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富士経済、リチウムイオン二次電池材料がけん引する電池材料の世界市場調査結果を発表

2015-12-24

リチウムイオン二次電池材料がけん引する電池材料の世界市場を調査
■リチウムイオン二次電池材料市場は2018年に1兆円突破
材料の使用量が多い車載用電池の需要増加で拡大


 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03−3664−5811)は、リチウムイオン二次電池材料をはじめとする二次電池材料15品目、一次電池材料4品目の世界市場を調査し、その結果を報告書「2015 電池関連市場実態総調査 下巻」にまとめた。

 この報告書では、材料市場に加え、日系電池材料メーカーや伸長著しい海外電池材料メーカーの動向や、電池メーカーと電池材料メーカーのサプライチェーンなどについても体系的に整理した。
なお、一次電池、二次電池市場については「同 上巻」でまとめており、市場調査結果については7月30日に発表している。


<注目市場>
■リチウムイオン二次電池材料世界市場

 *表資料は添付の関連資料「表資料1」を参照

 リチウムイオン二次電池材料は正極活物質、負極活物質、電解液、セパレータが主要材料といわれ、この4材料で市場の80%以上を占める。なお、これ以外の材料としてはバインダ、集電体、外装材、導電助剤などがある。

 2014年は中国でのEVやPHVの販売拡大によるリチウムイオン二次電池需要の増加で、材料市場が前年比42.5%増と急拡大した。車載用電池はアプリケーション1台あたりに搭載される電池の容量が大きく、使用される材料の量も多くなるため、EV、PHV、HVなど電動自動車の普及がリチウムイオン二次電池材料の市場拡大に大きな影響を与える。

 今後も車載用電池を中心としたリチウムイオン二次電池の需要増加により、材料市場は拡大を続け、2017年以降のPHVラインアップの一層の拡充などにより2018年には1兆円を突破し、2019年には2014年比49.9%増の1兆2,143億円が予測される。


●主要4材料の動向
○正極活物質
 コバルト酸リチウム、三元系、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、リン酸鉄リチウムなどが使用される。現在主流であるコバルト酸リチウムは他の正極活物質と比較し単価が高いことに加え、スマートフォンなど高容量電池を必要とするアプリケーションの需要増加もあり、2014年時点で正極活物質の51%を占める。これに三元系が29%と続くが、三元系は車載用電池での採用比率上昇が予想されることから車載用電池の需要増加により構成比が上昇し、2019年にはどちらも30%台後半と同程度になると予想される。

 なお、数量ベースでは2014年が14.9万トンで、2019年には25.5万トン(2014年比71.1%増)が予測される。高容量電池の需要が高まる中、高電圧充電による正極活物質の利用率の向上、高容量な活物質への置き換えなどが進んでいる。こうした取り組みによって、重量や体積当たりの容量が増加し、電池1セル当たりの材料使用量の減少、もしくは同量の材料での高容量電池製造が可能となるが、電池の需要増加が続くことで、材料である正極活物質も拡大が続くとみられる。

○負極活物質
 主に炭素系物質が使用されるが、現在主流のグラファイトではこれ以上の高容量化が困難になりつつあることから、一酸化ケイ素(SiO)を数%混合して容量を上げる取り組みが進んでいる。SiO混合による性能向上は、スマートフォンでは限定的であったため採用が進まなかったものの、今後車載用電池での採用が期待される。
なお、数量ベースでは2014年が8.3万トンで、2019年には14.6万トン(2014年比75.9%増)が予測される。用途別には、今後車載専用電池向けの構成比が上昇するとみられるが、Tesla MotorsのEVではシリンダ型を使用していることもあり、2019年でも小型民生用電池(シリンダ型、ラミネート型、角型)向けの方が高い構成比を維持するとみられる。

○電解液
 電解質塩と有機溶媒、添加剤を混合したものである。有機溶媒を使用する特性上、発火リスクがあり、添加剤で難燃性などの機能が付与されている。

 なお、数量ベースでは2014年が6.6万トンで、2019年には13.1万トン(2014年比98.5%増)が予測される。用途別には、2015年に車載専用電池向けの構成比が最も高くなると予想される。

○セパレータ
 正極と負極を電気的に絶縁し電解液を担持する役割があり、現在の主流はポリオレフィン微多孔膜である。リチウムイオン二次電池の発火トラブルなどにより、セーフティーネットであるセパレータの重要性は高まっており、コーティングを施すことで安全性・強度を高めたコーティングセパレータの需要が増加している。

 なお、数量ベースでは2014年が10.8億m2で、2019年には20.9億m2(2014年比93.5%増)が予測される。用途別には、2019年に車載専用電池向けが小型民生用電池向けよりも高い構成比になると予想される。これは、車載専用電池の内、HV向けでは高い出力が必要となるため、電池の構造上容量当たりのセパレータの使用量が多くなることに起因する。


<調査結果の概要>
■二次電池、一次電池材料世界市場

 *表資料は添付の関連資料「表資料2」を参照


●二次電池材料
 ニッケル水素電池やニカド電池に使用されるアルカリ二次電池材料と、リチウムイオン二次電池材料に分けられる。リチウムイオン二次電池の需要増加による同材料の拡大により、2019年には2014年比44.7%増の1兆3,201億円が予想される。

 なお、アルカリ二次電池材料は、リチウムイオン二次電池の価格下落によりニカド電池やニッケル水素電池に対するコスト削減要求が強まり、材料価格も下落傾向にあったが、2013年から2014年にかけて下げ止まりつつある。短期的にはニカド電池や小型ニッケル水素電池のリチウムイオン二次電池へのシフトによる需要減少で縮小し、2017年には1,000億円を割るとみられるが、中期的にはHV向けの大型ニッケル水素電池の需要増加もあり、2014年と比べて僅かながら拡大が予想される。

●一次電池材料
 一次電池全体の需要は成熟しており、材料市場は単価の下落などからほぼ横ばいが予想される。

 マンガン乾電池からアルカリマンガン乾電池へのシフトにより亜鉛粉、アルカリマンガン乾電池用セパレータは拡大が予想されるが、電解二酸化マンガンアルカリマンガン乾電池だけでなくマンガン乾電池にも使用されることから縮小が予想される。


<調査対象>

 *表資料は添付の関連資料「表資料3」を参照


<調査方法>富士経済専門調査員による参入企業及び関連企業・団体などへのヒアリング及び関連文献調査、社内データベースを併用


<調査期間>2015年4月〜10月


以上


 資料タイトル:「2015 電池関連市場実態総調査 下巻」
 体裁:A4判 343頁
 価格:
  書籍版 120,000円+税
  PDF版 120,000円+税
  書籍版・PDF版セット 140,000円+税
  書籍版・ネットワークパッケージ版セット 240,000円+税
 発行所:
  株式会社 富士経済
  〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
  TEL:03−3664−5811(代) FAX:03−3661−0165
  e−mail:info@fuji-keizai.co.jp
 調査・編集:
  大阪マーケティング本部 第二部
  TEL:06−6228−2020 FAX:06−6228−2030
  この情報はホームページでもご覧いただけます。
  URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ https://www.fuji-keizai.co.jp/


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