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カルピス、「枯草菌 C−3102株」が中高齢者の腸内環境を整え活力や心の健康度を高めること確認

2015-10-03

カルピス社の腸内フローラ研究
「枯草菌(*1) C−3102株」が中高齢者の腸内環境を整え、
便秘症状を改善し、活力や心の健康度が高まることを確認
〜第62回日本栄養改善学会学術総会(9月24〜26日/福岡)にて発表〜


 カルピス株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:岸上克彦)発酵応用研究所は、カルピス社保有の微生物である「枯草菌C−3102株」が、中高齢者の腸内環境を改善し、また、便秘症状や心の健康度が改善するなど実感として健康感が高まることを田中消化器科クリニック(所在地:静岡県静岡市)院長の田中 孝先生の協力のもと、確認しました。
 この研究成果を2015年9月24〜26日に開催された第62回日本栄養改善学会学術総会(福岡)にて発表しました。


【研究の背景・目的】
 「枯草菌C−3102株」はカルピス社の長年の腸内フローラ(*2)研究から見出された微生物です。これまでに、牛や豚などの動物において整腸効果を示すことが明らかになっています。腸内環境の改善に役立つとされる多くの乳酸菌やビフィズス菌は、腸に届くまでにそのほとんどが死んでしまいます。しかし、それらとは異なり「枯草菌C−3102株」は、消化液への耐性が強く、摂取した菌の99%が腸に生きたまま届くことが人工腸管モデルの検討により確認(*3)されています。また、ビフィズス菌を直接増殖させる働きがあることも特徴としています。
 今回、「枯草菌C−3102株」がヒトの腸内環境に与える影響と、摂取することにより実感としてどのような変化が見られるかを調べることを目的に、ヒトを対象とした試験を実施しました。


【試験結果】
 1. 「枯草菌C−3102株」を摂取すると、もともと腸内に持っていた有用菌(*4)が増加し、有害菌(*5)が減少しました。
 2. 「枯草菌C−3102株」を摂取すると、便秘症状を改善し、活力や心の健康度が高まることを確認しました。


【まとめ】
 一般的に、乳酸菌やビフィズス菌を摂取しても、腸に定着することは難しいと言われています。一方、「枯草菌C−3102株」は、中高齢者がもともと腸内に持っていた有用菌を増やし、有害菌を減らすことで、腸内環境を改善することがわかりました。また、便秘症状や活力・心の健康度を改善するなど「実感として」からだに良い影響があることがわかり、摂取した方のQOL(*6)を向上させることも示唆されました。
 カルピス社では、今後も「枯草菌C−3102株」の整腸作用だけでなく、カラダ全体の機能の向上について積極的に研究を進めていきます。


【試験内容】
 有用菌が少ない50歳から79歳の健常な中高齢者の男女94名に、「枯草菌C−3102株」を含むタブレットもしくは「枯草菌C−3102株」を含まないタブレットを1日3粒、4週間摂取して頂きました。摂取前と摂取開始2、4週間後の糞便を採取して腸内フローラを解析しました。また、摂取前後に胃腸症状及び生活の質に関するアンケート(SF−8(*7)及びGSRS(*8))を実施しました。


【結果の詳細】
 1. 「枯草菌C−3102株」を摂取すると、もともと腸内に持っていた有用菌が増加し、有害菌が減少しました。
  「枯草菌C−3102株」を含むタブレットを摂取したグループ(以下、「枯草菌C−3102株」群)では、「枯草菌C−3102株」を含まないタブレットを摂取したグループ(以下、プラセボ群)と比べて、糞便中に占める有用菌の割合が増加する傾向があることがわかりました(図1)。また、タブレット摂取から2、4週間後の「枯草菌C−3102株」群は摂取前と比較して、糞便中の有害菌の数が有意に減少しました。また、4週間後にはプラセボ群に比べ、「枯草菌C−3102株」群は有害菌の数が有意に減少しました(図2)。

