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フォルクスワーゲンAG、スズキとの協業契約を解除
この資料は、フォルクスワーゲンAGのリリース 296/2015の日本語訳です。
仲裁裁判所が裁定を通達:フォルクスワーゲンAGとスズキ株式会社間の協業を終結と判断
・仲裁裁判所は、フォルクスワーゲンAGが契約における義務を果たした事を認め、またスズキ株式会社が規定に沿った通達に基づき協業契約を解除したことを認めた
・フォルクスワーゲンAGは、所有しているスズキ株式会社の株式19.9パーセントを売却する事とし、その取引により生じた収益及び流動性の改善を期待
・また仲裁裁判所は、スズキ株式会社がフォルクスワーゲンAGとの契約に基づく義務を全うしなかったと断定し、フォルクスワーゲンAGには、損害賠償を求める権利があることを認めた
ウォルフスブルグ、2015年8月30日−ロンドンに置かれた仲裁裁判所は、フォルクスワーゲンAGとスズキ株式会社間の係争に対する判決を言い渡した。これをもって両社間の協業は終結する事となった。仲裁裁判所はフォルクスワーゲンAGが協業契約上の義務を果たしたとの判断を下し、同時にスズキ株式会社が規定に沿った通達に基づき契約を解除したことを認めた。その為、フォルクスワーゲンAGは、現在所有するスズキ株式会社の株式19.9%を売却する。当社はその取引により生じた収益及び流動性の改善を期待する。仲裁裁判所はさらに、スズキ株式会社がフォルクスワーゲン社との間に締結した契約に対して、その義務を全うしなかったと断定し、フォルクスワーゲンAGに損害賠償を求める権利があることを認めた。
フォルクスワーゲンAGは、日曜日に以下のコメントを発表した。「当社は、この判決により状況が明確になった事を歓迎しています。仲裁裁判所は、スズキ株式会社による、当社への契約違反の訴えを棄却し、フォルクスワーゲンAGが契約上の義務を果たしたと認定した。しかし仲裁裁判所は、スズキ株式会社が規定に沿った通達に基づき、協業契約を解除したことは合法であり、フォルクスワーゲンAGは所有している株式を売却しなければならないと判断した。この判決は、契約は規定に沿った通達に基づき解除可能であるという原則に基づくものである。フォルクスワーゲンAGは、収益及び流動性の改善を期待している。」
さらに仲裁裁判所は、スズキ株式会社による契約違反を認めた。スズキ株式会社は2010年末・2011年初頭に当時進行中だった協業プロジェクトを突如中止し、またフォルクスワーゲンAGに対して、ディーゼルエンジン供給に関する「最終交渉権(Last−Call Rights)」の行使を認めなかった。フォルクスワーゲンAGは、スズキ株式会社に対して損害賠償を請求する権利を留保する。
フォルクスワーゲンAGとスズキ株式会社は、2009年12月に革新的かつ環境技術を駆使した小型車の開発と、急伸している新興国の自動車市場におけるシェア拡大を目的に、協力する事で合意した。この戦略提携が合意されたと同時に、フォルクスワーゲンAGはスズキ株式会社の19.9%の発行済み株式を取得した。一方、スズキ株式会社も当社の普通株式を1.5%取得した。2011年11月にスズキ株式会社は、ロンドンで国際仲裁裁判所に提訴した。