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凸版印刷、「福島県ため池等放射性物質対策公募技術実証事業」による実証試験を実施
凸版印刷、「福島県ため池等放射性物質対策公募技術実証事業」による
実証試験を実施
〜ゼオライトシートを用いた多機能シルトフェンスによる
大雨・強風時における灌漑用水への放射性物質の流出抑制効果を検証〜
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、凸版印刷が開発した放射性セシウムを吸着するゼオライトシートとシルトフェンス(※1)を組み合わせた多機能シルトフェンスを信州大学工学部(所在地:長野県長野市)の梅崎健夫教授と共同で開発。これを「平成27年度福島県ため池等放射性物質対策公募技術実証事業」にて、福島県内のため池に設置することで、灌漑用水への放射性物質の流出抑制効果を検証する実証実験を、2015年11月20日(金)から2016年3月25日(金)まで実施します。
凸版印刷が開発したゼオライトシートは、紙にゼオライトを高密度で充填した機能紙で、ゼオライト自体の特長を維持したまま加工性の向上を実現しています。東日本大震災に起因して発生した原子力発電所の事故により飛散した放射性セシウムを吸着する機能が着目され、これまでに東北地方の最終処分場で産業廃棄物の下敷きや、除染用フレキシブルコンテナバッグの内袋などに採用されています。
凸版印刷は本実証試験において、ゼオライトシートを用いた多機能シルトフェンスを福島県内の農業用ため池に設置することにより、ため池内に流入・蓄積している放射性セシウムの灌漑用水への流出を抑制する技術の評価・検証を行います。
具体的には、多機能シルトフェンス設置の前後で、ため池の静穏状態および大雨時に発生する濁水の流入や底泥の巻き上げ現象における濁度および放射性セシウム濃度の比較分析を実施。静穏時はもちろん、大雨や大風時における放射性物質の流出抑制効果と、多機能シルトフェンス内のゼオライトシートによる放射性セシウムの吸着効果を検証します。
*参考画像は添付の関連資料を参照
■実証試験の概要
・実証期間:2015年11月20日(金)から2016年3月25日(金)まで
・実証場所:福島県内
・実証内容;
ゼオライトシートを用いた多機能シルトフェンスをため池に設置することにより、流入水によって起こる底泥の巻き上がりを低減し、取水口から放射性物質の流出抑制効果を検証する。
併せて、ゼオライトシートを用いた多機能シルトフェンスの適切な設置方法等についても検証する。
■今後の展開
凸版印刷は今後も、除染対象地域や農業復興対象地域での安心・安全向上などに貢献するとともに、ゼオライトシートのラインアップ拡充と、応用製品の拡大を推進していきます。
※1 シルトフェンス
水質汚濁の原因となる土砂や汚泥(シルト)が周囲の水域へ流出・拡散するのを防ぐために水中に設置するカーテン状の仕切り。
*本ニュースリリースに記載された会社名および商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
以上