 ※図1・2は添付の関連資料を参照


 2. 「枯草菌C−3102株」を摂取すると、便秘症状を改善し、活力や心の健康感が高まることを確認しました。
  胃腸症状に関するアンケート(GSRS)について摂取前後の変化を比較したところ、「枯草菌C−3102株」群では摂取4週間後に、便秘の自覚症状のスコアが有意に減少していました(図3)。また、生活の質に関するアンケート(SF−8(TM))について摂取前後の変化を比較したところ、「枯草菌C−3102株」群では摂取4週間後に、活力や心の健康度のスコアが高まる傾向があることが確認されました(図4)。


 ※図3・4は添付の関連資料を参照


【共同研究者のコメント】

 ※添付の関連資料を参照


【用語説明・引用】
 *1:枯草菌=バチルス・サブチルス
  バチルス属の微生物の一種で、一般的によく知られているものでは、納豆菌も同種に分類されます。「枯草菌 C−3102株」は、正式には「バチルス・サブチルスC−3102株」と呼びます。

 *2:腸内フローラ
  ヒトや動物のおなか(腸)の中には、多種多様な細菌が住んでおり、顕微鏡で見ると、まるで叢のようにグループを 形成しているため、腸内フローラ(細菌叢)と呼ばれています。カルピス社では、腸内フローラ分析専門機関『腸内 フローララボラトリー』を1987年に開設し、腸内細菌叢の検索・解析を行う受託事業を展開しています。

 *3:「枯草菌C−3102株」は、消化液への耐性が強く、摂取した菌の99%が腸に生きたまま届くことが人工腸管モデルにより確認されています。
  詳しくは、以下のリリースをご参照ください。
  2012年6月『バチルス・サブチルスC−3102株のビフィズス菌増加作用とそのメカニズムをヒト胃腸管モデルで確認(http://www.calpis.co.jp/corporate/press/nrl_00027.html

 *4:有用菌
  からだに有益なはたらきをする細菌のことを有用菌(善玉菌)と呼びます。この度の研究では、有用菌の代表格であるビフィズス菌について調査しました。

 *5:有害菌
  からだに有害なはたらきをする細菌のことを有害菌(悪玉菌)と呼びます。この度の研究では、食中毒の原因菌であるウェルシュ菌(クロストリジウム・パーフリンゲンス)等が含まれるクロストリジウム・パーフリンゲンス・グループについて調査しました。

 *6:QOL
  Quality Of Life(生活の質)の略で、一般的には、人生の質や社会的にみた生活の質のことを指します。ある人が物質面、肉体面だけでなく精神面においても、どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、を尺度で示した概念です。

 *7:SF−8
  米国のJohn Ware博士らによって開発された健康関連のQOLを評価するための調査票で、日本語版は認定NPO法人健康医療評価研究機構から提供されています。8つの尺度(〔1〕身体機能、〔2〕日常役割機能(身体)、〔3〕体の痛み、〔4〕全体的健康感、〔5〕活力、〔6〕社会生活機能、〔7〕日常役割機能(精神)、〔8〕心の健康)に対応するスコア、および身体的健康と精神的健康をあらわす2つのサマリースコアを算出することができ、QOL評価を短時間で行えるため、疫学調査などで国際的に広く用いられている手法です。

 *8:GSRS
  Gastrointestinal Symptom Rating Scaleの略で、胃腸症状を評価する問診票です。過去1週間の体調について、酸逆流、腹痛、消化不良、下痢、便秘に関する質問事項を含み、点数1点の「ぜんぜん困らなかった」から、7点の「がまんできないくらい困った」まで、7段階に分類します。1〜2点は無症状、3点以上は有症状とされ、これから全体の平均スコア、症状別平均スコアを算出します。


<お客様からのお問い合わせ先>
 カルピス株式会社
 お客様相談
 フリーダイヤル:0120−378090


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