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NTTデータ、スマートグラスを用いた現場作業の支援システムを開発し利用開始

2015-09-03

社内IT基盤の保守運用業務にウェアラブルデバイスを活用
〜スマートグラスを用いたハンズフリー操作により現場作業を遠隔から支援〜


 株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本敏男、以下:NTTデータ)は、メガネ型コンピューターであるスマートグラスを用いた現場作業の支援システム(以下:遠隔作業支援システム)を開発し、NTTデータ社内IT基盤での保守運用業務における利用を8月31日より開始します。
 昨今、ITシステムの保守運用業務では、コスト削減が求められる一方、オペレーションミスによるシステム障害を防止することが強く求められています。しかし、保守運用作業時は作業者と作業の確認者が複数名で現場へ出向く必要があるため、人件費を含む作業コストの削減が困難であることに加え、有識者不足により作業結果確認の品質にばらつきが生じてしまいます。また、一部の有識者に負担が集中しがちであることも課題です。
 このたび開発した遠隔作業支援システムを使用することにより、確認者が現場へ出向くことなく、遠隔地から作業の進捗状況および結果を確認することが可能となり、作業コストの削減と作業品質の担保が期待できます。
 NTTデータでは、今後、海外拠点を含めた社内での活用を拡大するとともに、お客さまとシステムの試行適用を進め、2015年度中のソリューション提供開始を目指します。また、本システムを含め、ウェアラブルデバイスを適用したシステムの提供により、2018年までに累計で50億円のビジネス創出を目指します。


【背景】
 近年、ITシステムの保守運用作業では、コスト削減と同時に、オペレーションミスによるシステム障害の防止等、高品質な運用が求められています。
 高品質な運用を実現するため、データセンター等での運用作業は現場での作業者(以下:作業者)と作業結果の確認者(以下:確認者)の複数名で行っており、稼働削減による人件費の抑制には限界がありました。さらに、確認者は作業結果を確認するために作業現場へ出向く必要があることから、一度に複数現場の作業に従事することができず、有識者ではない要員による確認が行われることで作業結果確認の品質にばらつきが生じてしまうことがありました。また、有識者は人数が限られているため、一部の有識者に負担が集中しがちである点も課題となっています。
 一方、作業者は、データセンター等における機器設置や配線作業等両手の塞がる作業を実施中に、作業指示書・マニュアルの閲覧や作業結果のメモ等を行う必要が出た場合、いったん作業を中断して手を離したうえで行う必要があり、作業効率や安全性、正確性の面で課題がありました。
 NTTデータでは、このような課題を解決すべく、ITシステムの保守運用作業の効率化と精度向上を目的として、遠隔地から現場作業の支援・確認を行うことができる遠隔作業支援システムを開発してきました。

 ※図は添付の関連資料を参照


【概要】
 このたび開発した遠隔作業支援システムは、現場の作業者と遠隔地の確認者を支援するためのシステムです。作業者は、スマートグラスを着用して運用保守作業を行います。スマートグラスは、前面のカメラ、マイク、眼前のディスプレイを搭載しており、画像や映像、音声を記録し、作業指示書やマニュアル等、作業に必要な情報を表示することができるため、作業者は内容を確認しながら作業を行うことができます。また、画像や映像、音声は遠隔地にいる確認者とリアルタイムで共有することができ、作業で生じた不明点をその場で質問することにより、迅速な解決が可能です。
 一方、確認者はPCのWebブラウザーを用いて作業の進捗状況や、作業者の記録した作業結果に関する画像や映像、音声を即座に確認することができ、遠隔地に居ながら現場の作業進捗状況や作業結果を確認することができます。また、現場からリアルタイムで共有された映像に対してコメントや目印(マーカー)を付与することもでき、的確な作業指示を行うことが可能です。


【特長】
 遠隔作業支援システムの特長は以下の通りです。

 1.スマートグラスを直感的かつ確実に操作可能なユーザーインターフェース
  スマートグラスはキーボードやマウス等の入力機器が無いため、操作が複雑で時間がかかるという課題がありましたが、このたび開発した遠隔作業支援システムでは、音声認識、ジャイロ操作(注1)、ジェスチャー操作機能を搭載しています。その結果、ハンズフリーで直観的かつ確実なスマートグラスの操作が可能となりました。

 2.利用シーンに応じた、マルチデバイスでの利用
  遠隔作業支援システムはAndroidを搭載した機器であれば、どのデバイスでも利用することができます。例えば、ハンズフリー操作が必要な現場ではスマートグラスを用い、マニュアルを大きな画面で閲覧することが必要な現場ではスマートフォン・タブレット端末を用いる等、現場や利用者に応じてデバイスを使い分けることが可能です。

 3.複数の作業者の作業状況を同時に確認できる確認者用画面
  遠隔作業支援システムの確認者用画面では、確認者は同時に複数名の作業者を支援することができます。その結果、確認者の人件費削減が可能となります。また、作業者が複数名の確認者に支援を依頼することもできるため、異なる知識を持つ複数人の有識者から同時に作業の支援を受けることもできます。


【社内IT基盤への実験導入について】
 NTTデータでは、社内IT基盤が運用されている本社システム管理拠点で、2015年8月上旬から中旬の間、ハードウエア交換作業において、本システムを実験的に導入しました。
 導入の結果、作業者の目線映像の共有によって、確認者が作業の実施状況を継続的に確認することができました。また「マーカー付与機能を用いた作業指示により、不明点を即座に解消することができた」という作業者の声や、「作業者の目線映像を確認しながら作業状況を確認することで、作業ミスを遠隔から防止することができた」という確認者の声が寄せられました。さらに、有識者を常に作業現場へ派遣する必要がなくなり、作業コスト削減効果も期待できることから、このたび正式に導入されることになりました。


【今後について】
 ・社内利用の拡大
  NTTデータの国内の保守運用業務における利用に加え、今後はオフショア開発拠点(中国、インド等)、海外グループ会社向けシステムのIT基盤の開発・保守運用作業(インド、北米、欧州、中国)においても、本システムの活用を検討しています。

 ・お客さまへの提供
  遠隔作業支援システムはNTTデータ社内での利用にとどまらず、お客さまへも提供していきます。NTTデータと同様IT基盤の保守運用業務に加え、ビル・各種装置・インフラ(ガス・水道・電気・通信・道路)等の運用・保守・点検作業等、ハンズフリー操作や遠隔地からの作業支援のニーズが高い企業に対して実証実験の提案を9月より実施します。遠隔作業支援システムは実証実験の結果を反映した上で、2015年度内の提供開始を予定しています。

 NTTデータは遠隔作業支援システムを含め、ウェアラブルデバイスを適用したシステムにより、2018年までに累計で50億円のビジネス創出を目指します。


【関連情報】
 NTTデータは、9/7〜9/8に開催されるWearable Tech Expo in Tokyo 2015に出展し、遠隔作業支援システムおよびウェアラブルデバイスを用いた各種ソリューションのデモンストレーションを実施する予定です。


 (注1)ジャイロ操作:頭の傾きと連動させてスマートグラスのマウスポインターを動かす操作のこと。スマートグラスに搭載された角速度センサーを用いて頭の傾きを検出する。



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