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日本ユニシス、島根県松江市でメッシュ型地域通信ネットワークの実証実験を開始

2015-12-18

日本ユニシス
島根県松江市でメッシュ型地域通信ネットワークの実証実験を開始
〜市役所外からのアクセス、自治体間の情報連携のためのセキュリティ実証実験を実施〜


 日本ユニシス株式会社(本社:東京都江東区、社長:黒川 茂、以下 日本ユニシス)は、島根県松江市でメッシュ型地域通信ネットワーク(以下 NerveNet)の実証実験(注1)(注2)を開始します。NerveNetのセキュリティの観点で、市役所外からのイントラネットへの安全なアクセスと、自治体間の安全な情報連携の実証実験を通じて、行政サービスの向上や地方創生を目指します。

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発したNerveNetは、従来の携帯電話や固定電話と異なり、各基地局のサーバーに情報を持ち、かつ基地局同士が網の目のようにメッシュで接続されます。また、自動経路生成機能を持つことで、回線が切断されても分散配置された別のサーバーからサービス提供を継続でき、地域通信ネットワークの耐災害性を向上します。


■松江市の実証実験の概要について
1. 市役所外からのイントラネットへの安全なアクセス
 松江市は、「Ruby City MATSUE」としてプログラミング言語Rubyによる産業振興に力を入れており、Rubyを使って開発したグループウェア「縁sys(えにしす)」を用いて市職員間の情報共有を行っています。しかし、情報セキュリティ上の安全を確保するために、民間企業など市役所外とのやりとりは主にメールに限られ、大容量ファイルを簡単に受渡しすることができません。また、市職員が外出先や出張先からのイントラネットへのアクセスが制限されているという課題があります。
 NerveNetのセキュリティ機能(後述)と縁sysが持つ情報共有機能を組み合わせて、外部からのイントラネット上の縁sysへアクセスします。NerveNetにより既存の情報セキュリティポリシーを変更することなく、必要な情報へアクセスできます。今年度は、実証実験専用の縁sysサーバーとサンプルデータを用いて、利用者の使い勝手や管理者の運用方法を確認するとともに、脆弱性検査を行い情報セキュリティの機能を検証します。その結果、民間企業とのコラボレーションが円滑になり、また、市職員が外出先や出張先からでも業務を継続できることで、業務効率が上がり、行政サービスの向上につながることが期待されます。

2.自治体間の安全な情報連携
 自治体間の職員のやりとりは主に電話やメールで行われ、クラウドやストレージサービスの利用は、各自治体の情報セキュリティポリシーにより制限が設けられている場合があります。そのため、情報が組織ごと、地域ごとに個別で扱われるため、参考事例などが共有されにくい課題があります。
 NerveNetは、地域ごとの独立したネットワークとして有用性を特徴としますが、新たに各地域のNerveNet同士のセキュアな接続を試み、すでに実証実験に協力いただいている長野県塩尻市(注3)と松江市のNerveNetを接続し、セキュリティポリシーを変更することなく、地域間の安全な情報連携を検証します。一例として、松江市の観光や歴史に関する情報を、NerveNetの情報連携アプリを通じて配信し、塩尻市に設置したデジタルサイネージ(電子看板)に表示します。塩尻市民の視聴状況や管理者の運用方法を確認するとともに、脆弱性検査を行い情報セキュリティの機能を検証します。
 将来的にNerveNetが普及した際の、遠方の姉妹都市間を結ぶ通信技術、近隣の市町村による広域連携のための通信技術、他の自治体間連携への応用だけでなく自治体内での組織同士を連携するための通信技術として、「セキュアな自治体間連携機能」の必要性や可能性を検討します。自治体間の情報連携が可能になることで、地域ごとの特色のある情報が伝わり、商品の流通や人々の交流がより活発となり、地方創生・地域活性化につながることが期待されます。


■NerveNetのセキュリティについて
 今回の外部からのアクセス実証実験では、新たにNerveNetが持つセキュリティ機能を拡張し、NerveNet基地局が通信キャリア回線に接続しているタブレット機器と、接続相手である松江市のサーバー機器間に対して、呼接続方式(SIP(注4))による機器認証を実行後、機器間にセキュアなVPN(注5)回線を提供します。持ち歩いて使用するタブレットの端末認証も加えて実験します。
 また、自治体間の情報連携実証実験では、外部からのアクセスと同様にセキュリティ機能を拡張し、NerveNet基地局がインターネットに接続している松江市のサーバー機器と、接続相手である塩尻市のサーバー機器間に対してSIPによる機器認証を実行後、機器間にセキュアなVPN回線を提供します。そして、サーバー間の情報を連携するためにNerveNetに新たに情報連携基盤と情報連携アプリを提供します。

 日本ユニシスは、今回の実証実験によって、NerveNetと通信キャリア回線や既存のインターネット回線との連携や組合せにおいて、利用者の使い勝手や情報セキュリティの面からの安全を確認します。また、松江市の出先機関や企業局との地域内イントラネット構築に向けて準備・設計を行い、本実証実験に続く次年度のアプリケーション検証も予定しています。
 今後、平成28年度(2016年度)以降に自治体や企業がNerveNetを活用したアプリケーションやプラットフォームを実用化することを目指します。


以上


 *参考資料は添付の関連資料を参照


●注記
注1:「メッシュ型地域ネットワーク(NerveNet)のプラットフォーム技術の研究開発」
 日本ユニシスは、株式会社フィンチジャパン、ナシュア・ソリューションズ株式会社、国立大学法人東北大学と共同で、国立研究開発法人情報通信研究機構から「メッシュ型地域ネットワークのプラットフォーム技術の研究開発」を受託しました。本委託研究の最終目標は、研究最終年度である平成28年度(2016年度)内に自治体や企業がNerveNetを活用したアプリケーションやプラットフォームを採用することを目指します。
 http://www.unisys.co.jp/news/nr_140903_meshnetwork.html

注2:災害に強い地域通信ネットワークの実証実験を塩尻市・松江市で実施
 日本ユニシスは、国立研究開発法人情報通信研究機構からの委託研究事業「メッシュ型地域ネットワークのプラットフォーム技術の研究開発」において、長野県塩尻市と島根県松江市と実証実験に向けて連携します。平成27年度(2015年度)からそれぞれの地域内で、さらに両地域を連携して、地域特性を踏まえたアプリケーションにNerveNetを適用する仕組みとその効果を検証します。
 http://www.unisys.co.jp/news/nr_150513_meshnetwork.html

注3:長野県塩尻市で災害に強い地域通信ネットワークの実証実験を開始
 日本ユニシスは、長野県塩尻市で災害に強い地域通信ネットワークの実証実験を開始します。塩尻市から塩尻市民へメッシュ型地域ネットワークを使って行政情報や災害情報などを情報配信します。平時・緊急時の両面から情報配信の質・量の向上を図り、その効果を検証します。
 http://www.unisys.co.jp/news/nr_150724_meshnetwork.html

注4:SIP
 Session Initiation Protocol(IP電話などで用いられる通話制御プロトコルの一つ)

注5:VPN
 Virtual Private Network(主に企業内データ通信に用いられる暗号化された仮想専用回線)


●商標、登録商標

 ・記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。


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