペクトラムアナライザです。
 MS2840Aは、スペクトラムアナライザを基本機能とし、測定周波数範囲は9kHz〜44.5GHzです。キャリア近傍のSSB位相雑音性能は、最高級モデルに匹敵する値(*)(測定周波数1GHz、オフセット周波数10kHzにて−123dBc/Hz)を実現しています。
 MS2840Aは、シグナルアナライザ機能を標準で内蔵しており、瞬時スペクトラム[※6]観測、周波数変化vs.時間、位相[※7]変化vs.時間、スペクトログラム[※8]表示など、多彩な測定が可能です。追加オプションも充実し、デジタル/アナログ各種方式の無線変調信号を評価するためのベクトル変調解析ソフトウェアやアナログ測定ソフトウェア、増幅器の雑音指数(NF)測定機能等を用意しています。
 また、別売りのミリ波帯測定用の高性能導波管ミキサを接続することで、50〜90GHz帯の広帯域無線機やレーダーなどの測定が行えます。
 *:3月25日現在、当社調べ


[主な特長]
■最高級モデルに匹敵するSSB位相雑音性能
 送信機のキャリア近傍スプリアス測定のために高い位相雑音性能が必要なマイクロ波帯の無線バックホールからV/UHF業務用無線機まで、広い周波数範囲にわたって対応できます。

■ミリ波帯送信機、アンテナの測定に対応
 MS2840Aに接続して使用するミリ波帯測定用の高性能導波管ミキサは、広い測定ダイナミックレンジ性能を持つとともに、広帯域信号測定時のイメージレスポンス[※9]の影響を解消しており、無線バックホール、車載レーダー、WiGig[※10]等のミリ波帯の広帯域無線機の測定と、高感度が必要とされるミリ波レーダーアンテナのサイドローブ[※11]特性評価に適しています。MS2840Aに高性能導波管ミキサ(60GHz〜90GHz)MA2808Aを接続した場合、79GHz帯においてオフセット周波数[※12]10kHzにて−100dBc/HzのSSB位相雑音性能と−150dBm/Hzの高感度性能を実現しています。

■多機能
 V/UHF帯無線機のスプリアス[※13]測定をはじめ、隣接チャネル漏洩電力[※14]、スペクトラムマスク[※15]、周波数カウンタなどの送信特性を効率よく評価できる測定機能を標準搭載しています。シグナルアナライザ機能を内蔵し、パワーvs.時間、周波数vs.時間、位相vs.時間、スペクトログラム測定に対応します。また、ベクトル変調解析ソフトウェアやアナログ測定ソフトウェア、雑音指数(NF)測定機能等を追加し、測定機能を拡張できます。
 搭載するOSはMicrosoft Windows7(64bit)で、Core−i5(*)CPUと8GBメモリ、ストレージにはSSD[※16]を採用し、軽快な動作を実現しています。

 *Microsoft、Windows、Windows7は、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
 *Core−i5はアメリカ合衆国およびまたはその他の国におけるIntel Corporationの商標です。


[対象市場・用途]
 ■対象市場:無線機器メーカー、電子部品メーカー
 ■用途:レーダー、衛星通信、カーエレクトロニクス製品、無線バックホール、業務用無線機等の開発・製造


[用語解説]
[※1]SSB位相雑音性能
 SSBはSingle Side Band(搬送波単側波帯)の略。信号発生の原理上、必ず含まれる余分な周波数成分。
[※2]導波管ミキサ
 50GHz〜90GHzのスペクトラム測定を可能にし、MS2840Aに接続して用いる応用製品。(形名:MA2806A、MA2808A)
[※3]瞬時信号
 短時間だけ発生したり変動したりする意図しない信号。
[※4]変調信号
 正弦搬送波に、情報が含まれる信号を掛け合わせたもの。
[※5]雑音指数
 入出力信号に含まれる雑音量の比。
[※6]瞬時スペクトラム
 ある周波数における短時間のレベル変動。
[※7]位相
 周期的な信号波形において、どのタイミングにいるかを示すもの。
[※8]スペクトログラム
 スペクトラムの時間変化をグラフにしたもの。縦軸に周波数、横軸に時間、色でレベルを表示する。
[※9]イメージレスポンス
 ローカル信号の高調波と入力信号がミキシングされることによって生じる不要な波形成分。
[※10]WiGig
 60GHz帯の無線通信規格。短距離高速デジタル無線通信に使用する。
[※11]サイドローブ
 アンテナの利得特性において、本来のビーム以外の部分に現れる放射。
[※12]オフセット周波数
 キャリア周波数からの差。
[※13]スプリアス
 意図した信号以外の不要な周波数成分。
[※14]隣接チャネル漏洩電力
 意図した通信チャネルの近隣に漏れ出る信号電力。
[※15]スペクトラムマスク
 変調信号の品質を計る尺度の一つで、信号スペクトラムがある範囲に収まるよう規定したもの。
[※16]SSD
 Solid State Driveの略。半導体メモリを記憶媒体として用いた記録装置。


 ・製品画像は添付の関連資料を参照


<お客様からのお問合せ先>
 アンリツ株式会社
 計測器営業本部 営業推進部
 TEL:046−296−1208/0120−133−099(フリーダイヤル)
 E−mail:SJPost@zy.anritsu.co.jp


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