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三菱化学、ゼオライト膜を用いた濃縮酒の開発を加速
ゼオライト膜を用いた濃縮酒の開発を加速
〜グレーゾーン解消制度により試験製造の位置づけが明確に〜
三菱化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:石塚 博昭、以下「当社」)は産業競争力強化法のグレーゾーン解消制度を活用し、ゼオライト膜を用いた濃縮酒の開発を加速します。
当社は新しい分離精製技術としてゼオライト膜に関する知見を多く保有しており、その分離精製技術を活用して開発された濃縮酒「琥珀露」は、西野金陵株式会社(本店:香川県仲多度郡、社長:西野 寛明)が2014年4月より販売しています。
濃縮酒の開発を実施するにあたっては、当社の黒崎事業所(所在地:福岡県北九州市)にて酒税法第7条第3項に基づき試験製造免許を保有しています。試験製造免許は「真に試験研究を目的とする場合に限る」とされていますが、濃縮した試験製造品を当社が実験室の外に持ち出すことの可否について、酒税法の法的解釈が曖昧となっていました。そのため、酒造メーカーと新規の濃縮酒の開発を実施するに当たっては、味や香りなどを評価する官能試験のために酒造メーカー側が当社実験室を訪れなければならず、試験に携わる期間や人数に大きな制限がかかっていました。
当社は、2013年12月に成立した「産業競争力強化法」の「グレーゾーン解消制度」に基づき経済産業省に照会し、2016年1月15日付の財務省及び経済産業省からの回答書により、小型濃縮システムを用いた酒類の濃縮試験及びその試験製造品の分析評価目的での実験室外持ち出しは試験製造免許の対象であり、試験製造品に対する実験室内外での取扱いが認められることとなりました。
これにより、サンプルの解析および官能試験にかかるコストを現状の数十分の一に低減できるとともに、1年間で濃縮試験を実施できる酒類のサンプル数が現在の十倍程度になることが期待されます。
現在、当社と共同で新規の濃縮酒の開発を実施している西野金陵の杜氏である酒井史朗氏は「今回のグレーゾーン解消制度の活用により、濃縮酒の新商品開発が効率よく進められ、濃縮酒の市場が広がることになるだろう」と大きな期待を寄せています。
今後も当社は、ゼオライト膜の分離精製技術を、飲料・食品分野に積極的に展開してまいります。
以上
<別紙>
※添付の関連資料を参照