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アンリツ、マルチチャネル光モジュールを効果的に評価できる測定器を販売開始
マルチチャネル光モジュール評価に対応
BERTWave MP2100Bを販売開始
アンリツ株式会社は、マルチチャネル光モジュール[※1]を効果的に評価できる測定器として、BERTWave MP2100Bを開発。MP2100Aの後継機種として9月24日から販売を開始いたします。
今回開発したBERTWave MP2100Bは、BER測定[※2]とアイパターン解析[※3]を同時に測定できる測定器です。光通信システムで使用される光モジュールや光デバイス[※4]の評価で必須の測定項目を、MP2100B 1台で実現できます。従来、BER試験とアイパターン解析を実施する場合、2台の測定器が必要でした。MP2100Bはこれらの評価を1台で実現できるため、測定器設備投資金額を約40%削減できます。さらに、この度新たに光スイッチおよび光減衰器を応用部品として追加しました。これにより、アンリツはマルチチャネル光モジュールや光デバイスの評価をトータルソリューションとしてサポートします。
また、光モジュールおよび光デバイスの製造市場で要求される測定速度の高速化を図るため、アイマスク試験[※5]などのアイパターン解析時間を従来機種と比較して1.5倍高速化し、最大で150k sample/sのサンプリング速度を実現しました。さらに、MP2100BはBERT(Bit Error Rate Tester)のチャネル数を最大で4chまで拡張することができます。これにより、QSFP+などのマルチチャネル光モジュールのBER測定を4chまで同時に実施でき、測定時間を従来機種と比較して最大約80%短縮することができます。
MP2100Bは、測定器設備投資額の抑制、測定時間の短縮化による光モジュールや光デバイス製造コストの削減に大きく貢献します。
[開発の背景]
クラウドコンピューティングサービスの普及により、データセンタの情報量は急速に増大し、データセンタで使用されているサーバやネットワーク機器の伝送容量を増やすことが急務となっています。そのため、データセンタではこれらサーバやネットワーク機器に光モジュールが使用されるようになってきており、光モジュールの需要が増加しています。特に、10GbE用SFP+や40GbE(10Gbit/s×4)用QSFP+の需要が急増しています。
そこでアンリツは、QSFP+などのマルチチャネル光モジュールを効率的に評価するために、最大4chまでBERTを拡張できるBERTWave MP2100Bをリリースしました。
[製品概要]
BERTWave MP2100Bは、光モジュールの開発・製造で必須となるBERTとサンプリングオシロスコープを1台に搭載したAll in one測定器です。12.5Gbit/sの信号発生器(PPG:Pulse Pattern Generator)および、誤り検出器(ED:Error Detector)を最大4chまで、そして電気帯域25GHz、光帯域9GHzのサンプリングオシロスコープを同時に搭載できます。MP2100B1台で、最大4チャネルまでのBER測定とアイパターン解析を同時に測定することができるため、QSFP+などのマルチチャネル光モジュールに対して、より効率的な測定を実現します。また、最大150k sample/sに高速化されたサンプリングスピードにより、アイパターンの測定時間を短縮します。
さらに、PPGのジッタを最小1ps、Tr/Tfを最小24psの高品質な出力信号を実現しました。また、EDの受信感度は最小10mVp−pを実現しました。これにより、光モジュールや光デバイスの特性をより正確に評価することができます。
[主な特長]
■BERTとサンプリングオシロスコープを一体化
従来は信号源となるPPGとアイパターン解析用のサンプリングオシロスコープは別の筐体を使用しており、測定には2台分の費用と大規模な実験系により大きなスペースが必要でした。そこで、MP2100BはPPGとサンプリングオシロスコープを1台に搭載することで測定器への投資費用の削減に貢献します。また、奥行き18cmのコンパクトサイズを実現したことにより、大きな実験スペースを必要としません。さらに、一体型にすることにより、必須の測定であるBER測定とアイパターン解析が同時に実施できるため、測定時間を短縮することができ、光モジュールおよびデバイスの検査コストの削減に貢献します。
■高速BER試験
最大4chの設定および測定を同時に行うことができます。
■高速アイマスク試験
高速サンプリングおよび標準搭載されているFast Sampling Modeを使用することにより、最大で150k sample/sのサンプリング速度を実現しました。
■電気・光インタフェース対応
電気と光のインタフェースに対応しているため、光モジュールの送受信評価を煩雑なケーブルのつなぎ変えをせずに実施できます。
■広帯域な動作周波数
オプションを搭載することにより、125Mbit/s〜12.5Gbit/sまでのビットレートに対応できるため、1台でSTM−1や10GbEなどさまざまなアプリケーションで使用できます。
■クロックリカバリ機能
EDのクロックリカバリ機能が標準搭載されているため、外部クロックなしでデータ信号を入力してBER解析ができます。また、サンプリングオシロスコープ用のクロックリカバリオプションを搭載することにより、長距離伝送やクロック出力のない伝送装置などの光特性評価ができます。
■マスクマージン試験
マスクマージン試験を自動で行えるため、煩雑な手動による設定が不要です。また、マスクマージン試験に必要な時間は約1秒と高速な測定が行えます。
[対象市場・用途]
■対象市場:光モジュール、光デバイス、ケーブル、コネクタ
■用途:光モジュール、光デバイス、ケーブル、コネクタの研究、開発、製造
[用語解説]
※1 光モジュール
TOSA/ROSA、VCSELなどの光デバイスをSFPやQSFPなどの送受一体型のトランシーバとして内蔵したもの。
※2 BER測定
ビット誤り率。受信されたデジタル・データのビット列の中に含まれる、誤ったビットの比率。
※3 アイパターン解析
周期的な信号波形を加算することでアイパターン波形の解析をおこなうこと。表示された信号波形が目のように見えることからアイパターンと呼ばれる。
※4 光デバイス
光信号を電気信号に変換あるいは、電気信号を光信号に変換するデバイス。
※5 アイマスク試験
アイパターン解析の一種。アイパターンが、各規格で要求されるマスクに準拠しているかを確認する試験。
◆お客様からのお問合せ先
アンリツ株式会社
計測器営業本部 営業推進部
TEL:046−296−1208/0120−133−099(フリーダイヤル)
E−mail:SJPost@zy.anritsu.co.jp