不動産経済研究所、２０１５年の首都圏のマンション市場動向を発表

《首都圏マンション市場動向》
−２０１５年のまとめ−

◎年間供給は９．９％減の４万４４９戸、価格上昇の影響で２年連続の減少。
◎平均価格は９．１％UPの５，５１８万円、１９９１年（５，９００万円）以来の高値に。


　（１）２０１５年１〜１２月に首都圏で供給された民間分譲マンションは４万４４９戸であった。
　　前年（２０１４年：４万４，９１３戸）に比べて４，４６４戸（９．９％）の減少。過去最多は２０００年の９万５，６３５戸。

　（２）東京都区部１１．１％減、都下２２．６％増、神奈川県２１．３％減、埼玉県１．３％減、千葉県１８．５％減。

　（３）１戸当たりの平均価格は５，５１８万円で前年比９．１％のアップ。３年連続の上昇。
　　東京都区部６，７３２万円、都下４，５６４万円、神奈川県４，９５３万円、埼玉県４，１４６万円、千葉県３，９１０万円。

　（４）億ションは１，６８８戸。前年（９０８戸）比７８０戸（８５．９％）の増加。過去最多は１９９０年の３，０７９戸。
　　最高額は１５億円（「パークコート赤坂檜町ザタワー」、港区、４４階建て、全３２４戸、専有面積２０３．９６m2、m2単価７３５．４万円）。

　（５）初月契約率は月間平均が７４．５％、前年（７５．１％）比０．６ポイントのダウン。
　　累積契約率は８６．９％、前年（８７．６％）比０．７ポイントのダウン。

　（６）１２月末の販売在数は６，４３１戸、前年末（６，０４２戸）比３８９戸の増加。

　（７）２０１６年の供給は４万３，０００戸程度の予測である。対２０１５年比では６．３％増となる見込み。


＜２０１５年の概要＞
　１．　首都圏における２０１５年年間（１〜１２月）の新規供給戸数は４万４４９戸である。対前年（４万４，９１３戸）比９．９％（４，４６４戸）の減少である。

　２．　首都圏の都県別供給戸数は東京都区部１万８，４７２戸（シェア４５．７％）、東京都下５，４２７戸（１３．４％）、神奈川県７，９６４戸（１９．７％）、埼玉県４，４１５戸（１０．９％）、千葉県４，１７１戸（１０．３％）である。東京都区部１１．１％減、都下２２．６％増、神奈川県２１．３％減、埼玉県１．３％減、千葉県１８．５％減。都下以外のエリアが減少しており、中でも神奈川県の落ち込み幅が大きい。

　３．　２０１５年の分譲価格は首都圏平均で５，５１８万円である。２０１４年の平均価格５，０６０万円に比べて４５８万円・９．１％のアップであった。上昇は３年連続。
　　東京都区部６，７３２万円（２０１４年５，９９４万円）、都下４，５６４万円（同４，７２６万円）、神奈川県４，９５３万円（同４，３８４万円）、埼玉県４，１４６万円（同３，９３０万円）、千葉県３，９１０万円（同３，８７９万円）。都下以外のエリアがいずれも上昇。上昇幅が最も大きかったのは都区部の７３８万円。
　　変動率は都区部１２．３％アップ、都下３．４％ダウン、神奈川県１３．０％アップ、埼玉県５．５％アップ、千葉県０．８％アップ。

　４．　m2単価は首都圏平均７７．９万円で３年連続の上昇。都区部９８．７万円、都下６２．１万円、神奈川県６９．０万円、埼玉県５７．８万円、千葉県５１．４万円。
　　平均価格と同様に都下以外のエリアが上昇している。上昇幅が最も大きかったのも平均価格と同様に都区部の１１．４万円であった。
　　変動率は都区部１３．１％アップ、都下４．２％ダウン、神奈川県１３．１％アップ、埼玉県６．３％アップ、千葉県２．８％アップ。

　５．　売れ行きは、２０１５年の初月契約率の平均が７４．５％であり、２０１４年の７５．１％を０．６ポイント下回っている。上期７６．１％、下期７３．３％。
　　初月契約率の平均の推移：’１３年７９．５％、’１２年７６．３％、’１１年７７．８％、’１０年７８．４％、’０９年６９．７％、’０８年６２．７％、’０７年６９．７％。
　　累積契約率は８６．９％で２０１４年の８７．６％比べて０．７ポイントの下落であった。

　６．　販売在庫数は１２月末現在で６，４３１戸。２０１４年末の６，０４２戸に比べて３８９戸の増加である。２年連続の増加。
　　’１３年末５，０９０戸、’１２年末５，３４７戸、’１１年末６，１６６戸、’１０年末５，６００戸、’０９年末７，３８９戸、’０８年末１万２，４２７戸、’０７年末１万７６３戸。

　７．　２０１５年年間の即日完売戸数は３，１３８戸（全体の７．８％）、フラット３５登録物件は３万９，２３５戸（同９７．０％）である。
　　’１４年年間の即日完売戸数は２，８９９戸（全体の６．５％）、フラット３５登録物件は４万２，８８３戸（同９５．５％）であった。

　８．　２０１６年の供給見込みは４．３万戸。’１５年に比べて６．３％の増加と、３年ぶりに増加する見込み。


　※以下の資料は添付の関連資料を参照
　　◎地区別供給戸数
　　◎販売残戸数（２０１５年１２月末）
　　◎地区別価格動向（平均価格・m2単価）
　　◎価格帯別供給戸数
　　◎月別供給戸数・契約戸数・契約率