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NTTドコモ、天気予報に基づくグリーン基地局の電力制御に成功
天気予報に基づくグリーン基地局の電力制御に成功
−さらに全都道府県へグリーン基地局の設置を完了−
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、国内の通信事業者として初めて(※1)、グリーン基地局が利用する電力を天気予報の情報を基に自動で制御する「天気予報連動型リチウムイオン電池制御」技術の実証実験に成功いたしました。
これまでグリーン基地局の蓄電池(リチウムイオン電池)は、停電時の通信確保用(バックアップ容量)と、ソーラー発電による通常時の充放電用(サイクル容量)の2つの構成で使用しており、停電時に24時間程度のバックアップ容量を確保するため、バックアップ容量の比率を80%に固定して運用しておりました。そこで、バックアップ容量とサイクル容量の比率を固定することなく、天気予報の情報を基に、リチウムイオン電池へのバックアップ容量の比率を柔軟に変更して自動運用する技術を確立しました。
本技術は、2つのモードから構成されており、「日照制御モード」は、午後6時時点でバックアップ容量の比率を翌日のソーラー発電量の推計に応じて、80%の固定ではなく、40%〜80%の間で柔軟に自動運用することで、サイクル容量の充放電の損失を最小化しています。また、「自立・復活運転モード」は、台風や大雨などの気象に関する災害が予見される際、バックアップ容量の比率を100%に引き上げ、停電時の商用電力の喪失において、ソーラー発電と蓄電池による長時間の自立運転とソーラー発電のみの復活運転を実現しています。
本技術を利用した実証実験では、これまでのグリーン基地局と比較して、「日照制御モード」では商用電力を10%削減いたしました(※2)。さらに「自立・復活運転モード」では停電時に2倍以上の約63時間の運転が可能となることを確認いたしました(※3)。
ドコモは東日本大震災後、災害に強く、環境に優しいグリーン基地局の開発を進めており、3月31日(木曜)に新たに商用局33局の設置を完了し、全都道府県での運用を順次開始いたします。さらに2020年までに総発電電力を、現在の約10倍の2000kWにすることを目標に今後もグリーン基地局の積極的な導入を推進してまいります。
詳細については、別紙をご覧ください。
※1 2016年3月28日(月曜)現在、日本国内における通信事業者として初めて(自社調べ)。
※2 「日照制御モード」の結果は、2015年12月4日(金曜)から2016年1月3日(日曜)までの1か月間の試験例です。
※3 「自立・復活運転モード」の結果は、3日間継続させた場合の試験例(平均値)です。
●別紙「天気予報連動型リチウムイオン電池制御」技術等の概要
1. 「天気予報連動型リチウムイオン電池制御」
(1)技術の概要
グリーン基地局が利用する電力を天気予報の情報を基に自動で制御する技術です。「日照制御モード」と「自立・復活運転モード」の2つのモードから構成されております。
(2)各モードについて
〔1〕「日照制御モード」
午後6時時点でバックアップ容量の比率を翌日のソーラー発電量の推計に応じて、80%の固定ではなく、40%〜80%の間で柔軟に自動運用することで、サイクル容量の充放電の損失を最小化するモード。
〔2〕「自立・復活運転モード」
台風や大雨などの気象に関する災害が予見される際、バックアップ容量の比率を100%に引き上げ、停電時の商用電力の喪失において、ソーラー発電と蓄電池による長時間の自立運転とソーラー発電のみの復活運転を実現するモード。
*リリース詳細は添付の関連資料を参照