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日立化成、沖縄県波照間島に電力系統安定化装置向け新型鉛蓄電池を納入
沖縄県波照間島の電力系統安定化装置向けに新型鉛蓄電池「LL1500−WS」を納入
−再生可能エネルギー導入促進に貢献−
日立化成株式会社(本社:東京、執行役社長:田中 一行、以下、日立化成)は、再生可能エネルギー用蓄電システム向けの新型鉛蓄電池「LL1500−WS」(*1)を、富士電機株式会社(本社:東京、代表取締役社長:北澤 通宏、以下、富士電機)より受注し、このたび沖縄県波照間島で利用する電力系統安定化装置の実運用案件として初めて納入しました。2015年2月には蓄電池の設置が完了し、運転を開始しています。
*1 2014年9月2日にニュースリリース発行。
http://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/information/2014/n_140902.html
本土と電力系統が連系されていない離島においては、高コストのディーゼル発電に依存しており、二酸化炭素による環境への影響が心配されるうえ、小規模な電力系統と天候に左右されやすく、出力が不安定な再生可能エネルギーのシステムを接続すると電力系統全体が不安定化します。そのため、環境省では、「離島の再エネ・減エネ加速化事業」と称し、離島における再生可能エネルギーや省エネルギーの事業計画策定や設備導入に対する補助事業を進めています。
沖縄電力株式会社(本店:沖縄、代表取締役社長:大嶺 滿、以下、沖縄電力)は、こうした環境省の事業を活用しながら、離島への設備導入を進めており、波照間島では、ディーゼル発電機4台(合計850kW(キロワット))と可倒式風車2台(合計490kW)が稼働しています。
日立化成は、電力系統安定化装置に使用する鉛蓄電池を、沖縄電力が電力を供給する与那国島に納入していますが、このたび風力発電を行っている波照間島における大きな出力変動に対応するため、波照間島の電力系統安定化装置に鉛蓄電池「LL1500−WS」を初めて納入しました。本装置では、富士電機製の600kVA(キロボルトアンペア)交直変換装置(PCS)とともに、鉛蓄電池250個を直列に接続したものを2個並列に接続した電池(蓄電池容量1500kWh(キロワット時))が使用されています。この電力系統安定化装置の導入により、再生可能エネルギー発電時の出力を安定化させ、既存のディーゼル発電機と並行して運用することにより使用する化石燃料を減らし、地球温暖化対策に貢献します。
・参考画像は添付の関連資料「参考画像1・2」を参照
波照間島に設置された鉛蓄電池「LL1500−WS」(奥のコンテナ2つに収納)
日立化成は、日本国内外での再生可能エネルギー普及を促進するために、電力系統安定化装置向けの鉛蓄電池について、今後も、性能・品質・導入コスト面でより魅力的な新製品の開発を続けていくことで、低炭素社会実現に貢献してまいります。
■鉛蓄電池「LL1500−WS」について
【特長】
〔1〕従来型鉛蓄電池「LL1500−W」の1.5倍の高率充放電タイプです。
「LL1500−WS」:最大放電電流0.6CA(*2)、最大充電電流0.3CA
※「LL1500−W」:最大放電電流0.4CA、最大充電電流0.2CA
〔2〕本製品の期待寿命(*3)は、従来型鉛蓄電池「LL1500−W」と同様、17年です。
(放電深度(*4)70%にて充放電を4500サイクル、25℃環境下での使用期間17年)
*2 CAとは、電池の放電(充電)特性を示す単位のこと。C=電池の定格容量、A=電流値。
*3 期待寿命とは、一定環境下でのベンチ試験における寿命のこと。
*4 放電深度とは、蓄電池の放電容量に対する放電量の比のこと。例えば、容量1000mAhの電池を700mAhで放電したとすると、その放電震度は70%となる。
【効果(*5)】
・1MW(メガワット)で1時間放電するシステムの場合、従来品(「LL1500−W」)比で蓄電池容量は約12%、蓄電池の設置スペースは約16%、蓄電池質量は約15%の低減が可能。
・1MWで0.5時間放電するシステムの場合、従来品比で蓄電池容量は約28%、蓄電池の設置スペースは約28%、蓄電池質量は約31%の低減が可能。
*5 仕様や導入の条件等により、効果は異なる場合あり。
■一般的なシステムのイメージ
・参考資料は添付の関連資料を参照
以上