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サムソンと東京ガスなど、高性能ガス焚き簡易貫流蒸気ボイラーを共同開発
高性能ガス焚き簡易貫流蒸気ボイラ『エコボーイ(EB−120N)』を共同開発
〜出力を3段階で調整する三位置制御でボイラ運転効率を5.5%向上〜
株式会社サムソン(社長:吉岡龍示、以下「サムソン」)、東京ガス株式会社(社長:広瀬道明、以下「東京ガス」)、大阪ガス株式会社(社長:本荘武宏、以下「大阪ガス」)、および東邦ガス株式会社(社長:安井香一、以下「東邦ガス」)は、燃焼三位置制御方式を採用することでボイラ運転効率の大幅な向上を実現した『ガス焚き簡易貫流蒸気ボイラ(※1)EB−120N(換算蒸発量(※2)120kg/h)』(以下、「本製品(※3)」)を共同で開発しました。各社は、本製品を2015年8月から提案し、サムソンが販売します。
簡易貫流ボイラは、小型軽量で運転資格が不要という特長があり、小規模業務用店舗から工場まで幅広い分野で利用されています。
本製品は、燃焼三位置制御方式(出力を100%、50%、0%の3段階で制御することにより蒸気発生量を調整する方式)を、換算蒸発量120kg/hの機器としては日本で初めて採用しました。一般的な換算蒸発量200kg/h以下の簡易ボイラは、出力を100%と0%(停止)の2段階で制御する方式(ON/OFF制御方式)が採用されており、蒸気の使用量が少ない時、ON/OFFを繰り返して蒸気量を調整します。その際、再起動(ON)時に安全のためにボイラの炉内を換気する必要があり、同時に熱がボイラ外に排出されるため、熱損失が発生します。本製品では、出力を100%、50%、0%の3段階で制御する燃焼三位置制御方式を採用することで、ON/OFFの頻度が低減し、従来機に比べてボイラ運転効率が5.5%向上(※4)しました。
また、お客さまの蒸気の使用状況に応じて3段階の出力で蒸気量を調整できるため、蒸気の質(乾き度(※5)や蒸気圧)が安定しました。50%出力時には100%出力時に比べて送風機のモータの回転数を減少させることができるため、静音性も向上しています。さらに、本製品の外形寸法は、換算蒸発量120kg/hの機器では業界最小であった従来機と同寸であり、既設ボイラの更新にも容易に対応できます。
各社は、小規模店舗で蒸気を大量に必要とするクリーニング店や食品工場など幅広いお客さまに、本製品を提案していきます。
※1:貫流ボイラは、管によって構成され一端から給水し、他端から蒸気として送り出す方式のボイラ。蒸気ボイラの中では、小型軽量で保有水が少ないため短時間で起動できる。また、貫流ボイラは最高使用圧力、伝熱面積などにより、ボイラ、小型ボイラ、簡易ボイラに区分される。簡易ボイラはその中で最も規模が小さく、取扱い資格は不要である。
※2:ボイラの能力を表す指標。100℃の水を100℃の蒸気に変える場合の蒸気量。
※3:本製品は、ガス焚き簡易貫流ボイラ「エコボーイ」シリーズ(換算蒸発量120〜500kg/hのEB−120N、160N、250N、350N、500N)のラインナップの中で、最も容量が小さい機種となる。
※4:蒸気負荷50%の場合。
※5:蒸気の気相分と液相分の重量割合のことで、以下の式で表される。
乾き度=(気相分の重量)÷(気相分と液相分の合算重量)
*以下の資料は添付の関連資料「参考資料」を参照
・(1)本製品の外観
・(2)操作パネル
・(3)仕様