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清水建設、技術研究所「先端地震防災研究棟」の本格運用を開始

2015-03-10

技術研究所「先端地震防災研究棟」の本格運用を開始
〜高性能振動台2基を活用し、実験・計測と解析を一体的に推進〜


 清水建設(株)<社長 宮本洋一>はこのほど、技術研究所(東京都江東区)内に完成した「先端地震防災研究棟」の本格運用を開始しました。本施設は、あらゆる巨大地震の揺れを再現できる業界最高性能の大型振動台と、長周期地震動を3次元で再現できる世界最高性能の大振幅振動台を備えた研究施設です。当社は今後、本施設を活用してソフト・ハードの両対策技術の研究開発に注力するとともに地震体験プログラムをお客様に提供していくことで、お客様の防災スキルの向上等、BCPの最適化に寄与していく考えです。

 当社技術研究所はこれまで、1986年に完成した振動実験棟の振動台を用いて、地震対策技術の研究開発を進めてきました。従来の振動台は縦・横4m、再現可能な揺れの水平方向の加速度と変位はそれぞれ800ガル、±20cmと、当時としては業界最大・最高性能の実験設備として注目されていました。その後、耐震技術の研究が高度化し、設備の更新が課題となる中、2011年3月に東北地方太平洋沖地震が発生。その教訓をいち早く研究活動に反映していくため、当社は2013年6月、巨大地震長周期地震動を再現した加振実験等に対応できる新たな研究棟の建設に着手しました。

 先端地震防災研究棟に導入した大型振動台「E−Beetle」は縦・横7m、再現可能な水平方向の揺れの加速度と変位はそれぞれ2,700ガル、±80cmと、いずれも過去に観測された地震波の数値を上回り、内陸直下や海溝型など世界中のあらゆる地震の揺れを再現できます。本装置を活用することで、建物が終局状態(崩壊)に至るまでの挙動や、主構造体から内外装(天井等)、設備まで含めた耐震性能の把握、解析では推測できない建物の挙動など新たな知見の獲得が期待されます。

 一方、大振幅振動台「E−Spider」は、長周期地震動を再現できる縦・横4mの実験設備です。再現可能な揺れの変位は±1.5mで、水平方向だけでなく上下方向、回転も含めた3次元の揺れを再現できることが最大の特長です。水平方向の大変位に加え、上下方向および回転まで再現できる施設は他にありません。本装置で長周期かつ大振幅の揺れを再現することで、超高層建物自体の揺れのほか、室内の家具や屋上設備の挙動を把握できるようになります。

 また、「E−Spider」では、地震による揺れや地震対策の効果を体感できる地震体験プログラムも提供します。地震体験プログラムは、振動台上に設置した専用キャビン内で実施するものです。キャビン内の壁面には居室を模したCGを投射し、振動台の揺れに応じた家具の挙動等をリアルタイムで解析して表示します。本設備を活用することで、長周期かつ大振幅の揺れが人体に与える心理的・生理的な影響や行動に及ぼす影響を把握できるようになります。

 当社は、安全・安心な社会の実現に貢献すべく、先端地震防災研究棟を建物の設計や地震対策の検討、新技術・防災対策等の効果の検証の場、お客様への地震防災技術の提案、防災に対する意識喚起の場として活用していく考えです。


以上


≪参考≫

1.建物概要
 構造・規模:鉄骨造、地下2階・地上2階建て、延床面積1,843m2
 工期:2013年6月〜2014年11月
 総工費:52億円
 備考:本施設は2012年に着手した技術研究所・中期施設整備計画の一環として建設したもの。


 ※振動台概要・参考写真は添付の関連資料を参照



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