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IDC Japan、国内EITトランスフォーメーション成熟度のユーザー調査結果を発表
国内エンタープライズITトランスフォーメーション
成熟度に関するユーザー調査結果を発表
・国内ユーザー企業の5割以上が、エンタープライズITトランスフォーメーション(EIT)において、レベル3(標準基盤化ステージ)の成熟度
・8割以上の企業が、EITに取組んでいるものの全社横断的な取り組みに至っていない
・CIOは、競合他社を凌ぐ勢いでEITを全社的に推進すべきである
IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1−13−5、代表取締役:竹内正人、Tel代表:03−3556−4760)は、国内のユーザー企業でエンタープライズITトランスフォーメーション(以下、EITと記述)の意思決定に関与するCIOを対象にEITの取り組み実態について調査し、国内EIT成熟度を分析しました。これによると、国内企業の5割以上が5段階中、中位の標準基盤化ステージ(レベル3)の成熟度にあることがわかりました。ここでCIOと記述する場合、IT担当役員やIT部門の管理職を含むものとします。なお、EITとは、第3のプラットフォーム技術(モビリティ、クラウド、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を用いてITインフラストラクチャを刷新し、自社のビジネス変革を強力に支援することを指します。
本調査(2016年1月実施)では、IDC MaturiyScape(*1)に基づいて、国内ユーザー企業のCIO176人に対するWebアンケートを実施し、この調査結果をもとに国内EIT成熟度を分析しました。IDC MaturiyScapeとは、IT環境の導入状況を客観的に評価するためにIDCが開発した手法です。特定のIT環境について、まったく導入していない場合をレベル0(未導入)とし、導入後のユーザー企業の成熟度を、レベル1(個人依存:基本IT)、レベル2(限定的導入:第2のプラットフォーム基盤のIT)、レベル3(標準基盤化:第3のプラットフォーム基盤のIT)、レベル4(定量的管理:ビジネスのイノベーション)、レベル5(継続的革新:ビジネスの変革)の5段階のステージで評価するものです。
今回の調査レポートでは、ユーザー企業のEIT成熟度を、EIT推進の主要な能力である、「戦略とイノベーション」「組織開発とタレントマネジメント」「ITサービスマネジメント」「エンタープライズアーキテクチャ」「ベンダーソーシングマネジメント」の5つの評価項目から総合的に分析しています。その結果、国内では、レベル1のEIT成熟度を持つユーザー企業が3.2%、レベル2が27.1%、レベル3が56.6%、レベル4が8.6%、レベル5が4.4%であることがわかりました。限定的導入ステージ(レベル2)と標準基盤化ステージ(レベル3)に分布される企業の合計が全体の8割以上を占めました。すなわち、企業が目指すべき定量的管理ステージ(レベル4)や継続的革新ステージ(レベル5)には至っておらず、第3のプラットフォームの潜在的効果を認知し、第3のプラットフォーム技術の導入を進めているものの、ビジネス戦略と一体となった全社横断的なEITの取り組みが実現できていない企業がほとんどであることがわかりました。
財務的成果を出している企業(リーダー企業)と、そうでない企業(フォロワー企業)のEIT成熟度の比較も実施しました。この二つのグループの差は、標準基盤化ステージ(レベル3)から、定量的管理ステージ(レベル4)にステップアップできている企業数の差に表れました。リーダー企業は、全体分布にみられた程の大きなギャップなく、より高いステージに向けて、なだらかな分布になっているのに対し、フォロワー企業にとってはレベル4が大きな壁になっていることがわかりました。なお、「戦略とイノベーション」の評価項目においては、リーダー企業にとっても、レベル3からレベル4へのステップアップは高い壁となっており、「第3のプラットフォーム活用に関する明確なビジョンを掲げ、IT部門がビジネス部門と一致団結して、EITを全社横断的に推進していく」ことの難しさが表れています。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊 雅行は「国内のユーザー企業のほとんどがEITに取り組んでおり、ビジネス変革への対応を進めようとしているが、横並び感が否めない。今、多くのCIOに求められるのは、競合相手を凌ぐ勢いでEITをけん引することであり、真のビジネス変革に向けて、横並び意識から一歩抜け出すことである」と述べています。
(*1)「IDC MaturityScape:Enterprise IT Transformation(EIT)」(IDC #248141、2014年4月発行)
今回の発表はIDCが発行したレポート「IDC MaturityScape Benchmark:国内エンタープライズITトランスフォーメーション市場」(JPJ40609516)にその詳細が報告されています。
「IDC MaturityScapeについて」
IDC MaturityScapeとは、企業のICT投資効果を最大限に高めるための、ICT利活用に関する意思決定を支援するツールとしてIDCが開発した「IDC DecisionScape」のひとつで、特定市場におけるICT成熟度を規定し、自社のICT環境の成熟度やあるべき目標とのギャップを把握するためのフレームワークです。市場競争力の維持あるいは競争優位の達成に役立ちます。さらに、IDCではIDC MaturityScape Benchmarkと称した、ICT成熟度のベンチマークをグローバルに展開しています。
IDC DecisionScapeにつきましては、こちら(http://www.idcjapan.co.jp/Products/products_cis_DscapeMain.html)をご覧ください。
【レポートの詳細についてはIDC Japanへお問い合わせください】
<参考資料>
国内エンタープライズITトランスフォーメーション成熟度のステージごとの分布
※添付の関連資料を参照
「IDC社 概要」
International Data Corporation(IDC)は、ITおよび通信分野に関する調査・分析、アドバイザリーサービス、イベントを提供するグローバル企業です。50年以上にわたり、IDCは、世界中の企業経営者、IT専門家、機関投資家に、テクノロジー導入や経営戦略策定などの意思決定を行う上で不可欠な、客観的な情報やコンサルティングを提供してきました。
現在、110か国以上を対象として、1,100人を超えるアナリストが、世界規模、地域別、国別での市場動向の調査・分析および市場予測を行っています。
IDCは世界をリードするテクノロジーメディア(出版)、調査会社、イベントを擁するIDG(インターナショナル・データ・グループ)の系列会社です。
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