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横河電機、プラントの安全を担う安全計装システム「ProSafe−RS」を機能強化

2015-10-29

プラントの安全を担う安全計装システム「ProSafe(R)−RS」を機能強化
〜システム構築・設置の工数削減、工期短縮に貢献〜


 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:西島 剛志)は、安全計装システム「ProSafe(R)−RS(プロセーフ・アールエス)」の機能を強化した「ProSafe(R)−RS R4.01.00」を開発、11月27日から販売を開始しますのでお知らせします。

 今回の機能強化では、安全計装システムの重要な要素である入出力装置のラインアップを追加するとともに、N−IOループ確認・設定ソフトウエア「FieldMate(TM) Validator(フィールドメイト・バリデーター)」に「ProSafe−RS」対応機能を追加しました。これにより安全計装システムの構築、設置の際の工数の削減、工期の短縮に貢献します。

 *参考画像は添付の関連資料を参照


■開発の背景
 石油や天然ガス石油化学、鉄鋼などのエネルギー、素材産業では、事故の防止、地球環境保全などの観点から、操業時の安全確保がますます重視されるようになっています。そのため、操業時の異常を検出し、シャットダウンなどの緊急動作を安全に実行する安全計装システムのニーズが高まっています。

 当社は、安全計装システムに対するお客様のニーズに対応して「ProSafe−RS」の機能を継続的に強化してきました。今回は、グローバル競争の激化や市場環境の変化に伴い、短期間での生産ラインの立ち上げ、生産品目や材料の変化への柔軟かつ機敏な対応を求められるお客様のニーズに対応し、プラントの設計から、エンジニアリング、システム・機器の据え付け、生産立ち上げ、さらには稼働後の改修を経て運転を終了するまで、プラントのライフサイクルにわたって最適なエンジニアリング環境を整備しました。


■機能強化の概要
1. 一種類のモジュールで多様な入出力信号に対応できるフィールドI/O装置「N−IO」
 安全計装システムは、フィールドI/O(入出力)装置を介してセンサやバルブなどのフィールド機器と情報交換し、操業時の異常を検出し、シャットダウンなどの緊急動作を安全に実行します。既存のフィールドI/O装置「FIO」では、機器ごとに異なる入出力信号の種類に合わせてモジュールを選択しています。今回新たにラインアップしたフィールドI/O装置「N−IO(Network I/O)」では、1台で多様な入出力信号に対応するモジュールを用意しました。入出力信号の多数を占めるアナログ、デジタル信号に関しては、点ごとに信号の種類をソフトウエアで設定できます。これにより、エンジニアリング中のセンサの種類や配置の変更、プラントの増改造に伴うセンサの変更の際に、入出力モジュールを交換したり膨大な配線を変更したりする必要がなくなり、工数の削減と工期の短縮に貢献します。また、「N−IO」と「FIO」は混在して使用できます。
 防爆対応に関しては、防爆対応機器で豊富な実績をもつペッパール・アンド・フックス社(※1)およびMTLインスツルメンツ社(※2)と、両社のI/Oモジュール用ベースプレートの供給を受け当社ブランドで販売するOEM供給契約を締結しました。この契約により、欧米やアジアの主要な本質安全防爆に対応した「N−IO」が提供できます。

 ※1 Pepperl+Fuchs GmbH:
   工業用センサ、プロセスインタフェースソリューション、防爆機器を開発・生産しているドイツの企業
 ※2 MTL Instruments Group Limited:
   Eaton Corporationの子会社で、過酷で危険な環境下での安全操業を実現するための機器を開発・生産している英国の企業


2. 安全計装システムとして業界で初めて、フィールド機器とフィールドI/O装置の接続のみで接続・動作確認を実現
 フィールド機器を現場に設置し、配線をした後には、フィールド機器の設定や配線が正しく行われているか、接続・動作確認が必要です。これまでは、フィールドI/O装置に加え、操作・監視ステーションとコントローラ(CPU)を含め安全計装システム全体を設置した後に、エンジニアリングステーション上で接続・動作確認やI/Oモジュールの設定を行っていました。「ProSafe−RS R4.01.00」の「N−IO」では、フィールド機器とフィールドI/O装置の設置と接続を終えた段階でこれらの作業が行えるように、既存のN−IOループ確認・設定ソフトウエア「FieldMate Validator」に「ProSafe−RS」対応機能を追加しました。「ProSafe−RS」に対応した「FieldMate Validator」は、2015年12月上旬発売予定です。


3. エンジニアリングの効率化を実現する統合エンジニアリング環境
 「ProSafe−RS」のエンジニアリング環境を、当社の統合生産制御システム「CENTUMR VP」が採用している「オートメーション・デザイン・スイート(ADスイート)」に統合します。これにより、「CENTUM VP」と「ProSafe−RS」のエンジニアリング情報を統合して管理することができ、入出力に関するシステム設計を行う際には、「CENTUM VP」と同じシステム構築の画面で「ProSafe−RS」を設計することが可能です。また、ADスイートには制御プログラムの変更履歴を管理する機能があります。改修時に改修前のプログラムからの変更箇所が明確になり、作業漏れによる無駄な工数を削減することができます。


■「ProSafe−RS」について
 2005年2月に発売した安全計装システムです。安全度水準(※3)SIL3レベルを実現する機器として、第三者機関による認証を取得しています。統合生産制御システムCENTUMシリーズと組み合わせて使用することにより、プロセス制御システムと安全計装システムを統合できるという特長を持っています。発売から10年間で国内外の1,700以上のプロジェクトで採用され、安全計装システム市場におけるシェアは業界トップクラスです。

 ※3 安全度水準:
   国際電気標準会議(IEC)が制定した電気・電子機器の機能安全に関する規格IEC61508で導入されている安全性評価の尺度。SIL1からSIL4までレベルが区分されています。プラントに安全対策を施さない場合と比較して、リスクの度合いをSIL3は1/1000から1/10000の範囲に、SIL4は1/10000から1/100000の範囲に低減できます。


■主な市場と用途
 石油、天然ガス石油化学、化学、薬品、電力、鉄鋼などのプロセス産業各種プラントや、石油・天然ガスの生産設備における、緊急プラント遮断システム(ESD)や防消火システム(FGS)の構築


以上


○関連ページ
 →安全計装システム「ProSafe−RS」
 http://www.yokogawa.co.jp/iss/iss-jp-top001.htm



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