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JR東日本、地方交通線を主な対象に列車接近警報装置を開発導入
地方交通線を主な対象とした列車接近警報装置の開発導入について
○JR東日本では、究極の安全にむけて「グループ安全計画2018」を策定し、安全設備重点計画を推進しています。その一環として、営業線内における保守作業に従事する地上作業員の安全性向上を目的に「GPSを活用した列車接近警報装置(以下、GPS列警)」の開発に取り組んでまいりました。
○GPS列警は、地上作業員が持つ作業員用端末と車両に搭載したGPS車載装置でそれぞれの位置を測位し、作業員用端末に列車の接近を知らせる仕組みとなっています。また、GPSの位置情報と運行管理装置の列車情報を照合することで、高い信頼性を実現しています。
○2015年度に八高線、飯山線に導入し、地方交通線を主な対象として2017年度までに25線区にGPS列警を整備する予定です。
○これまでの列車見張員による列車確認の他、GPSを活用した列車接近装置を導入することで、地上作業員の安全性向上に努めてまいります。
1.GPS列警の開発経緯
軌道回路のある線区では、既にTC型無線式列車接近警報装置(以下、TC列警)を整備しています。TC列警は、軌道回路で検知した列車の接近情報を地上作業員が持つ受信機に伝送し、鳴動させるものです。列車見張員による列車確認に加えて、TC列警による接近情報により地上作業員の高い安全性が確保できていることから、軌道回路がない線区においても、列車接近警報装置を導入するために開発に着手しました。
2.GPS列警の概要
GPS列警は、GPS車載装置、専用サーバー、作業員用端末で構成されています(別紙1)。
[1]列車の位置はGPS車載装置により測位し専用サーバーに送信します。
[2]運行管理装置の列車情報(列車の在線区間、方向等)を専用サーバーに送信します。
[3]GPSにより測位した列車の位置と運行管理装置の列車情報を専用サーバーで照合します。
[4]作業員用端末は列車位置と作業員の位置の離隔を算出し、所定の距離で警報を鳴動します。
3.新技術の特徴
[1]列車にGPS車載装置を搭載することで列車位置を検知し、列車の線路上の位置と地上作業員が持つ作業員用端末との距離を計測し、警報を発することができるシステムを開発しました。
[2]運行管理装置の列車情報と照合することにより、GPS測位異常時に作業員用端末に異常を知らせる仕組みを実現し、システムの信頼性を高めました。
4.費用
導入費用は約20億円、維持管理費として約2.5億円/年を見込んでおります。
5.スケジュール
2015年度から着手し、2015年度中に八高線、飯山線に導入し、その後2017年度までに25線区(約1,500km)に整備していく予定です(別紙2)。
※別紙1・2は添付の関連資料を参照