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日本気象協会、2011年春の花粉飛散予測(第1報)を発表
2011年春の花粉飛散予測(第1報) 〜例年より多く、今年の2〜10倍に〜
一般財団法人日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:松尾道彦)は、2011年春の花粉(スギ・ヒノキ科、北海道はシラカバ)の飛散予測(第1報)を発表します。また、詳細な情報を、「2011年春の花粉総飛散数 予測資料」として販売します。この予測は、全国の今夏の気象条件を基に作成したもので、今後の花芽調査などのデータを基に内容を更新する予定です。今後も日本気象協会の花粉予測に注目いただき、来春の花粉対策に向け、お役立てください。
※以下、リリースの詳細は添付の関連資料を参照
1.予測の概況
(1)全国概況
2011年春のスギ及びヒノキ科花粉(北海道はシラカバ)の総飛散数は、九州から東北地方にかけてのほとんどの地域では例年より多いか例年並でしょう。九州南部と東北地方の一部や北海道では、例年よりやや少ない見込みです。花粉の飛散数が少なかった2010年春に比べると、およそ2〜10倍になると予想され、近畿地方と東海地方では10倍以上になる所がある見込みです。
花粉の飛散数は夏の気象条件が大きく影響し、一般に猛暑の夏は花芽が多く形成され、翌春の花粉の飛散数は多くなります。また、花粉の飛散が少ない年の翌春は飛散数が多くなる傾向があります。
2010年の夏は記録的な猛暑となり、九州から北海道にかけての気温は平年よりかなり高くなりました。また、ほとんどの地域では日照時間は平年並みか平年より多く、降水量は平年並みか平年より少なくなり、花芽が多く形成される条件になりました。一方、九州南部は日照時間が平年よりかなり少なく降水量はかなり多くなり、近畿地方と北海道は降水量が平年より多くなりました。
これらのことから、2011年春の花粉の飛散数は、ほとんどの地域で例年より多いか例年並ですが、九州南部と東北地方の一部や北海道は例年よりやや少なくなる見込みです。なお、例年とは前年までの10年間の平均値としています。今回の予測では2001〜2010年の10年間の平均値になりますが、日本気象協会がおよそ15年間継続的に実施している花粉飛散数の観測によると、例年値は年々増加する傾向が見られます。花粉の飛散数は年々の変動を繰り返しながら、多くなってきています。
また、2011年春の花粉の飛散数は、2010年に比べるとおよそ2〜10倍になると予想します。これは、2010年春の花粉飛散数は、その前年夏の日照不足と多雨などが影響し、ほぼ全国的に例年より非常に少なく、ほとんどの地域で過去10年間の10〜50%になったためです。
ただし、過去に猛暑の翌年で花粉が大量に飛散した2005年に比べると、およそ50〜90%と少なくなる見込みです。これは、2010年の夏は2004年の夏に比べ日射量が少なかったことに加え、気温が高すぎて花芽の形成が抑えられることなどが考えられるためです。