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竹中工務店、タイル再利用技術「モルトール」を「北菓楼 札幌本館」に適用

2016-02-22

タイル再利用技術「モルトール」を「北菓楼 札幌本館」に初適用
保存外壁のタイルを再生 歴史的建築物のデザイン価値を継承


 竹中工務店(社長:宮下正裕)はタイル再利用技術「モルトール」(特許出願済)を開発し、1926年竣工の北海道庁立図書館をカフェ・店舗に転用した「北菓楼 札幌本館」の改築工事に初適用しました。

 歴史的建築物などの文化的に価値のある建物では、既存のタイルを廃棄せずに再利用することが、歴史的なデザイン価値を継承するうえで大きな意味を持ちます。しかし建物から剥がしたタイルの裏面には、張付け材料であるセメントモルタルが付着しており、タイルを破損させることなく、効率的に、かつ綺麗にモルタルを除去することが技術的な課題となっていました。

 このたび開発した「モルトール」は、タイルの優れた耐薬品性に着目した、独自のタイル再利用技術です。タイルに付着したモルタルを薬液で溶解させて綺麗に除去し、色や風合いを変えることなく、タイルの再利用を可能にします。

 今後も当社では、歴史的建築物や、お客様の想い入れのある建物の保存・修復に、本技術を積極的に適用していきます。


■技術概要
 本技術は〔1〕タイル活かし取り、〔2〕薬液によるモルタル溶解、〔3〕タイル張りの大きく3つのプロセスからなります。
 最初に、既存建物から再利用するタイルを破損しないよう活かし取りします。次に、独自の設計式により最適な条件に調整した薬液に、通常2〜4週間タイルを浸漬し、モルタルを溶解させることで、タイルを再生します。最後に、再生したタイルを部位や用途に応じた適切な材料・工法で施工します。

 *参考画像(1)は添付の関連資料を参照


■プロジェクト概要
 当プロジェクトは、1926年(大正15年)に建てられた北海道庁立図書館を保存再生し、改築後は北海道の菓子店「北菓楼札幌本館」として生まれ変わるものです。
 この建物は、後の昭和天皇の行啓記念として建造された歴史的建築物で、札幌北1条通りのランドマークとして、広く市民に親しまれてきました。「北菓楼札幌本館」として生まれ変わるにあたり、耐震性や機能性を向上させるだけでなく、建造当時の外観を可能な限り保存・修復し、歴史的価値を継承することを基本方針としました。
 特に、通りに面した南側、西側の外観は、タイル張りを基調とした歴史的価値の高いデザイン様式であるため、経年で劣化が進んでいたタイルや塗装を、修繕または更新することで、構造体を解体せずに保存工事を行いました。
 工事においては、解体する北側の壁面から活かし取りした、約1,000枚のタイルを「モルトール」によって再生し、保存する外壁面のタイル張替えに再利用することで、親しみのある外観の保存を実現しました。

 *参考画像(2)は添付の関連資料を参照

 建築地:北海道札幌市中央区
 設計・施工:竹中工務店
 基本デザイン:安藤忠雄建築研究所
 工期:2015年2月18日〜2016年2月29日(予定)
 面積:敷地面積885.8m2 建築面積537.32m2 延床面積1351.38m2
 階数:地下1階地上4階



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