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東京商工リサーチ、「東日本大震災」関連倒産の調査結果を発表
[特別記事]
「東日本大震災」関連倒産
〜9月は11件、6カ月連続で前年同月を下回る〜
9月の「東日本大震災」関連倒産は11件にとどまった。6カ月連続で前年同月を下回り、収束傾向が続いている。ただし、震災から4年半が経過して累計件数は1,663件(9月30日現在)に達した。9月の負債総額は9億7,100万円で、調査開始以来で最少金額だった。負債10億円以上の大型倒産が発生なし(前年同月1件)だった。
・9月の倒産事例
三陸産の天然アワビ販売の丸一龍神丸水産(株)(TSR企業コード:141068159、宮城県)は、東日本大震災による津波で本社が全壊し、事業を一時中断した。一部工場の稼働を再開したものの、2011年12月期の売上高は約2,500万円にまで落ち込んだ。その後、本格的に事業を再開したが、赤字決算が続いていた。金融機関を中心に支援を受け経営再構築を図ったが、計画通りの業績を確保できず、資金繰りも限界に達して破産手続きに踏み切った。
水産物加工の(株)タツミフーズ(TSR企業コード:322293618、千葉県)は、鯖の加工を主に行い事業を拡大してきた。しかし、震災での原発事故により経営に大きな打撃を受けた。風評被害により販売価格が下落したことで収益が悪化。2013年5月には事業継続を断念していたが今回破産を申請した。
震災関連倒産は収束傾向を強めているが、震災の影響をいまだに引きずって業績不振から抜け出せないところや、事業停止中の企業が整理を決定したケースがみられる。
※以下の資料は添付の関連資料「参考資料」を参照
・表資料「関連倒産」
・グラフ資料「パターン別」
・東日本大震災関連倒産震災後月次推移
・「東日本大震災」関連企業倒産(2015年9月30日現在)
全国合計 1,663件
・東日本大震災関連倒産 地区別倒産状況
・東日本大震災 都道府県別倒産状況
・地区別倒産件数構成比