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キヤノントッキ、電子デバイス向けスパッタリングシステム「RRシステム」を開発
電子デバイス向けスパッタリングシステム「RRシステム」を開発
膜厚均一性±2.1%と成膜速度2倍の高速化を同時に実現
キヤノントッキ株式会社(本社:新潟県見附市新幸町10−1)は、膜厚均一性を±2.1%へ向上させると同時に成膜速度を2倍に高速化する「RRシステム」を開発しました。
・参考資料は添付の関連資料を参照
RRシステムの概要
RR(Reactive Rotary−cathode、通称 ダブルアール)システムは、従来のスパッタリング装置に複数の小型円筒カソード(※1)を配置し、反応性スパッタリング(※2)技術と融合させた独自の技術で、膜厚均一性の向上や高速成膜、そして高い材料使用効率を実現するシステムです。
同システムを搭載したスパッタリング装置は、従来の円筒カソードと比較して膜厚均一性を±5.1%から±2.1%へ向上させるとともに、成膜速度を2倍まで高めることを実現しました。さらに、プレーナー型カソード(※3)と比較し、材料使用効率を40%から80%へ高めることで、トータルランニングコストの低減を可能としました。
このRRシステムをスパッタリング装置「SPLシリーズ」や「SPSシリーズ」に搭載することで、用途が拡大する電子デバイス業界において、特にSAWデバイス(※4)やFBARデバイス(※5)、実装基板(※6)向けのスパッタリング装置として提案し、お客さまの生産性向上と電子デバイス業界の発展に貢献します。本システムを搭載した装置は、2015年9月に製品化することを目指しています。
なお、これらの装置や技術については、2015年6月3日(水)から6月5日(金)まで東京ビッグサイトで行われる「JPCA Show 2015」のキヤノントッキブースでもご覧いただけます。
・イベント名:JPCA Show 2015
・日時:2015年6月3日(水)〜6月5日(金)
・場所:東京ビッグサイト(東4ホール、キヤノントッキブース:4G−14)
※1 円筒カソード:スパッタリングのターゲット材を円筒形にしたカソード。
※2 反応性スパッタリング:ターゲット材とプロセスガスを反応させるスパッタリング成膜法。
※3 プレーナー型カソード:スパッタリングのターゲット材を平板形にしたカソード。
※4 SAWデバイス:Surface Acoustic Wave(表面弾性波)デバイス。必要な周波数の電気信号を取り出し、不必要な周波数の電気信号をフィルタリングするデバイス。
※5 FBARデバイス:Film Bulk Acoustic Resonator(圧電薄膜共振子)デバイス。シリコンを利用し、送受信間隔が狭い部分に利用され、高周波対応に優れているといった特長があるデバイス。
※6 実装基板:基板上に各種電子デバイスを搭載した回路基板。
●一般の方のお問い合わせ先:
キヤノントッキ株式会社
商品企画部
0258−61−4233(直通)
●キヤノントッキホームページ:
http://www.canon-tokki.co.jp