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富士経済、国内の外食産業14分野134業態を総括分析を発表
国内の外食産業市場調査シリーズ(3)
国内の外食産業14分野134業態を総括分析
―2015年見込(2014年比)―
■国内の外食産業総市場―CVSテイクアウトフードが好調なテイクアウトが市場拡大をけん引
32兆6,936億円(0.4%増)
■ポップコーン専門店―食シーンが広がり、大人の需要を獲得
40億円(37.9%増)
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03−3664−5811)は、国内の外食産業14分野134業態の総合分析、外食企業40社と海外・海外展開の外食企業の事例研究、加えて注目成長市場をまとめ、その結果を報告書「外食産業マーケティング便覧 2015 No.3」にまとめた。
<調査結果の概要>
■国内の外食産業総市場
2014年:32兆5,528億円
2015年見込:32兆6,936億円
2014年比:100.4%
2014年は14分野中9分野が前年比マイナス成長となったものの、市場構成比が最も大きいテイクアウトのほか、交通機関、ファミリーレストラン、喫茶、西洋料理の5分野のプラスがそのマイナスをカバーし、トータルでは微増となった。テイクアウトではCVSテイクアウトフードの伸びが市場拡大をけん引した。2013年は各CVSチェーンがカウンターコーヒーへの注力度を高めたことから、ホットスナックなどのついで買いが進んだが、2014年は「セブン−イレブン」がカウンタードーナツを導入したことが話題となり大幅に伸長した。また量販店、百貨店デリカやチェーン系スイーツ店も好調だった。テイクアウトに次いで拡大したのは交通機関であり、円安の進行を背景に訪日外国人客数が二桁増となる中で、機内食や、クルーズが組み込まれた外国人向けのツアーの好調により客船食堂が伸長した。
2015年は14分野中7分野がプラスとなり、トータルで前年より伸長幅が拡大すると見込まれる。引き続き、テイクアウトが市場拡大をけん引する。「ローソン」がカウンタードーナツに参入するなどCVSテイクアウトフードの好調が続いている。
■市場成長率トップ10業態(2015年見込)
※添付の関連資料を参照
2015年は外食産業134業態のうち、約半数となる66業態で前年比プラス成長が見込まれる。
成長率1位の天丼はテンコーポレーションが展開する「天丼てんや」がフランチャイズを活用した出店やテイクアウトの強化などで実績を伸ばし、市場拡大をけん引している。2015年も「天丼てんや」が積極的な展開を続けていることからさらなる拡大が見込まれる。
2位のとんかつ・かつ丼はアークランドサービスが運営する「かつや」が出店エリア拡大から全国的にブランド力を高めているほか、松屋フーズの「松乃家」が駅近立地や繁華街を中心とした展開を進め価格を強みに実績を伸ばしていることから、2015年も高い成長率を維持すると見込まれる。
3位のクイックパスタ・ピザは2014年に「パルメナーラ」などを展開するマリノなど上位企業の出店攻勢によってパスタチェーン、ピザチェーンの双方が伸長して大幅に市場拡大したが、各企業による出店攻勢は2015年も続いており大幅な拡大が見込まれる。
<注目成長市場>
■ポップコーン専門店
2014年:29億円
2015年見込:40億円
2014年比:137.9%
テイクアウトのポップコーンを主要メニューとして販売している専門店・移動型店舗を対象とする。
2013年に油を使用せずに熱風のみで製造する“エアーポップコーン”の技術を導入した「ヒルバレー」やシカゴの老舗ブランドである「ギャレットポップコーンショップス」が国内にオープンし、行列ができる人気となったことでプレミアムポップコーンの市場が形成された。その後は一気に専門店が増加し、市場が大幅に拡大している。原宿・中目黒など繁華街路面店や複合商業施設、百貨店などのテナントとして出店が進んだことで、映画のおともから食シーンが広がったことや、大人の需要を獲得したことなどが拡大要因である。
■クラフトビールレストラン
2014年:226億円
2015年見込:236億円
2014年比:104.4%
ビール売り上げの70%以上がクラフトビール、地ビールで占められる店舗を対象とする。
2011年に「クラフトビアマーケット」が参入し、当時としては低価格設定で人気を集め、クラフトビール専門店ブームの火付け役となった。その後は追随する企業が急増しており、クラフトビールブームを追い風に今後も市場拡大が続くとみられる。醸造所を持たないことでイニシャルコストを掛けず、各地のバラエティ豊かなクラフトビールを仕入れて飲み比べが出来ることを訴求した店舗が増加しており、主流になっていくとみられる。
※調査対象などリリース詳細は添付の関連資料を参照