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JTB、「JTB REPORT 2015 日本人海外旅行のすべて」を発行
2014年の海外旅行マーケットの実態
『JTB REPORT 2015 日本人海外旅行のすべて』を発行
●2014年の日本人海外旅行者数は1,690万人(前年比 3.3%減)
・旅行者の減少要因は、主に「円安」や「中国、韓国方面への旅行者減」
・年代別出国率では、若年女性が他世代に比較して大きく減少
・個人旅行の割合が初めて50%を超える
●訪日外国人旅行者数が日本人の海外旅行者数に迫る
・2015年1年間の旅行者数では訪日外国人旅行者数が日本人の海外旅行者数を上回る可能性が期待される状況に
※参考画像は添付の関連資料を参照
JTBは、2014年の日本人海外旅行マーケットの実態をまとめた「JTB REPORT 2015 日本人海外旅行のすべて」を発行しました。
1988年以来、今年で28回目の発行となるこのレポートは、独自のアンケート調査や各関係機関の統計資料に基づき、株式会社JTB総合研究所(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長 日比野 健)が海外旅行マーケットの動向、構造を分析し、編集・発行したものです。7月29日(水)よりJTB総合研究所のホームページで販売します。
今回のレポートの概要は以下の通りです。
1.旅行意欲は堅調も、円安、燃油サーチャージ高などに勢いが削がれる
観光庁が取りまとめている主要旅行業者の取扱状況は2014年を通じて国内旅行を中心に堅調に推移した。旅行需要全体に対する2014年4月の消費税率引き上げの影響は小さくなかったとみられるものの消費者の旅行に対する支出意欲は底堅かったといえるだろう。
一方、海外旅行は旅行者数では前年比 3.3%減、主要旅行会社の取扱額ではほぼ前年並みとなった。海外旅行の需要が国内旅行に比べ低調だった理由は2014年半ば以降に円安が一層進んだことや燃油サーチャージが年間を通じて高止まりしていたことなど、海外旅行に特有の要因が大きく影響した結果ではないかと考えられる。
なお海外旅行の代金には消費税はかからないが、円安や国際観光需要の成長などによる現地のホテル代等の上昇傾向があるため、2014年の海外旅行単価には上昇圧力がかかっていたと考えられる。
※グラフ資料は添付の関連資料「グラフ資料1」を参照
2.旅行コストの上昇が若年女性層のマインドを直撃
2014年1年間における性・年代別の出国率(旅行者数を人口で割った比率)を前の年と比較すると20代後半の女性の出国率が目立って下がっていることがわかる。テロや災害、感染症など、海外旅行に行くことに対して漠然とした不安感をもたらす心理的要素の影響力は相対的にシニア層で強く、円安、燃油サーチャージなどの経済的要素の影響力は若年層で強いという傾向がある。このデータは、不安心理より現実的なコストの問題がより大きかったことを示唆している。
2014年はエボラ出血熱やテロに対する不安などの影響でヨーロッパなどへの旅行者数が減少した。ヨーロッパ方面に関しては経済的要素よりも不安心理の方が強かったと推測されるが、その影響力は特定の方面に限定されていた。
※グラフ資料は添付の関連資料「グラフ資料2」を参照
3.海外旅行者数に迫りつつあるインバウンド旅行者数
海外旅行者数(アウトバウンド)は2013年、14年と2年続けて前年割れとなった一方、日本への外国人旅行者数(インバウンド)は2年連続で前年比2桁の伸びとなった。外国人旅行者が日本国内で消費した金額から日本人旅行者が海外で消費した金額を差し引いた国際旅行収支の赤字は長年数兆円規模であったが、2014年には700億円まで縮小し、2015年には黒字化するものと予想される。同様に年間の旅行者数についてもインバウンドがアウトバウンドを上回る可能性が期待される状況となってきた。
※グラフ資料は添付の関連資料「グラフ資料3」を参照
4.個人旅行の割合が初めて50%を超える
JTBが毎年実施している「海外旅行実態調査」によれば、2014年は観光目的の旅行における個人旅行の割合が56.5%とはじめて50%を超えたと推定される。消費財だけでなく、旅行商品においてもオンライン予約が一般的になってきたことが個人旅行比率の急上昇を可能にしたと考えられ、また、パッケージ比率の高いヨーロッパ方面の旅行の減少も影響していると思われる。
5.今後の見通し
国内旅行を含む旅行マーケット全体の需要は、名目賃金の上昇などの経済的環境も手伝って好調に推移しているものと推測される。旅行意欲は引き続き堅調で2016年にかけても、この基調が大きく変わるとは考えにくい。そのうえで、中韓方面の状況や円安、航空機の座席供給数などの推移が今後の需要に大きく影響すると予想される。
『JTB REPORT 2015 日本人海外旅行のすべて』
監修:株式会社ジェイティービー
編集・発行・販売:
株式会社JTB総合研究所
〒101−0044 東京都千代田区鍛治町2−6−2 上野ビルディング8階
TEL:03−3525−4550
FAX:03−3525−4565
定価:12,960円(本体 12,000円)