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日清オイリオグループ、中鎖脂肪酸がアルツハイマー型認知症者のQOLの改善に貢献
第16回日本認知症ケア学会大会での発表内容について
中鎖脂肪酸がアルツハイマー型認知症における
クオリティー・オブ・ライフ(QOL)の改善に貢献
日清オイリオグループ株式会社(社長:今村隆郎(◇))は、2015年5月23日(土)〜24日(日)に開催された第16回日本認知症ケア学会大会(於:札幌市)において、中鎖脂肪酸の新たな研究成果として、アルツハイマー型認知症者の症状改善および介護者の負担感軽減を含めたクオリティー・オブ・ライフ(QOL)の改善に関する症例報告2件と、関連報告1件を発表しました。
◇社長名の正式表記は添付の関連資料を参照
【症例報告の概要】
次の2つの症例報告から、アルツハイマー型認知症者における中鎖脂肪酸の摂取は、本人の認知機能、周辺症状(BPSD)の改善と、介護者のQOLの向上などに有効であると示唆されました。
(1)クリニックに通うアルツハイマー型認知症の80代男性1名の改善症例。
約10gの中鎖脂肪酸摂取を継続したところ、開始2週間以降、もの盗られ妄想、疲れやすさ、実行・記憶機能などに改善が見られました。(詳細は別紙参照)
(2)若年性認知症者向けデイサービスに通う60代男性9名の症例。
中鎖脂肪酸を半年間、毎日20g摂取したところ、9名中7名のアルツハイマー型認知症者に症状の改善が見られました。その内容は、記憶などの中核症状に加え、不安やうつなどの周辺症状(BPSD)、日常生活動作など多岐にわたりました。また、9名中4名のご家族が介護負担感の軽減を実感しました。
(詳細は別紙参照)
<今後の方針>
認知症に関わる中鎖脂肪酸の健康機能については、引き続き症例を積み上げてその信頼性を高め、また、比較対照研究によりその有効性を明確にする臨床研究を進めていきたいと考えています。
【関連報告の概要】画像解析技術を利用した認知症者の表情変化の客観評価方法
画像解析技術を利用した表情分析方法を用いて、デイサービスに通う若年性認知症者を対象に笑顔の頻度を数値化するという当社独自の分析をしたところ、体調やレクリエーション内容の違いにより、その頻度が異なることを客観的に確認できました。
<今後の方針>
今回の報告は、認知症者のQOLの改善を“笑顔”から評価する試みで、将来、認知症者と介護者との意思疎通の支援およびケアの質向上につながる技術と考えています。今後もさらなる検討を進めていきます。
【別紙】症例報告の詳細
・添付の関連資料を参照
本発表は、5月23日(土)に同学会大会の「ホテルさっぽろ芸文館」会場でポスター発表したものです。
ポスター発表とは、研究の概要をまとめた大判のポスターの前で行うプレゼンテーションの形式です。
通常の発表と異なり、1つの会場内で、同時に多数の発表が行われます。