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理研ビタミン、クロセチンが肌の色素沈着(シミ)の改善に寄与することを確認

2015-08-01

クロセチンが肌の色素沈着(シミ)の改善に寄与することを確認
〜第33回日本美容皮膚科学会総会・学術大会
(2015年7月25日〜26日大阪国際会議場)で発表〜


 理研ビタミン株式会社は、東京工科大学応用生物学部先端化粧品コース美科学研究室前田憲寿教授との共同研究で、クチナシの果実から抽出したクロセチン(※1)が、肌のシミを改善する作用を示すことを、培養細胞を用いた試験ならびに成人女性を対象とした試験において確認しました。
 本研究成果を、2015年7月25日〜26日に大阪国際会議場にて開催された日本美容皮膚科学会総会・学術大会にて発表しました。


<研究の背景と目的>
 紫外線に曝されることが多い顔や手では、加齢とともに局部的な色素沈着(シミ)が生じます。色素沈着の要因となるメラニンは、メラニン細胞(メラノサイト)にて産生され、皮膚の角化細胞(ケラチノサイト)へと送られます。肌に分布したメラニンは紫外線から肌を守る役割がある一方、異常な色素沈着は、肌に関する悩みの一つとなっており、その対策が望まれています。
 本研究では、クロセチンの摂取が肌のシミに与える影響を調べるため、成人女性を対象とした試験を行いました。また、培養細胞を用いてその作用機序について検証しました。


<実験〔1〕>
 健常な成人女性44名を対象とし、摂取期間を2ヶ月とする前後比較試験を実施しました。試験食(クロセチンを含む飲料)の摂取が肌のシミに与える影響を、ロボスキンアナライザー(肌の画像診断装置)用いて評価したところ、クロセチンの摂取により、有意にシミの面積が減少しました(図1)。

 ・図1は添付の関連資料を参照


<実験〔2〕>
 ヒト表皮角化細胞・メラニン細胞共培養系を用いて、メラニン生成活性に対するクロセチンの影響を調べました。その結果、クロセチンはメラニンの生成を抑制しました。また、メラノサイト刺激ホルモン(MSH)の受容体であるメラノコルチン1レセプター(MC1R)のmRNA発現を抑制しました(図2)。

 ・図2は添付の関連資料を参照


<実験〔3〕>
 ヒト3次元表皮モデルを用いて、皮膚モデルの色の評価ならびにメラニン生成に関わるタンパク質のmRNA発現について調べました。培養液中へのクロセチンの添加により、皮膚モデルの黒色化(色素沈着)が抑制されました(図3)。また、MC1Rの発現抑制に加え、メラニン合成酵素の一つであるチロシナーゼ関連タンパク質−1(TRP−1)の発現が抑制されました(図4)。

 ・図3・4は添付の関連資料を参照

 本研究の結果より、クロセチンはメラノサイト刺激ホルモン(MSH)の受容体であるメラノコルチン1レセプター(MC1R)の発現を低下させ、MSHのメラノサイトへの作用を阻害し、チロシナーゼ関連タンパク質−1(TRP−1)の生合成を抑制することでシミの原因となるメラニンの合成を抑えることが明らかとなりました。

 理研ビタミン株式会社は、今後とも天然物の有効利用について研究を進め、食を通じてお客様に健康と豊かな食生活を提供してまいります。


【用語の説明】
 (※1)クロセチン
  クチナシの果実に含まれる色素成分。β−カロテンの仲間でカロテノイドの一種。クチナシ黄色素の主成分であり、様々な食品の色付けに利用される。健康の維持・増進に役立つ食品成分としても注目されており、様々な研究が行われている。



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