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富士キメラ総研、「光学機器・光学デバイス」世界市場調査結果を発表
“光学機器・光学デバイス”世界市場調査結果
スマートフォン、社会インフラ向けカメラで高機能化や開発が進む光学デバイス
―2019年予測(2015年比)―
■小型カメラモジュール世界市場 2兆2,460億円(23.3%増)
内、2016年急拡大のデュアルカメラは5,000億円突破
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 田中 一志03−3664−5839)は、社会インフラでの採用拡大が予想されるカメラなどの光学機器、スマートフォンや車載向けを中心に高性能化が進む光学ユニットやデバイスの世界市場を調査した。
その結果を報告書「2016 イメージング&センシング関連市場総調査」にまとめた。
この報告書では、民生機器7品目、社会インフラ関連機器8品目、医療機器3品目、情報入出力機器4品目の光学機器計22品目、光学ユニット7品目、半導体デバイス・画像処理技術関連5品目、光学部品4品目、光学関連材料7品目、光学関連装置2品目の光学デバイス計25品目について市場を明らかにした。
<注目市場>
■ドローン世界市場
2015年 2019年予測 2015年比
160万台 670万台 4.2倍
娯楽用、商業用の自律制御飛行が可能なマルチローターの無人ヘリコプターを対象とする。娯楽用、商業用問わず、カメラを搭載したタイプが増加している。
安価なドローンが登場したことで世界中の注目を集め、2014年、2015年と市場は大幅に拡大し、2年連続で前年比2倍以上となった。ドローンの飛行に関しては各国で法規制が強まっているが、有用性についても認識されていることから、一定の条件下での飛行は許可され、今後も市場拡大が予想される。
2015年は娯楽用が7割以上を占める。今後も娯楽用、商業用共に拡大が予想されるが、2018年には商業用が娯楽用の規模を上回るとみられる。なお、商業用で有望なのは、業務用空撮分野であり、有人ヘリコプターでの空撮よりも安価なため使用が増加している。この他、農薬散布が可能なドローンの開発により農業分野の需要が、日本や米国で老朽化した橋やトンネルなど建造物点検分野の需要が期待される。
なお、ドローンの生産という点では日系メーカーは出遅れているものの、使用される部品においては、ハイエンド製品である商業用で日系メーカーの電子部品が多く採用され、空撮用カメラやボディで高いシェアを有する。
<注目の光学デバイス>
■小型カメラモジュール世界市場
2015年 2019年予測 2015年比
全体 1兆8,219億円 2兆2,460億円 123.3%
デュアルカメラ 73億円 5,121億円 70.2倍
※デュアルカメラは全体の内数
モバイル機器やPC、ゲーム機、TVなどに組み込まれる小型カメラモジュールを対象とする。最大の需要はモバイル分野であり、タブレット端末やスマートウォッチ向けも注目されるが、スマートフォン向けが圧倒的に多い。2015年はスマートフォン向けの増加に加え、中国メーカーのスマートフォンで高画素化が進み単価が上昇したことで、市場は拡大した。
スマートフォン向けの小型カメラモジュールでは、高画素化以外にも多機能化が加速しており、2013年頃より光学手ぶれ補正機能の搭載が本格化した。2014年よりデュアルカメラが登場し、多くのメーカーが開発を強化していることから、2016年以降デュアルカメラを搭載するスマートフォンの増加が予想される。
モジュールの小型化が求められる中でも、デュアルカメラにすることで高感度/高画質化をさらに進められるほか、1つのカメラモジュールでは行えないリフォーカスや3Dなどの機能の付加が可能となり、スマートフォンカメラの大幅な機能向上が期待される。
■エリアイメージセンサー世界市場
2015年 2019年予測 2015年比
1兆1,140億円 1兆2,711億円 114.1%
イメージセンサーはデジタルカメラ機能を実現するための重要なデバイスであり、近年では画像センサーとしても認知されつつあり、センシング用途でも応用が広がっている。
モバイル分野の需要が市場をけん引しており、従来需要の中心であった一眼カメラ分野は縮小が予想される。また、高成長が期待されるのは、新興国での新規需要が予想される監視カメラ分野と、世界的に安全機能強化が進むことで搭載数増加が予想される車載カメラ分野である。
スマートフォンのメインカメラ向けのエリアイメージセンサーの画素数は、13Mpx(メガピクセル)が主流であるが、2015年以降は16Mpx以上の構成比が高まるとみられる。2015年には23Mpxのエリアイメージセンサーがスマートフォンで採用されており、今後も高画素化は進むとみられる。
この他、2010年頃に投入されたBSI技術は既に標準的な仕様となり、2012年に発表された積層型もハイエンド製品では標準になりつつあるなど、エリアイメージセンサーの高性能化が進んでいる。また、ここ数年動きがみられなかったセルピッチの微細化については2016年にも1.0μm製品の投入が予想され、再び進展が期待される。
<調査結果の概要>
■光学デバイス世界市場
2015年 2019年予測 2015年比
光学ユニット 2兆6,892億円 3兆2,971億円 122.6%
半導体デバイス・
画像処理技術 1兆4,579億円 1兆7,529億円 120.2%
光学部品 5,805億円 6,600億円 113.7%
光学関連材料 3,362億円 3,329億円 99.0%
光学関連装置 448億円 395億円 88.2%
光学ユニットは、市場の70%近くを占める小型カメラモジュールがけん引している。小型カメラモジュールはスマートフォン向けの増加と搭載カメラの高画素化、サブカメラの搭載率上昇などで拡大を続けており、今後もデュアルカメラの需要増加と共に拡大し、2019年時点でも高い構成比を維持するとみられる。
また、小型カメラモジュール以上に伸びるのは、車載カメラモジュールであり、自動車需要の増加と自動車への搭載率上昇によって大きく拡大が予想され、かつ用途としても新たにセンシングの需要が期待される。一方で、投射レンズや光ピックアップ、EVFは縮小が予想される。
半導体デバイス・画像処理技術は、市場の70%以上を占めるエリアイメージセンサーがけん引している。市場構成比は低いが、TOFセンサーは従来のゲーム機向けに加え、2014年にスマートフォン向けが立ち上がったことで1,000億円を突破し、今後も家電や自動車向けが期待される。
光学部品は、光学レンズが市場の大半を占め、その中でもスマートフォン向けで使用されるプラスチックタイプが市場をけん引している。
光学関連材料は、レンズ用樹脂材料が安定した拡大を続けるものの、市場構成比の高いセラミックパッケージがほぼ横ばいのほか、レンズ用コーティング材料などが使用量削減や主要アプリケーションの落ち込みにより縮小し、市場は微減が予想される。
光学関連装置は、光学薄膜成形装置、レンズ用測定器共に数量ベースでは増加するが、低価格化が進んでおり、市場は縮小が予想される。
<調査対象>
※添付の関連資料を参照
<調査方法>富士キメラ総研専門調査員によるヒアリング及び関連文献、データベース活用による調査・分析
<調査期間>2015年10月〜12月
以上
・資料タイトル:「2016 イメージング&センシング関連市場総調査」
・体裁:A4判 324頁
・価格:100,000円+税
CD−ROM付価格110,000円+税
・発行所:株式会社富士キメラ総研
〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
TEL:03−3664−5839 FAX:03−3661−1414
e−mail:info@fcr.co.jp
・調査・編集:研究開発本部 第一研究開発部門
TEL:03−3664−5839 FAX:03−3661−1414
この情報はホームページでもご覧いただけます。
URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/http://www.fcr.co.jp/