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富士経済、エネルギーマネジメントシステム(EMS)の国内市場調査結果を発表

2015-08-26

電力とガスの完全自由化で大きな変革の時期を迎える
エネルギーマネジメントシステム(EMS)の国内市場を調査
2020年予測(2014年比)―
家庭向けエネルギーマネジメント関連市場 955億円(86.2%増)
・・・市場の中心は電力スマートメーター、核となるHEMSは活用の幅広がる


 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03−3664−5811)は、電力とガスの完全自由化で大きな変革の時期を迎えたエネルギーマネジメントシステム(EMS)の国内市場を調査した。
 その結果を報告書「2015 エネルギーマネジメントシステム関連市場実態総調査」にまとめた。


<注目市場>
■家庭向けエネルギーマネジメント関連市場

 2014年:513億円
 2020年予測:955億円
 14年比:186.2%

 電力スマートメーター、ガススマートメーター、スマート電源タップ/コンセント、電力計測機能付住宅用分電盤、ECHONET Lite対応機器、HEMS、家庭向け省エネサービスを対象とする。なお、上記の数値に含まれないが、関連市場としてはMEMSやマンション高圧一括受電サービスがある。

 市場の中心は電力スマートメーターであり、一般電気事業者の本格導入により急伸している。2016年には1,000億円規模に達するが、以降は緩やかに縮小し、2020年で600億円弱が予測される。
 この他、家庭向けエネルギーマネジメントの核となるHEMSは、太陽光発電システムや蓄電システムのモニタリングツールとして、またはスマートハウス/ZEHをコンセプトとした新築戸建の高付加価値住宅で主に採用される。一方で、マンション高圧一括受電サービスを導入する新築集合住宅を中心に、電力スマートメーターをベースとしたクラウドサービスによるHEMS/MEMSの構築も行われている。今後は電力小売完全自由化により、家庭向けでも電力小売サービスにHEMSを活用した省エネ・デマンドレスポンスサービス、さらには生活支援サービスなどがセットで提案され、HEMSの活用の幅が広がるとみられる。

 なお、市場は電力スマートメーターにけん引されるかたちで拡大し、2016年には1,200億円超が予測される。以降も他の機器やシステムの導入が進むが、電力スマートメーターのマイナスを補うまでには至らず、2020年には955億円が予測される。


■業務・産業向けエネルギーマネジメント関連市場

 2014年:1,009億円
 2020年予測:1,168億円
 14年比:115.8%

 見える化ツール、デマンドコントローラ、スマート電源タップ/コンセント、流量計、積算熱量計、BEMS、FEMS、REMS(店舗向けEMS)、電力需給調整システム、業務・産業向け省エネサービスを対象とする。なお、上記の数値に含まれないが、関連市場としてはデマンドレスポンスサービス(業務・産業向け)がある。

 市場の中心はBEMSである。大規模施設向けではリプレース需要が主体の中、2020年の東京五輪開催に伴う再開発で首都圏での需要が高まるとみられる。また、中小規模施設向けではBEMSアグリゲータ事業の終了により市場は伸び悩んでいるが、BEMS自体の認知度向上もあり、安価なイニシャルコストと運用改善サービスをベースとして明確な電気料金削減プランを提示する事業者を中心に需要を獲得しており、今後市場が広がっていくとみられる。
 BEMSと同じく業務・産業向けエネルギーマネジメントの核となるのはFEMSやREMSである。FEMSは微増にとどまるが、REMSは電力小売完全自由化によって電力小売サービスとのセット提案による市場拡大が期待される。しかし小規模店舗は管理設備が少なく費用対効果(導入による省エネ効果)が低くなるため、コンサルティングをベースとしたエネルギー運用改善サービスや安価なイニシャルコストなど小規模店舗向けのシステムやサービスが必要になるとみられる。


<調査結果の概要>
■エネルギーマネジメント関連市場

 *表資料は添付の関連資料を参照

 エネルギーマネジメント関連市場は、東日本大震災に端を発した節電ニーズの高まりや、非常時におけるエネルギーインフラ遮断を想定したBCP対策の取り組みによって、徐々に普及が進んでいる。政府もZEH、ZEBなど建築物の省エネ性能向上支援や、電力の需給調整を需要家側で行うための手段としてエネルギーマネジメントシステムを活用することを想定し、導入支援施策や実証試験などのバックアップの強化を行っている。

 市場は、依然として導入補助を中心とした政府による支援施策に左右されるものの、2016年度の電力小売完全自由化をはじめとした電力システム改革が進むことで、

 1)電力小売事業との連携
 2)分散型創エネ・蓄エネ機器の市場拡大による需給調整ニーズの高まり
 3)ビッグデータ・IoTの活用によるEMSの機能多様化
をキーワードとして、エネルギーマネジメント関連市場の拡大が予想される。


1) 電力小売事業との連携 ―EMSが電力小売サービスの差別化策に
 すでに自由化されている高圧分野(業務・産業施設、高圧一括受電マンション)では、電力小売サービスとEMSのセット提案が行われている。将来的には、完全自由化により低圧需要家を含めた全需要家へのセット提案が可能となる。
電力小売サービスとEMSを結びつけることで、エネルギー利用における運用改善コンサルティング、デマンドレスポンスなどの電気料金低減につながるサービスが展開され、EMSが電力小売サービスの差別化策となる。

2) 分散型創エネ・蓄エネ機器の市場拡大による需給調整ニーズの高まり ―EMSを介して外部からの制御も
 現状では、ピークカット・ピークシフト対策として、創エネ・蓄エネ機器をEMSがモニタリングし、各需要家内で制御をしているが、将来的には、CEMS(Community/Cluster EMS)によりEMSを介して需要家の創エネ・蓄エネ機器を外部から制御し、需給調整をすることも可能となる。
 特に新電力事業者は一般電気事業者よりも電力の供給量が限られるなどの要因から、需要家側での需給調整の重要性が高い。必要な電力を全て供給するのではなく、EMSによる電力消費量の抑制に加えて、需要家の創エネ・蓄エネ機器からの余剰電力の供給を受け、需給ギャップを解消するなど、これまでのEMSの主な役割であるモニタリングに加え、需給調整システムとして新たな役割を担うこととなる。

3) ビッグデータ・IoTの活用によるEMSの機能多様化 ―業務・産業向けだけでなく、家庭向けでも
 業務・産業向けで、設備管理の省人化を目的にセンサなどで多様な情報を取得する設備制御・保守管理システムなどがEMSに組み込まれ活用されているが、将来的には家庭向けでも、家電遠隔・自動制御、見守りなどの生活支援サービスのプラットフォームとしてEMSが期待される。


<調査対象>

 *添付の関連資料を参照


<調査方法>富士経済専門調査員による参入企業及び関連企業・団体などへのヒアリング及び関連文献調査、社内データベースを併用

<調査期間>2015年4月〜6月


以上


 資料タイトル:「2015 エネルギーマネジメントシステム関連市場実態総調査」
 体裁:A4判 279頁
 価格:
  書籍版 120,000円+税
  PDF版 120,000円+税
  書籍版・PDF版セット 140,000円+税
 調査・編集:
  株式会社 富士経済 大阪マーケティング本部 第三部
  TEL:06−6228−2020 FAX:06−6228−2030
 発行所:株式会社 富士経済
  〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
  TEL:03−3664−5811(代) FAX:03−3661−0165
  e−mail:info@fuji-keizai.co.jp
  この情報はホームページでもご覧いただけます。
  URL:http://www.group.fuji-keizai.co.jp/ https://www.fuji-keizai.co.jp/



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