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BCN、2014年9月−2015年8月までのSIMフリースマホの販売台数を発表

2015-09-25

SIMフリースマホ、1年で販売台数が3倍増
スマホ市場全体の底支えに貢献、大画面化も先行


 SIMフリーのスマートフォン(スマホ)の販売が拡大している。直近1年(2014年9月−2015年8月)の販売台数は、前年同期比で315.6%と市場は3倍以上に膨れ上がった。月別ではSIMロックスマホが前年を割れるような場面でも、SIMフリースマホの好調に支えられ、スマホ市場全体は4月以降2ケタ増が継続している。全体のメーカーシェアは依然アップルがダントツだが、ソニーモバイルコミュニケーションズがシェアを拡大する一方で、シャープの縮小が続いている。SIMフリースマホでは、台湾、韓国、中国の各メーカーがトップ3を占め、僅差でシェアを奪い合う激戦を繰り広げている。全国の主要家電量販店などの実売データを集計する「BCNランキング」で明らかになった。


■ASUSの本格参入で市場が拡大
 2014年4月以降しばらく、スマホ市場はキャッシュバック合戦の終息と消費税増税のダブルパンチで、大きな前年割れに見舞われた。14年9月になってようやくマイナス成長から脱することができ、以降凸凹はあるものの、前年比増のペースを続けている。SIMタイプ別に内訳をみると、主要キャリアが販売するSIMロックスマホの販売台数構成比は前年割れの月も珍しくなく、必ずしも順調な拡大基調に戻ったとは言い難い。一方、SIMフリースマホは14年8月以降急速に拡大し続けており、市場全体を底支えする役割も担っている。たとえば、この6月にはSIMロックスマホは99.9%とわずかながら前年を割れたものの、SIMフリースマホが同357.1%と大幅に伸びたため、スマホ全体では111.4%と2ケタの伸びがキープできた。

 スマホ市場に占めるSIMフリースマホの販売台数構成比も、14年8月は6.9%に過ぎなかったが、この8月には11.0%と1割台に広がっている。この流れに勢いをつけたのが、台湾メーカーのASUSだ。14年11月に本格参入すると日本市場は一気に活性化。スマホ全体に占めるSIMフリースマホの販売台数構成比は10月の4.2%から11月に5.8%、12月には9.5%と急上昇、今年5月には16.0%まで拡大した。以降、勢いはやや弱まったものの、SIMフリースマホの販売台数構成比は10%台を維持している。

 現在、日本のスマホ市場で絶大なシェアを誇っているのがアップル。新製品発売直前の8月時点でも、シェアは51.5%とダントツの存在だ。このところiPhoneの1年は、新製品発売の9月にスタートし、新製品発売直前の翌年8月に終える、というパターンを繰り返している。そこで、iPhone発売の9月を起点とする、直近12か月のスマホ市場の状況をみてみよう。2014年9月−2015年8月までの12か月間のスマホ市場全体では、販売台数トップはアップルで、シェアは55.5%、ソニーモバイルコミュニケーションズが15.5%で2位、3位は7.3%のシャープだった。全体の販売台数は前年同期比で110.5%と2ケタの伸び。メーカー別では、アップルが112.1%と好調だったのに加え、ソニーモバイルコミュニケーションズは136.8%とさらに大きな伸びを示した。一方、シャープは68.6%と大きく落ち込んだ。


<スマホのSIMタイプ別販売台数前年比とSIMフリースマホ販売台数構成比>

 ・グラフ資料は添付の関連資料「グラフ資料1」を参照


<2014年9月−2015年8月のSIMタイプ別スマホの販売台数メーカーシェア>

 ・グラフ資料は添付の関連資料「グラフ資料2」を参照

 同じ期間でSIMフリースマホの動向をみると、上位メーカーの顔ぶれはがらりと変わる。販売台数シェアトップはASUSで27.5%、2位がLGエレクトロニクスで24.4%、3位がファーウェイで23.5%だった。これら上位3社は僅差で競い合っており、月次シェアの推移では、トップが目まぐるしく入れ替わる激戦を繰り広げている。前年同期比では、SIMフリースマホの販売台数は315.6%と3倍増。ASUSは本格参入前はほとんど売り上げがなかったため、前年同期比は24247.2%と突出。2位LGは151.1%と売り上げは伸ばしたものの、全体のペースからはやや遅れた格好だ。3位ファーウェイは306.7%でSIMフリーフマホ全体とほぼ同じ伸びを示し、売り上げを3倍に伸ばした。


<2014年9月−2015年8月の12か月間での販売台数前年同期比>

 ・グラフ資料は添付の関連資料「グラフ資料3」を参照


■大画面化が先行するSIMフリースマホ、次の焦点はカメラの画素数と防水
 スマホ市場全体とSIMフリースマホを機能面で比較すると大画面化が先行しているのは、SIMフリースマホの方だ。8月、画面サイズ5インチ以上の販売台数構成比は、スマホ全体は41.9%にすぎないが、SIMフリーでは85.6%と大部分を占める。一方SIMフリーが追いかけている部分もある。メインカメラの画素数だ。スマホ全体では1500万画素以上が19.0%を占めるのに対し、SIMフリーには、まだそこまでの高画素数モデルがない。防水モデルも、スマホ全体が29.5%に対して、SIMフリーではわずか2.0%だ。今後は、競争の激化を背景に、SIMフリーモデルでもカメラの画素数や防水などの機能面の強化がさらに進むことになりそうだ。


 BCNでは全国の量販店22社(アベルネット、アマゾンジャパン、エディオン、NTTレゾナントケーズホールディングス、サンキュー、上新電機、スタート、ストリーム、ソフマップ、ZOA、ドスパラ、ナニワ商会、ビックカメラピーシーデポコーポレーション、ベスト電器、三星カメラ、ムラウチドットコム、MOA、ユニットコム、ラオックス、楽天ブックス=50音順・2015年6月1日現在)のPOSデータを日次で集計したBCNランキングを公表しています。


 *集計対象の社数は、当社と販売店との間でデータ提供契約を締結している法人数をカウントしています。



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