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中外製薬、ALK阻害剤のALK陽性の進行非小細胞肺がんの効能・効果を米国で承認申請

2015-09-14

ALK阻害剤「アレクチニブ」のALK陽性の進行非小細胞肺がんを
効能・効果とした米国での承認申請について


 中外製薬株式会社[本社:東京都中央区/代表取締役会長 最高経営責任者:永山 治](以下、中外製薬)およびF.ホフマン・ラ・ロシュ社[本社:スイスバーゼル市/CEO:セヴリン・シュヴァン](以下、ロシュ社)は、ALK阻害剤「アレクチニブ塩酸塩」(以下、アレクチニブ)について、ロシュ・グループのジェネンテック社[本社:米国カリフォルニア州/CEO:イアン・T・クラーク]が、「クリゾチニブに不応または不耐容のALK陽性の進行非小細胞肺がん」を効能・効果とする承認申請を米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)に行い、FDAが9月に申請を受理したことをお知らせいたします。

 「アレクチニブ」は、クリゾチニブ投与後に病勢進行が認められたALK陽性の非小細胞肺がん患者さんへの投与について、2013年6月にFDAより画期的治療薬指定(Breakthrough Therapy Designation)を受けました。

 「アレクチニブ」は、中外製薬で創製されたALKへの選択性が高く、脳転移への有効性も示唆されている、経口のALK阻害剤であり、中外製薬およびロシュ社が推進する個別化医療(Personalized Healthcare)に合致した薬剤です。非小細胞肺がん患者さんの2〜5%でALK融合遺伝子の発現が報告されています1)。この融合遺伝子が発現している細胞は恒常的にALKのキナーゼ活性が上昇しており細胞増殖が制御されず、細胞が腫瘍化していると考えられています2,3)。「アレクチニブ」は、このキナーゼ活性を選択的に阻害することにより腫瘍細胞の増殖を阻害し、細胞死を誘導することで、抗腫瘍効果を発揮します4)。さらに、「アレクチニブ」は、薬剤を能動的に脳から排出するポンプである血液脳関門におけるトランスポーター蛋白に認識されません。「アレクチニブ」は、中枢神経系において活性があり、脳転移に対する有効性が確認されています。

 国内では、「アレクチニブ」は「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を効能・効果、販売名「アレセンサRカプセル20mg、同40mg」として、2014年9月から中外製薬が販売しています。なお、欧米を始めとした海外での権利はロシュ社に導出し、現在、欧米などでALK陽性の非小細胞肺がん患者さんに対する臨床試験を実施中(ロシュ社開発コード:RG7853)です。


以上


<承認申請に用いた主な第I/II 相臨床試験

■NP28673 試験
 ・クリゾチニブ投与後に病勢進行が認められたALK陽性の非小細胞肺がん患者さん138名を対象とし、アレクチニブの有効性と安全性を検討したグローバルで実施されたシングルアームオープンラベル多施設共同第I/II相臨床試験です。
 ・独立評価委員会で判定された結果、アレクチニブの投与を受けた患者さんの50.0%に奏効が認められました(RECIST 基準)。
  −治験参加医師による判定では、アレクチニブの投与を受けた患者さんの47.8%で腫瘍縮小が認められました。
  −脳あるいは他の中枢神経系部位に腫瘍が転移した患者さんの57.1%で、アレクチニブの投与により腫瘍縮小が認められました。
  −アレクチニブの効果が認められた患者さんの奏効期間中央値は11.2カ月でした(未確定)。
  −アレクチニブの投与を受けた患者さんの無増悪生存期間中央値は、8.9カ月でした。
 ・アレクチニブの安全性は、これまでに行われた試験で認められたものと同様でした。
  −最も一般的(少なくとも2%に発現)なGrade3以上の有害事象は、息切れ(呼吸困難;4%)でした。


■NP28761 試験
 ・クリゾチニブ投与後に病勢進行が認められたALK陽性の非小細胞肺がん患者さん87名を対象とし、アレクチニブの有効性と安全性を検討する北米で実施されたシングルアームオープンラベル多施設共同第I/II 相臨床試験です。
 ・独立評価委員会で判定された結果、アレクチニブの投与を受けた患者さんの47.8%に奏効が認められました(RECIST 基準)。
  −治験参加医師による判定では、アレクチニブの投与を受けた患者さんの46.0%で腫瘍縮小が認められました。
  −脳あるいは他の中枢神経系部位に腫瘍が転移した患者さんの68.8%で、アレクチニブの投与により腫瘍縮小が認められました。
  −アレクチニブの効果が認められた患者さんの奏効期間中央値は7.5カ月でした(未確定)。
  −未確定の無増悪生存期間中央値は6.3カ月でした。
 ・アレクチニブの安全性は、これまでに行われた試験で認められたものと同様でした。
  −最も一般的(少なくとも2%に発現)なGrade3以上の有害事象は、血中CPK上昇(8%)、肝酵素の上昇(ALP上昇;6%、AST上昇;5%)、息切れ(呼吸困難;3%)でした。

 1)日本肺癌学会バイオマーカー委員会.肺癌患者におけるALK遺伝子検査の手引き
 2)Soda et al.,Nature.448:561−566(2007)
 3)Takeuchi et al.,Clin Cancer Res.15:3143−3149(2009)
 4)Sakamoto et al.,Cancer Cell.19:679−690(2011)



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