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帝国データバンク、上場企業の監査法人異動調査結果を発表
特別企画:上場企業の監査法人異動調査
2015年は85社が異動を発表、約5割がJASDAQ上場
〜就任最多は「新日本有限責任監査法人」〜
■はじめに
近年、新興市場を中心とした上場企業の不適切会計問題などを背景として、監査法人のクライアント企業に対する監視体制、関係性が問われる一方、金融庁は“運営が著しく不当”である監査法人に対して厳しい処分を下し、上場企業として事業実態が乏しい、業績と連動しない株価推移をみせるなど、背景が不可解な企業の経営環境は徐々に狭められ、そうした企業の監査を担当する監査法人は警戒される傾向にある。
帝国データバンクは2015年(1月〜12月)に監査法人(国内の監査法人を対象、公認会計士事務所の異動を含む)の異動を開示(※)した上場企業の株式市場や監査法人の名称、異動理由などについて調査した。上場企業の監査法人異動調査は2015年8月に次いで今回が2回目。
※「監査法人の異動」「会計監査人の異動」「公認会計士の異動」をタイトルとした開示資料をピックアップして調査<公認会計士事務所の異動を伴わない公認会計士(個人)の異動の開示は除く>。
注)2015年中に2回の開示・異動が行われたテクニカル電子(株)(JASDAQ)と(株)小僧寿し(JASDAQ)は、それぞれ異動回数を2回でカウントしているため、資料中の異動回数は87回になっている
■調査結果
1. 2015年に監査法人の異動を開示した上場企業は85社(異動回数は87回)。株式市場別に見ると「東証JASDAQ」が41社(構成比48.2%)で最多となった
2. 異動理由動向では「任期満了」によるものが68回(構成比78.2%)で最多となった一方、監査法人側から退任、契約解除、契約不継続の申し入れがあった異動は4回あった
3. 87回の異動のうち、退任した監査法人で最も多かったのは「有限責任監査法人トーマツ」で21回。就任した監査法人で最も多かったのは「新日本有限責任監査法人」で14回となった
*調査結果などリリース詳細は添付の関連資料を参照