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ラピスセミコンダクタ、ウェアラブル機器など向け16bitローパワーマイコンを開発
ウェアラブル機器のパネル表示量を33%拡張(※)するローパワーマイコン「ML620Q416/418」を開発
〜年単位の電池駆動が可能な新型ウェアラブル機器、センサウォッチの市場拡大に貢献〜 ※当社従来比
<要旨>
ロームグループのラピスセミコンダクタは、省電力と処理能力を両立させる16bitローパワーマイコンに新たなラインアップとして、センサウォッチやウェアラブル機器に最適なLCDドライバを搭載した16bitローパワーマイコン「ML620Q416/418」を開発しました。
ML620Q416/418は、16bitローパワーマイコンに時計(リアルタイムクロック)機能を備え、従来よりも高精細な2048ドットマトリクス(従来比33%増)のLCD表示が可能なLCDドライバとLCD駆動用の電源回路を搭載しています。さらに、ジャイロセンサや地磁気センサのオフセット補正演算など、センサ処理能力を強化しています。
これらにより、本LSIとLCD表示パネル、各種センサを用いることで、現在の歩数計・活動量計などのウェラブル機器が、グラフや多彩なアイコンマークまで表示できるようになるほか、センサ機能を組み合わせて歩行ナビなど高度なアプリケーションを実現できます。さらに、時計機能も有しているため、腕時計の使い勝手のままで健康状態の管理や状態検出などシーンに合わせた表示デザインの範囲が広がり、センサウォッチとよばれる新しいウェラブル機器を実現することが可能です。
なお、本LSIは、既にサンプル出荷中で、2016年1月より量産出荷を予定しています。生産拠点はラピスセミコンダクタ宮城(宮城県)です。
ラピスセミコンダクタは、今後も様々なシーンで省電力化を実現するローパワーマイコンを開発し、社会の低消費電力化に貢献してまいります。
*製品画像は添付の関連資料を参照
<背景>
ウェアラブル機器が普及するにつれ、人の動きや健康状態といったバイタルサインを近距離無線通信経由でクラウドサーバーへ送信する需要が増えています。その中で、毎日24時間のデータをセンシングするために、電池寿命が長く、年単位でメンテナンスフリーであること。携行可能なサイズで、瞬時に表示内容が判別でき、多彩でエレガントな表示ができることが求められています。
これらの要求を満たすアプリケーションとして、腕時計にセンシングと多彩な表示機能を備えたセンサウォッチの需要が高まりつつあります。
*参考資料は添付の関連資料「参考資料1」を参照
<新商品の特長>
1. LCD表示量を33%向上(当社従来比)し、メッセージや活動量などのグラフ表示をより鮮明に
本LSIは、最大2048ドット(64 segment x 32 common)の表示パネルの駆動が可能となるLCDドライバを備え、当社従来品よりも表示量を33%向上させました。これにより、計測した歩数・活動量情報のグラフ表示やスマートフォンで受信したメールのメッセージ表示などを、腕時計の画面上で高精細に表現することができます。
2. 処理能力強化、かつ低消費電力を実現
これまでの時計向けマイコン(8bit/4MHz)に比べて処理能力を4倍以上(16bit/16MHz)に向上させました。これにより、例えばジャイロセンサや地磁気センサなどのオフセット補正アルゴリズムの処理が可能となり、歩行ナビなどより高度なアプリケーションをサポートします。
また、センシングや通信機能を処理するためのROM容量の増加や、LCDパネル用駆動回路を搭載すると、リーク電流が増大して電池寿命に影響を及ぼします。本LSIは動作電圧を1/2にするDC/DCコンバータを搭載することで、非動作時のリーク電流を低減し、従来のローパワーマイコンと同等の消費電力(HALTモード時、0.38μA)を実現しました。
3. センサウォッチのソフトウエア/ハードウエア開発工数を削減
センサウォッチの開発工数を削減するリファレンスキットを2016年2月より順次ご提供いたします。リファレンスキットには、本製品の他にLCDパネル、BLE通信モジュール、GPSモジュール、加速度/地磁気/温湿度センサ搭載しており、各種アプリケーションソフトを使用してすぐに開発を始めることができます。
*参考資料は添付の関連資料「参考資料2」を参照
*販売計画・用途・仕様概要は添付の関連資料を参照