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鹿島、山岳トンネルの変位を計測できる「3Dマッチ」を三遠南信小嵐トンネルに適用
山岳トンネルの変位を面的に計測できる「3Dマッチ(R)」を三遠南信小嵐トンネルに初適用
3Dレーザースキャナと画像処理技術で精度よく切羽の変位を計測
鹿島(社長:押味至一)は、3Dレーザースキャナと画像処理技術を用いて山岳トンネルの切羽や壁面の変位を3次元的に計測できる「3Dマッチ(R)」を、株式会社ソーキ(社長:都志直博 大阪市西区)と共同で2013年に開発しましたが、このほど、三遠南信小嵐トンネル調査坑工事(長野県飯田市)において初めて実現場に適用しました。
三遠南信小嵐トンネル調査坑工事は、掘削中に複数の断層破砕帯の出現が予想されたことから3Dマッチを適用し、切羽及び壁面の変位を高精度かつ面的に把握できることを確認しました。
※参考画像は添付の関連資料「参考画像1」を参照
【3Dマッチについて】
山岳トンネルでは、切羽周辺の地山の変位を監視することが安全及び品質管理上、非常に重要です。しかし、従来技術では、トンネル壁面の任意の点が時間経過とともにどのように変位したのかを捉えることは困難でした。そこで、鹿島とソーキは、3Dレーザースキャナと画像処理技術(テンプレートマッチング)を組み合わせて、任意の点を精度よく追跡することができる「3Dマッチ」を開発しました。
3Dマッチでは、3Dレーザースキャナで取得した測定結果を用いて、変形前後の測定結果でトンネル壁面の微細な凹凸のパターンを探し出し、マッチングすることで、無数の任意点が当初の位置からどのくらい変位しているのかを面的に、かつ、精度よく把握することが可能になりました。
(参考)3Dレーザースキャナ変位計測システム「3Dマッチ」を開発(2013年10月31日プレスリリース)
http://www.kajima.co.jp/news/press/201310/31c1-j.htm
※参考画像は添付の関連資料「参考画像2」を参照
【三遠南信小嵐トンネルでの3Dマッチの適用について】
三遠南信小嵐トンネル調査坑は、長野県と静岡県の県境に位置し、(仮称)青崩トンネル本坑の建設に先行して行われている、避難坑掘削兼断層破砕帯等地質調査のためのデータ取得を目的とした工事であり、鹿島は長野県側の1,544mを担当しています。トンネルルートは中央構造線に近接かつ並行しており、また、中央構造線に斜行する断層破砕帯や亀裂密集帯が確認されていたため、掘削時には断層等に起因する大変位や局所変位の発生が予想されました。そのため、施工中には詳細な観測を実施し、トンネル挙動を正確に捉えることが極めて重要でした。
そこで、同トンネルに3Dマッチを適用したところ、切羽及び周辺壁面の変位が高精度かつ面的に捉えられることを確認しました。
※参考画像は添付の関連資料「参考画像3」を参照
【今後の展開】
今回、三遠南信小嵐トンネル調査坑工事に3Dマッチを適用し、切羽周辺の変位を高精度に把握することができたことから、同トンネルでは、今後も3Dマッチを継続的に使用し、トンネルの安全および品質を確保しながら工事を行っていきます。
また、鹿島では、今後、大きな土被りや断層などの影響で大きな変位が予想される長大な山岳トンネルにこの3Dマッチを適用し、更なる安全性及び品質の向上を目指していきます。
【工事概要】
工事名:平成25年度三遠南信小嵐トンネル調査坑工事
発注者:国土交通省中部地方整備局
施工者:鹿島建設株式会社
工事場所:長野県飯田市南信濃八重河内
工期:2014年1月〜2017年3月
工事概要:
工事延長L=1,810m(トンネル延長1,544m)
トンネル工一式、道路改良一式
※参考画像は添付の関連資料「参考画像4」を参照