帝国データバンク、２０１５年の全国メーンバンク調査結果を発表

特別企画：全国メーンバンク調査（２０１５年）
地銀シェア拡大傾向に足踏み感
〜首位は７年連続の三菱東京UFJ〜


■はじめに＞＞
　１１月２日、北関東に基盤を持つ常陽銀行と足利ホールディングス（傘下に足利銀行）が２０１６年１０月の経営統合を発表した。来年４月には、コンコルディア・フィナンシャルグループ（横浜銀行・東日本銀行）が発足するほか、東京TYフィナンシャルグループ（東京都民銀行・八千代銀行）も新銀行東京を迎え入れる予定となっており、関東圏での地方銀行の再編がここに来て急ピッチで進んでいる。これらの金融機関は地元中小企業を支えているだけに、その影響や更なる再編への注目度は高い。メーンバンクと企業の関係性は大きな分岐点を迎えている。
　帝国データバンクは、２０１５年１０月末時点の企業概要ファイル「COSMOS２」に収録されている企業（１４６万社）がメーンバンクと認識している金融機関について抽出し、集計した。
　なお、調査対象は全業種全法人で、個人経営も含む。同調査は２０１４年１１月に続き７回目。

　※本調査は「COSMOS２」に収録されている企業のデータであるため、各金融機関がメーンとして取引している実数とは異なる。また、一企業に複数のメーンがあるケースでは、企業が最上位として認識している金融機関のみを集計した


■調査結果（要旨）
　１．全国トップは、「三菱東京UFJ銀行」の１０万２９７３社（シェア７．０７％、前年比▲０．０４pt）、以下「三井住友銀行」の７万９７９６社（同５．４８％、＋０．００１pt）、「みずほ銀行」の６万３４５５社（同４．３６％、＋０．０２pt）と続いた

　２．業態別では、「都市銀行」がシェア２０．１３％（前年比▲０．００５pt）で調査開始以降６年連続の減少。同じく「信用金庫」「信用組合」も５年連続でシェアが減少している。一方、最大のシェアを占める「地方銀行」は３８．９２％（同＋０．０００１pt）で６年連続の増加となった

　３．地域別では、関東・中部・近畿の都市圏でトップ行がシェア減少


１．全国ランキング　―三菱東京UFJ銀行、７年連続の首位
　企業がメーンバンクとして認識している金融機関の全国トップは、「三菱東京UFJ銀行」で企業数は１０万２９７３社となり、２００９年の調査開始以降７年連続のトップ。全国シェアは７．０７％（前年比▲０．０４pt）で、６年連続の減少となった。２位は「三井住友銀行」の７万９７９６社（シェア５．４８％、前年比＋０．００１pt）。３位には「みずほ銀行」（６万３４５５社、シェア４．３６％、前年比＋０．０２pt）がランクインした。
　例年上位の都市銀行に続き、５位は第二地銀の「北洋銀行」が２万４９５１社（シェア１．７１％、前年比▲０．００１pt）、６位に地銀の「千葉銀行」が（２万９１５社、同１．４４％、▲０．００１pt）が入り、上位の１０行は調査開始以来同じ顔ぶれとなった。

　＊表資料は添付の関連資料を参照


２．業態別分析　―都銀、地銀ともにほぼ横ばい
　企業がメーンバンクとして認識している金融機関を業態別に見ると、「都市銀行（５行）」のシェアは２０．１３％と前年を０．００５pt下回り、調査開始以来シェアの減少が続いているが、減少幅は縮小傾向が続いている。
　対して、シェアを伸ばし続けていたのが、「地方銀行」（シェア３８．９２％）だが、今年は前年比で０．０００１pt増とほぼ横ばいの推移となった。広がる一方であった都市銀行との差は昨年と変わらない状況になっている。
　他方、「第二地方銀行」（シェア１０．７９％、前年比▲０．０２pt）は２年連続、「信用金庫」（同２３．２１％、▲０．０５pt）や「信用組合」（同２．５３％、▲０．０２pt）は６年連続でシェアが低下している。

　＊グラフ資料・表資料は添付の関連資料を参照


３．地域別シェアランキング　―地域トップのシェア低下が目立つ
　各地域に本拠地を置く企業がメーンバンクとして認識している金融機関を見ると、関東・中部・近畿の３大都市圏で、首位のメガバンクがシェアを縮小。その他、東北地方で「七十七銀行」（地域シェア１３．２１％、前年比▲０．１７pt）がシェアを落とした。一方、「北洋銀行」（地域シェア３４．６８％、前年比＋０．０９pt）、「広島銀行」（同１５．３８％、＋０．１４pt）、「伊予銀行」（同２１．８６％、＋０．０７pt）など、各地の有力銀行はシェアを拡大させている。
　九州では上位４行がすべて地域シェアを拡大させ、「西日本シティ銀行」（地域シェア１１．９４％）と「福岡銀行」（同１１．８４％）との差は昨年引き続きさらに縮小した。また、３位と４位には、今年１０月に経営統合した「肥後銀行」（同７．２１％）、「鹿児島銀行」（同５．５０％）が続き、ともにシェアを伸ばしている。


　＊リリース詳細は添付の関連資料を参照