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大和総研、「復興基金」と「復興連帯税」の創設を提言

2011-03-25

未曾有の大震災からの復興へ
「復興基金」と「復興連帯税」の創設を提言する



1.被災者救済とともに復興への準備を
 3月11日、日本はマグニチュード9.0という未曾有の大地震(東北地方太平洋沖地震)に襲われた。この結果、東北・関東地方の沿岸部は津波による壊滅的な打撃を受け、死者は1万人を超えると予想されている。未だ余震が続き、現時点では人命救助と被災者の当面の避難生活を支えること、二次被害を防止することを最優先にすべきであろう。政府のリーダーシップのもと、民間も最大限の協力を行うことによってこの困難を乗り越えなければならない。
 まずは、緊急措置としての補正予算が早急に必要である。この財源は歳出の振替えや削減によるべきであるが、補正規模によっては国債発行もやむを得ない。ただし、今後、被災者の生活を安定させ、被災地域の復興を図っていくための計画全体については、必要な財源を確保するべきである。日本の財政は極めて厳しい状況にあり、日本国債の格下げや財政破たんを招かないよう、一定の国民負担を求める必要がある。復興計画のための新規立法を行い、必要な予算を計上していくに際し、財政赤字が構造的に拡大することは避けなければならない。
 被災地域の復興は、日本全体のサポートを前提に、地元自治体が主体となり、段階的かつ戦略的に行っていく必要がある。当面のライフライン公共施設、住宅などの生活インフラに加え、寸断された幹線道路や鉄道、機能を損なった農地、港湾、空港、橋梁など産業インフラの復興が、被災地が立ち直るために必須である。また、今回の震災ではあたかも地域社会のすべてが喪失したかのような、いわば社会の崩壊を伴っている地域もあることから、生活保障・雇用対策としての費用が大きくなる可能性があるだろう。
 さらに、被災地域では地域金融機関の機能不全や不安定化が、新たな問題を引き起こすことも懸念され、金融システム維持のためのコストも想定しておく必要がある。さらに、いまだ帰趨ははっきりしないが、原子力発電所の事故に伴う損害賠償費用まで視野に入れれば、政府に求められる財政負担は多額にのぼる可能性がある。
 現時点において必要となる財政資金の規模を見極めることは困難であるが、阪神・淡路大震災のときの被害額はGDPの約2%であり、兵庫県と今回被害が大きかった東北3県(岩手・宮城・福島)の生産規模がほぼ同じであること、東北3県の国富が約57兆円であることなどから勘案すると、今回の震災による直接被害額は10兆円を上回ることになるだろう。今回は、被災した面積が著しく広く、死亡者数も格段に大きい。津波被害が大きく、原子力発電所の事故が絡んでいるという特殊性に鑑みると、さしあたっては20兆円程度、さらにはこれを上回ることも見込んでおくべきではないか。



※以下、リリースの詳細は添付の関連資料「オリジナルリリース」を参照


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