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日本水産、茨城県神栖市にEPA生産に特化した鹿島医薬品工場を新設
新設・鹿島医薬品工場の詳細
日本水産株式会社(代表取締役 社長執行役員 細見典男、所在地:東京都港区)は、中期経営計画「MVIP2017」の一環として、ファインケミカル事業の基幹工場である鹿島工場(茨城県神栖市)の隣地に、新たに鹿島医薬品工場を建設します。
同工場は2018年に稼働を予定しており、投資金額は総額80億円を見込んでいます。
既存の鹿島工場では、〔1〕EPA医薬原料、〔2〕食品向け素材として機能性脂質(EPA・DHA)やフィッシュコレステロール・キトサンオリゴ糖など、〔3〕化粧品素材としてN−アセチルグルコサミンやオレンジラフィー油など、幅広い製品を生産し、現在のファインケミカル事業の中核生産施設として稼働しています。
このたび新設する鹿島医薬品工場は、医薬品原料としてのEPA生産に特化し、長年にわたり培ってきた高純度EPAの抽出・精製技術を結集させた最新の生産設備を導入する予定です。
今後予測される国内外のEPA医薬品市場の拡大に備えて、特に海外への医薬品供給には不可欠のcGMP(注1)基準による品質・生産管理を実施し、世界最高水準の品質と生産性を追求します。
原料の魚油から製品まで一貫して取組む当社独自の供給体制のもと、同工場と既存工場をあわせて、世界一のEPA原体メーカーを目指す当社のファインケミカル事業の拡大を支えていきます。
(注1)cGMP(current Good Manufacturing Practice):「最新の医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理の基準」。医薬品の製造にあたり、承認を受けた規格どおりに安定した高い品質の製品を生産するため、原料の受入から製品の出荷までの製造工程全般にわたる管理と工場の建物や機械設備の配置などについて、人為的なミスをなくすために定められた基準。
■特徴
1. 将来の海外輸出を視野に、cGMP基準対応とし、高品質で安全かつ高生産性の生産施設です。
2. 原料の魚油から高いEPA回収率を実現し、さらに低いEPA含有濃度の原料魚油からでも高純度EPAの製造を可能にします。これにより原料魚油の選択範囲の拡大が可能となります。
3. 精留過程で使用する熱源には、熱効率のよい高圧蒸気を使用します。高温のプロセス液冷却で得られる熱エネルギーを回収して蒸気を発生させ、これを熱源として有効利用するなど、環境負荷を低減します。
4. 製品保管倉庫は自動倉庫とし、製造所からの無人搬送車による自動搬送設備と組み合わせて、入出庫作業を省力化します。また免震ラックを採用して、地震の揺れから製品を守ります。
■設備概要
名称:日本水産株式会社鹿島医薬品工場
所在地:茨城県神栖市東深芝18−2
敷地面積:19,000m2
工場建設面積:2,023m2
工場延床面積:3,609m2
構造:
医薬品製造所…鉄骨造 2階建
医薬品倉庫・出荷場などのその他の施設…鉄骨造平屋建
主要保有設備:
医薬品製造所…魚油高度精製用の連続蒸留設備、液体クロマト設備
医薬品倉庫…免震架台を有する自動倉庫
施設内の製品移送…自動搬送設備(コンベア・AGV)
設備能力:
医薬品製造所…医薬品原料生産能力420トン/年
医薬品倉庫…200リットルドラム缶製品保管量は最大720ドラム
関連施設:
屋外タンク…タンクヤード2施設分、コーンルーフタンク10基
医薬品工場専用の医薬品用窒素タンク1基
第2水処理設備の設置
…生産能力増強に伴う砂ろ過およびRO水(注2)の処理能力の増強
(注2)RO(Reverse Osmosis)水:浸透圧とは逆の大きな圧力をかけることで「逆浸透」を起こす逆浸透膜(RO膜)によって作られた水。RO膜によって、水に本来含まれているさまざまな不純物を取り除くことができる。
*建物竣工予定図・敷地全体図は添付の関連資料を参照
以上