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東京商工リサーチ、2月の「円安」関連倒産の調査結果を発表
[特別記事]
「円安」関連倒産
〜2月は14件、11カ月ぶりに前年同月を上回る〜
2016年のドル円相場は、2月11日にロンドン外国為替市場で一時1ドル=110円台後半まで上昇し、日銀がマイナス金利政策の導入を決定した1月29日以降は、円の全面高が続いている。
こうしたなか、2016年2月の「円安」関連倒産は、14件(前年同月10件)で、11カ月ぶりに前年同月を上回った。
■2016年2月の倒産事例
ニットウェア製造のニシザワテキスタイル(株)(TSR企業コード:290843111、法人番号:2010601014759、東京都)は、ニットウェアの製造を行い、OEM受注を得てピーク時には売上高は約10億円をあげていた。しかし、競合から不採算受注が増加して、売上高も約3億円に落ち込んだ。こうしたなか、円安による仕入コスト増加により資金繰りが悪化して破産を申請した。
■1−2月の産業別、卸売業が2倍増
2016年1−2月の「円安」関連倒産は23件(前年同期比11.5%減、前年同期26件)だった。ただし産業別では、卸売業が前年同期比116.6%増(6→13件)と2倍増になった。今後も輸入品や海外からの原材料などを扱う企業の動向が注目される。
※グラフ資料は添付の関連資料を参照