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東京商工リサーチ、8月の「東日本大震災」関連倒産の動向調査結果を発表
[特別記事]
「東日本大震災」関連倒産
〜8月は11件、5カ月連続で前年同月を下回る〜
8月の「東日本大震災」関連倒産は11件にとどまった。5カ月連続で前年同月を下回り、収束傾向が続いている。ただし、震災から4年半を前にして累計件数は1,650件(8月31日現在)に達した。8月の負債総額は28億7,400万円で、3カ月ぶりに前年同月を上回った。負債10億円以上の大型倒産が1件(前年同月ゼロ)発生した。
■8月の倒産事例
生鮮食品販売と自然レストラン経営の(株)鮮味(TSR企業コード:153042249、福島県)は、レストラン「みらい農園・Berry」を経営していたが、東日本大震災で店内設備が被害を受け閉店を余儀なくされた。さらに併営していた生鮮食品の販売も原発事故の風評被害から売上が伸びず、金融機関からの資金調達も限界になり破産を申請した。
ソフトウェア開発の(株)PHPSCHOOL(TSR企業コード:296345890、東京都)は、外国人システムエンジニア(SE)を積極的に採用し、大手企業などに派遣してアプリケーションシステムの開発を手がけていた。しかし、東日本大震災による原発事故で多くの外国人SEが帰国して事業が立ち行かなくなった。2013年3月に営業活動を停止していたが、ここにきて破産を申請した。
震災関連倒産は収束傾向を強めているが、震災の影響をいまだに引きずって業績不振から抜け出せないところや、事業停止中の企業が整理を決定したケースがみられる。
※表資料・グラフ資料は添付の関連資料を参照