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大塚製薬、欧州でADPKD治療薬「JINARC(ジンアーク)」の販売承認を取得
【医薬品】欧州の販売承認のお知らせ
大塚製薬創製「JINARC」(ジンアーク)
欧州初となるADPKD治療薬の販売承認を取得
・「JINARC」(海外製品名:ジンアーク、一般名:「トルバプタン」)は大塚製薬が独自に開発した薬で、ADPKD(常染色体優性多発性のう胞腎)の治療薬として欧州で初の承認。
2014年3月に日本で、2015年2月にカナダで承認された
・3年間の国際共同フェーズ3試験において、「トルバプタン」はプラセボと比較して腎臓の総容積の年間増加率を約半分(49%)に有意に抑制し、腎機能の低下を30%有意に抑制した(3)
・ADPKDは慢性進行性の遺伝性疾患で、のう胞が増殖・増大して腎臓が大きくなり、慢性や急性の疼痛、高血圧、腎不全などの合併症が現れ(1)、最終的に透析や腎移植が必要になる(2)。欧州には約20万人の患者さんがいると推計される(4,5)
大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:樋口達夫、以下「大塚製薬」)は、「トルバプタン」(製品名:海外「ジンアーク(JINARC(R))」、日本「サムスカ(R)」)が常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)の成人患者さんの治療薬として欧州で初めて欧州委員会(EC)から販売承認を取得しました(5月27日付)のでお知らせします。
「トルバプタン」は、慢性腎疾患ステージ1からステージ3で病態の進行が速いADPKDの患者さんが適応となります。なお、「トルバプタン」による治療は、ADPKDの専門で「トルバプタン」のリスクと定期的な検査の必要性を十分に理解した医師のもとで行なわれなければなりません。
多発性のう胞腎の専門家であるグローニンゲン大学医療センター(オランダ)のロン・T・ガンズブール教授は「現在まで、この病気に特異的な治療法は存在しませんでした。『トルバプタン』は、ADPKDに対して医学的に大変重要な治療の突破口となります。我々医療従事者は、トルバプタンを用いることにより初めて病気の進行を抑え、腎機能を保持できるようになり、患者さんの生活の質や長期のアウトカムを改善できる可能性もあります」と述べています。
PKDインターナショナル代表のテス・ハリス氏は「進行性で遺伝性というADPKDの性質は、患者さんやそのご家族にとって身体的・精神的負担となっています。この度の承認は、欧州に住んでいる多くの患者さんや介護をする方々にとって大きな前進を意味しており、ADPKDに関係する人々にとって歓迎すべき出来事です」と述べています。
大塚製薬代表取締役社長 樋口達夫は「欧州で初めてADPKD治療薬『ジンアーク』を患者さんにお届けすることができるようになったことは、私たちにとってこの上ない喜びです。この度の承認は、本剤の発見と臨床開発に関わった研究者、医師そして患者さんのご協力と努力の賜物と心より感謝申し上げます」と述べています。
「トルバプタン」は、ADPKD治療薬として2014年3月に世界に先駆け日本で初めて承認され(日本では「サムスカ」)、2015年2月にカナダでも承認されました(カナダでは「ジンアーク」)。今回の欧州における承認を受け、大塚製薬は今後も欧州各国の当局と協力し、ADPKD患者さんが「ジンアーク」を使用できるように努力してまいります。
※リリース詳細は添付の関連資料を参照