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アンリツ、高速デジタル基板上の電子部品評価実現のJ1512A 7.5GHzパッシブプローブを販売
MP2100Aシリーズ応用部品拡充
高速デジタル基板上の電子部品の評価を実現
J1512A 7.5GHzパッシブプローブの販売を開始
アンリツ株式会社(社長:橋本 裕一)は、BERTWave MP2100Aシリーズの応用部品を拡充。新たに高速デジタル基板上の電子部品の評価を可能とするJ1512A 7.5GHzパッシブプローブの販売を3月9日から開始いたします。
MP2100Aシリーズは、BER[※1]測定とアイパターン[※2]解析を1台で可能とする計測器です。今回販売を開始するパッシブプローブ[※3]を使用することにより、各種電子部品の信号レベルや波形を高速デジタル基板に搭載した状態で評価できます。
MP2100Aシリーズは、これまで主に光電子部品の製造段階で使用されていましたが、本パッシブプローブの販売開始によりMP2100Aシリーズの用途が広がり、高速デジタル基板の設計・検証、トラブルシュートでも利用できます。
[販売開始の背景]
通信技術の高度化・複雑化にともない、高速デジタル通信機器で用いられる高速デジタル基板の品質確保の重要性はますます高まっています。
アンリツは従来から各種電子部品用計測器としてBERTWave MP2100Aシリーズを提供しています。MP2100Aシリーズは電子部品の性能評価で実施されるBER測定とアイパターン解析を1台で同時に行え、主に製造段階で使用されています。
電子部品の評価は計測器と電子部品を同軸コネクタで接続して行われますが、高速デジタル基板上では、同軸コネクタの接続が困難です。
そこでアンリツは、MP2100Aシリーズの応用部品を拡充。新たに、J1512A 7.5GHzパッシブプローブの販売を開始しました。本パッシブプローブを高速デジタル基板上の電子部品に接触させることで、同軸コネクタを用いることなく信号レベルや波形を観測可能。高速デジタル基板の設計・検証やトラブルシュートで必要とされる測定が行えます。
[製品概要]
J1512A 7.5GHzパッシブプローブは、BERTWave MP2100Aシリーズ用の応用部品です。本パッシブプローブをMP2100Aシリーズに接続し、高速デジタル基板上の電子部品に接触させることにより、信号レベルや波形を観測可能。高速デジタル基板の設計・検証やトラブルシュートで必要とされる測定が行えます。
[主な特長]
■7.5GHzの周波数帯域幅
本パッシブプローブの周波数帯域はDC[※4]〜7.5GHz[※5](代表値)であり、GHz帯の波形を低損失で観測できます。
■0.5pF以下の低入力容量
プローブを用いた波形観測では、パッシブプローブの入力電気容量が高いと実際の波形と観測値が異なるという事象が発生します。本パッシブプローブは0.5pF[※6]以下と低容量であることから、実波形に極めて近似した観測値を得ることができます。
■小型アースリード
本パッシブプローブのアースリードは26.5 mmと極めて短いことに加え、伸縮性に優れています。このため取り扱いが容易であり、測定作業が簡易に行えます。
【BERTWave MP2100Aシリーズ】
MP2100Aシリーズは、各種電子部品の評価で実施されるBER測定とアイパターン解析を1台で可能とする計測器です。研究・開発・製造のさまざまな現場で使用でき、測定時間の短縮、シグナルインテグリティ[※7]の確保に最適です。
BER測定機能のみのMP2101A、アイパターン解析機能のみのMP2102Aもラインアップしており、用途に応じた設備投資が行えます。
[対象市場・用途]
■対象市場:高速デジタル通信機器の開発・製造
■用途:高速デジタル基板の設計検証、トラブルシュート
[営業情報]
■販売開始:平成23年3月9日
■予定販売台数:100本(国内海外計、初年度1年間)
■販売価格:17万円
<参考>
MP2100A BERTWave(BER測定+アイパターン解析):540万円
MP2101A BERTWave PE(BER測定機能のみ):260万円
MP2102A BERTWave SS(アイパーン解析機能のみ):360万円
(上記はいずれも最小構成価格です。)
[用語解説]
※1 BER:Bit Error Rate
ビット誤り率。受信されたデジタルデータのビット列中に含まれる誤りビットの比率。
※2 アイパターン
光信号の伝送部品や伝送経路(光ファイバなど)の品質尺度となる波形。計測器の画面上に何回か波形を重ね合わせて描くと波形が目のように見えることからアイパターンと呼ばれる。得られた波形が同じ位置で重なり合っていれば品質が良いが、波形の位置がずれていた場合は波形品質が悪く、信号が正しく伝送されていないと判断する。
※3 パッシブプローブ
プローブとは、測定ポイントの信号を測定器の入力端子まで忠実に導くための電子部品。
パッシブプローブは、プローブ内にトランジスタや増幅器などが存在しないため、電源が不要であり、オシロスコープ用プローブとして広く用いられている。
※4 DC:Direct Current
DCは直流電流のこと。通信では周波数がゼロであることを示す。
※5 GHz
Hzは周波数の単位。GHzは1秒間に10億回周波数が振動することを意味する。
※6 pF
静電容量を示す単位。pは1兆分の1を表す接頭辞の1つ。
※7 シグナルインテグリティ
信号が伝播する際に生じる波形のひずみなど、信号の品質を指す。
お問い合わせ先
アンリツ株式会社
計測サポートセンター
TEL:0120(827)221
E−mail:MDVPOST@anritsu.com
※ 製品画像は、関連資料参照