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東芝燃料電池システム、山口県で次世代型の純水素型燃料電池システムの実証試験を開始
山口県において次世代型の純水素型燃料電池システムの実証試験を開始
当社は、山口リキッドハイドロジェン株式会社、長府工産株式会社、岩谷産業株式会社と共同で、当社が開発した次世代型の純水素型燃料電池を山口県周南市内の徳山動物園と周南市地方卸売市場に設置し、21日から実証試験を順次開始します。本研究開発・実証試験は、山口県が2014年に公募した「平成26年度 やまぐち産業戦略研究開発等補助金」において採択されたものです。
今回、当社が開発した出力700Wの純水素型燃料電池は、業界トップシェア(注1)を誇る当社製エネファーム(注2)の開発で培った技術を応用し、世界最高水準(注3)の50%超の発電効率を実現しています。また、水素をそのまま燃料とするためCO2を全く発生させずに発電できるほか、1〜2分という短時間で発電を開始することが可能となります(注4)。本実証実験により2017年までに稼働データを収集するとともに運転方法や適用メリットなどを検証し、さらなる効率化を図ります。
本システムを設置する徳山動物園や周南市地方卸売市場では、水素によって発電した電気を、施設の照明や空調などに利用し、発電の際に作られた温水は、動物や野菜の洗浄用シャワーなどに利用される予定です。
東芝グループは、水素社会の実現を加速するため、水素が作るCO2を排出しない持続的で安心安全快適な社会を目指し、今後も水素社会の実現に向けた様々な取り組みを進めていきます。
注1 当社調べ(2014年9月)
注2 現行のエネファームは、都市ガスやLPガスを改質して水素を取り出す方式を採用しています。
注3 当社調べ(2015年3月)
注4 都市ガスなどを利用する従来型のエネファームの場合は、ガスを改質して水素を取り出すプロセスが必要なため、発電開始までに約一時間かかります。
<システムの主な仕様>
燃料:純水素
発電効率:50%超(※)
耐久性:8万時間
起動時間:1〜2分
自立機能:あり
※次年度以降の本開発で、燃料電池ユニットの発電効率を55%まで引き上げ、また、貯湯ユニットの補助ボイラーについては、水素燃料に対応したシステムを開発する予定です。なお、今回納入する実証システムの貯湯ユニットは、株式会社長府製作所製の従来型エネファーム向け貯湯ユニットを使用しています。
<実証システムの外観>
*添付の関連資料を参照
以上