Article Detail
富士経済、車載ディスプレー関連の世界市場の調査結果を発表
車載ディスプレイ関連の世界市場を調査
―2020年市場予測(2014年比)―
■車載ディスプレイの世界市場 TFT−LCDが市場けん引、日米欧で需要拡大 4,914億円(89.6%増)
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03−3664−5811)は、カーナビゲーションシステム(以下:カーナビ)の普及やディスプレイオーディオの浸透などにより、運転情報やナビ・オーディオ情報の表示が求められていることで、搭載率が高まっている車載ディスプレイや、それらに関連する車載システム、車載操作インターフェース、車載ディスプレイ部材の市場動向を調査した。
その結果を報告書「2016 車載ディスプレイ関連市場の将来展望」にまとめた。
<調査結果の概要>
■車載ディスプレイ4品目の世界市場
*表資料は添付の関連資料「表資料1」を参照
TFT−LCD、OLED、曲面ディスプレイ、異形ディスプレイを対象とした。車載ディスプレイ市場はTFT−LCDがけん引してきた。北米におけるリアカメラや、欧州におけるディスプレイオーディオの普及でCID(Center Information Display)の搭載が増加しており、車載ディスプレイの需要は拡大している。また、メーターにおいてはADAS(先進運転支援システム)の普及で運転・車両情報の表示が求められ、ディスプレイの搭載が増加している。
■車載システムの世界市場
*表資料は添付の関連資料「表資料2」を参照
CIDは日米欧、中国でカーナビやオーディオが普及したため、搭載率が上昇している。市場は拡大し、2015年は3兆円越えが見込まれる。日本ではカーナビ向けとして新車販売の70%以上にCIDが搭載されており、軽自動車以外の車種への搭載は飽和状態であるが、海外では2012年にトヨタ自動車やGeneral MotorsがCID搭載を採用した段階であり、将来的に市場の成長が期待される。
メーター(メーターパネル:車速、エンジン回転数、水温、燃料残量などの情報を表示するコックピットモジュールの一つ)は自動車生産台数に連動して、米国、中国、中南米、アジアを中心に市場は今後も拡大するとみられる。テレマティクスの普及による車内情報量の増加に伴い、メーターは多機能化していくとみられる。
HUD(ヘッドアップディスプレイ)は日米欧の高級車向けが主要である。「Euro NCAP2015」ではミドルクラス(全長4,100mm以上〜4,800mm未満の車種)以上の新車にHUDが推奨されており、欧州を中心に市場拡大を続けている。HUD搭載の歴史が最も古い北米や日本では高級車におけるオプション搭載が増加するとみられる。中国ではHUDは付加価値を求めるユーザー向けの位置付けになり、オプションでの搭載や市販品も増加するとみられる。
ミラーは2014年、日米欧、中国で自動車生産台数が増加したため、市場が拡大した。2015年は中国や南米、東南アジアなどの新興地域で自動車販売数が低迷したため、需要の伸びが鈍化すると見込まれる。今後米国ではKT法の施行などにより、モニター用ディスプレイ搭載ミラーの提案が行われており、ルームミラーのディスプレイ化が進展し、市場の成長が期待される。
■車載操作インターフェース6品目の世界市場
*表資料は添付の関連資料「表資料3」を参照
静電容量式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネル、曲面タッチパネル、静電容量式タッチスイッチ、タッチパッド、触覚デバイスのモジュールを対象とした。日米欧、中国のエントリークラス(排気量2,000cc未満)、ミドルクラスを中心にセンタークラスターにおけるデザイン性の向上や、スマートフォンの様な滑らかな操作性が求められ、静電容量式タッチパネルやタッチスイッチの需要が急速に拡大するとみられる。
静電容量式タッチパネルは2014年に米国でKT法が成立し、General Motorsなどを中心に後方カメラ用モニターを搭載した車種が増加したことで、需要が増加した。日本ではディスプレイ付きのカーナビが普及しており、静電容量式タッチパネルの需要が増加した。欧州でもミドルクラスのディスプレイオーディオでVolkswagenが抵抗膜式タッチパネルから切り替えるなど、需要が増加しており、今後市場は急速に拡大していくとみられる。
■車載ディスプレイ部材20品目の世界市場
*表資料は添付の関連資料「表資料4」を参照
車載ディスプレイ部材は2015年に前年比31.8%増の145億円が見込まれる。車載ディスプレイにおける静電容量式タッチパネルの搭載率の増加に伴い、ITOフィルムなどのタッチパネル用部材の需要が拡大した。今後車載ディスプレイの搭載率上昇に連動し、ディスプレイ部材市場は堅調に拡大するとみられる。
カバーシートは日系タッチパネルモジュールメーカー向けを中心に市場が拡大してきた。日系自動車メーカーはヘッドインパクト試験(※)のスペックが厳しいことから、カバーシートを採用することが多く、今後も日系自動車メーカー向けを中心に需要は拡大するとみられる。また中国や米国の自動車でも、安全性や曲面デザインを重視した車種ではカバーシート需要増が期待される。
反射防止フィルムはディスプレイ最表面やカバーパネルの裏側などに低反射化のニーズが高く、需要が増加した。CIDでの採用が主流だが、今後はメーターパネルなど非タッチパネル搭載部位への採用も活発化するとみられる。
※事故の衝撃などで人間の頭部がインストルメントパネルに衝突した際の、頭部の保護性能を評価し、衝撃の安全性を確認するための試験
<調査対象>
*添付の関連資料を参照
【調査方法】
富士経済専門調査員による参入企業及び関連企業・団体などへのヒアリング及び関連文献調査、社内データベースを併用
【調査期間】
2015年11月〜2016年1月
以上
資料タイトル:「2016 車載ディスプレイ関連市場の将来展望」
体裁:A4判 289頁
価格:書籍版 150,000円+税
PDF/データ版 160,000円+税
書籍版・PDF/データ版セット 180,000円+税
書籍版・ネットワークパッケージ版セット 300,000円+税
発行所:株式会社富士経済
〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
TEL:03−3664−5811(代) FAX:03−3661−0165
https://www.fuji-keizai.co.jp/ e−mail:info@fuji-keizai.co.jp
調査・編集:東京マーケティング本部 第四部
TEL:03−3664−5821(代) FAX:03−3661−9514
この情報はホームページでもご覧いただけます。URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/