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ユビテック、東大アタカマ天文台に48kmの長距離無線アクセス回線を構築

2011-03-11

ユビテック、東京大学アタカマ天文台に48kmの長距離無線アクセス回線を構築

〜標高5,640m世界最高所の天文観測施設を山麓から制御可能に〜


 株式会社ユビテック(東京都品川区、代表取締役社長:荻野 司、以下ユビテック)は、国立大学法人東京大学のアタカマ天文台(TAO)プロジェクト(代表:吉井讓 東京大学教授)において、2011年2月22日にチリ共和国チャナントール山頂(標高5,640m)に設置された山頂観測施設と山麓のサンペドロ・デ・アタカマ(標高2,430m)に設置された山麓基地との間、約48kmを結ぶ2.4GHz長距離無線アクセス回線を構築し、無線通信に成功致しました。

 TAOプロジェクトは、東京大学大学院理学系研究科天文学教育研究センターが主体となり、チリ北部のアンデス山脈にあるチャナントール山頂に世界最高水準となる口径6.5mの赤外線望遠鏡を建設し、銀河や惑星の起源を解明するための観測を行うものです。

 山頂には2009年に口径1mのminiTAO望遠鏡が設置され、銀河中心部の水素が出す赤外線を世界で初めて地上から観測することに成功しています。また、この施設は常設の天文台としては世界で最も標高が高い位置にあります。

 今回構築した無線アクセス回線は、ユビテックがこれまで構築してきた無線LAN、WiMAX基地局など屋外無線ソリューション提供のノウハウを活かし、地形に合わせた回線設計を行い、チリ共和国の電波法令に従った許可申請を行なって、設計・構築したものです。
 また、電波伝搬状態の悪化や機器故障により1対向が切断した場合も、観測に必要な作業が中断することのないように自動的にもう1対向でバックアップする信頼度の高いシステムと致しました。
 無線装置は長距離無線LAN構築で実績のある日本無線株式会社製の2.4GHz無線LAN装置を使用し、過酷な自然環境を考慮して屋外で低温時にも動作する構造としております。
 この無線アクセス回線により、従来はオペレータが片道2時間半をかけて山頂にある天文台に出向き、酸素ボンベを装着しながら行なっていた観測作業が、山麓基地より遠隔制御でより安全に行なえるようになります。

 今回のネットワークシステム構築でのポイントは、以下の通りです。
 >チリ共和国電波法令の範囲内で、もっとも効率的なアンテナ利得及び出力を持つ機材を選定
 >既設観測システムと親和性の高いレイヤ2の透過性を持たせた上で、常用回線の異常時には自動的にバックアップ回線に切り替わるネットワーク設計
 >バックアップ回線を含む2対向のシステムの無線局許可取得
 >事前に綿密な動作検証を行い、山頂での限られた時間内で現地構築・調整作業を完了


 ※システム概要は添付の関連資料を参照

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