大日本印刷、日当たりが悪い室内を明るくする「DNP採光フィルム（現場施工用）」を開発

新築・既築の窓ガラスに貼り付けるだけで太陽光を効率的に取り入れ　日当たりが悪い室内を２倍明るくする「DNP採光フィルム（現場施工用）」を開発


　大日本印刷株式会社（本社：東京　社長：北島義俊　資本金：１，１４４億円　以下：DNP）は、窓から入る太陽光を天井などに効果的に反射、拡散させて、部屋全体を明るくするDNPの採光フィルムのラインアップとして、リフォーム時などに既存の窓ガラスに貼り付けて同様の効果が得られる新製品「DNP採光フィルム（現場施工用）」を開発しました。２０１６年１月に販売を開始します。

　本フィルムは、高い採光機能に加えて、表面を平滑にすることによって既存の窓ガラスに貼り付後も、汚れの拭き取りなども容易に行えます。またガラスにフィルムを貼ることで、破損した際のガラスの飛散防止につながります。さらに、最表面に保護層を付与することによって、傷が付きにくく、太陽光の照射による黄変（黄色に変色すること）が起こりづらいなどの高い耐久性を実現しました。

　新築の住宅やオフィスビル向けに、２枚のガラスの間に採光フィルムを挟んで貼り合わせた「DNP採光フィルム（合わせガラス用）」を１０月に発売しましたが、本製品をラインアップに追加することで、新築と既築の両方の住宅やオフィスビルなどの窓ガラスへの対応が可能になりました。なお、「DNP採光フィルム（合わせガラス用）」は、大手ハウスメーカーに採用されました。


【開発の背景】
　DNPは「環境とエネルギー」を事業の成長領域のひとつと位置づけ、社会や生活者への新しい価値の提供に努めています。現在、省エネルギー対策として、リフォーム時や既築の住宅の窓に貼るウィンドウフィルムは、遮熱や断熱などの熱制御機能を重視した製品がありますが、一方で太陽光を効果的に採り入れ、日中の室内を明るくし、かつ電力消費量削減につなげる採光フィルムが近年、注目されています。DNPは、ディスプレー向け光学フィルムなどで培った光学設計や微細加工の技術を活かし、光を反射、拡散させる機能を持つ採光フィルムの開発を進めています。今回、新たに要望の高かった既存の窓ガラスに貼り付けるタイプの採光フィルムを開発しました。


【「DNP採光フィルム（現場施工用）」の特長】
　・太陽光を効率的に取り込んで室内を明るくできるように設計し、既存の窓ガラスに専門業者が本フィルムを貼り付けることで、日当たりの悪い北側の窓に、本フィルムを使用した場合、使用前と比べて室内の明るさが２倍に向上し、照明エネルギーを１３％削減できました。

　・光を反射、拡散させる機能を、フィルムの表面ではなくフィルムの内部に持たせる構造にすることで、表面が平滑な採光フィルムとすることに成功しました。このため、専門業者の窓への貼り付けが容易になるとともに、生活者は、埃などのゴミが付着しても容易に拭き取ることが可能です。

　・最表面に硬度の高いハードコート剤をコーティングしているために傷がつきにくく、また光による黄変などの劣化に対する耐久性に優れています。

　・太陽光の紫外線を９９％カットできるため、人体や家具、カーペットなどへのダメージを軽減します。

　・飛散防止効果があるため、窓ガラスが割れた際にガラスの飛散を抑制します。

　・フィルム表面の光を拡散させる層により、透明なガラスに貼り付けると、すりガラス調になるためプライバシー効果が高められます。

　※イメージ画像は添付の関連資料を参照


【今後の展開について】
　DNPは、本フィルムを住宅やオフィスビル、文教施設、商業施設、医療施設などに提供し、２０１７年度までに累計で３０億円の売上を目指します。また、太陽光を有効活用し、より取り付けが容易な採光フィルムを活用した新製品の開発などを進めていきます。

　なお「DNP採光フィルム」は、１２月１０日（木）〜１２日（金）に東京ビッグサイトで開催される「エコプロダクツ２０１５」のDNPブースに出展されます。

　＊DNPはいま、「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」を事業の成長領域と位置づけ、新しい価値の創出に取り組んでいます。その一環として、各種機能を持つフィルムを活用した環境分野における新製品の開発を進めています。